世界奇談集 第6話 大運河建設にまつわる食人伝説
中国の運河開削の歴史は、秦の政(始皇帝)の鄭国渠(ていこくきょ)に始まる。前247年、政(後の始皇帝)が13歳で秦王となったとき、鄭国という人物が、関中の黄土地帯を開拓するために渭水の支流の水を引いて潅漑用水をつくることを献策した。実は鄭国は隣の韓のスパイで、秦の国力を下げることが目的だったのだが、用水は立派に完成し、鄭国渠と言われ、現在も使われている。また始皇帝は、前214年に嶺南(今の広東・広西)の南越を征服しようとして軍を派遣したとき、華中と嶺南を南北に結ぶ霊渠という運河を建設した。これは南海の象牙や真珠などの産物を華北にもたらすことになり、この運河も現在も使われている。
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