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「山岳物故者追悼法会」に寄せて 〜山で亡くなった方のために祈りませんか〜
山岳事故で亡くなった方の供養をする法会を行いまして、Youtubeで配信しました。
今回、この法会を配信する思いを書きたいと思います。
山岳物故者追悼法会を行いたいと思ったきっかけ
山岳事故が起こりますと、いろんな声が上がります。
それは時に批判であったり、非難であったりします。
事故の原因を考えると、装備不足での事故もあるでしょうし、
御嶽山噴火のような自然災害での山岳事故もあります。
その中で批判や議論は、山岳事故の原因を明らかにし、
対策を行い事故を少なくしていくという観点では必要なことだと思います。
しかし、事故を起こそうとして、死のうとして山に登る人はいません。
亡くなった方にもご家族や大切な方がいらっしゃるでしょう。
日々、様々な方の葬儀を勤める中で、
私はそのようなところに思いが至ります。
私も同じように山に登っている身であり、
山岳事故を起こすかもしれません。
僧侶として、登山者として、
そして、
山と仏を発信する「僧職系登山男子」として。
批判や非難でなく
私は「供養」を発信したい。
私が所属している長野県中部の宗派を超えた青年僧の集まりでは、
毎年上高地で「山岳慰霊法会」を行っています。
それにならって山と仏でも、同じように山で亡くなった方を供養する法会を皆さまと一緒に行いたい。
このような思いがあり、「山岳物故者追悼法会」を行うことにしました。
どのような動画にするか
とはいえ、そもそも山と仏は「山の神さま、仏さまを紹介する」というマニアックな活動ですし、法会の配信といってもお坊さんがただ読経するという動きがまったくない地味な動画。
皆さんになかなか見てもらえるものではないと思いました。
そこで、前々から発信したいと思っていた山好きの皆さんのための読経入門という動画に関連して発信することにしました。
お坊さんのお経ではなくて、一般の方でも唱えることのできるお経を、
できれば一緒に唱えていただけたら。(そして、山でも唱えていただけたら)
お唱えするのは難しくても、せめて内容がわかればとの思いからです。
(この動画にしてもマニアックだとは思うのですが。)
少しでも見てもらえるものを、と考えまして
・お経の内容が皆さまにもわかるように。
・山の映像とともに配信し、
山の美しさを楽しんでもらうとともに、
山に祈りを寄せてもらうように。
と考えまして、作成しましたのが冒頭の動画です。
祈りとは一度だけのもの。
「同じ祈りは一度しか存在しない。」
私の親友はこのように考えて、ライブ配信にこだわった発信をしています。
私も同じように考えているのですが、私のお寺にはライブ配信を行う環境がなく、難しいのが現状です。
しかし、可能な限り「一度しかない」祈りを発信したいと思い、
法会の部分は一発撮りで編集していません。
思いっきり間違えている部分がありますが、恥を承知でそのまま配信しています。
収録した動画ですと、何度も見返すことが可能ではあるのですが、
祈り自体は手を加えてないものです。
それは、たった一度の祈りです。
その祈りを皆さまと共有できたらと願っています。
山で亡くなった方の菩提をどうか、ご一緒に。
私の法会配信の思いを書かせていただきました。
もし私の思いに共感してくださった方、
動画を見ながら、あるいは動画をご覧にならなくても、
そして山岳事故の報道に触れた時に思い出していただき、
亡くなった方のご冥福をお祈りいただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
合掌
小雪童