『ドキドキ!プリキュア』の一考察 主に菱川六花について
『ドキドキ!プリキュア』はトランプ(元大統領ではない)がモチーフだったが、細かいところまで手が込んでいて好きだった。
例えば、トランプのスート(マーク)にはそれぞれ以下の意味がある。
ハート=聖杯=愛
ダイヤ=宝石=富
クラブ=棍棒=幸福
スペード=剣=権力
これらはタロットカード由来で、スートはそれぞれ聖職者・商人・農民・貴族を表す。主人公4人はこのスートから名前が取られている。
相田マナ→愛→ハート
菱川六花→菱→ダイヤ
四葉ありす→四つ葉のクローバー→クラブ
剣崎真琴→剣→スペード
ただ、ダイヤが象徴する富の属性は、財閥令嬢の四葉ありすが持っていて、菱川六花は名前とモチーフに一見、乖離がある。
菱川六花は学力が高く、頭が切れるので、チームのブレーンだった。脚本上、その知性があまり活かされていなかった気がするが、ポジションとしてはそうである。ちなみに、苗字の菱川はダイヤが菱形であるところから取られている。
スートのダイヤはダイヤモンドから来ているが、ダイヤモンドは漢語で金剛石という。金剛とは堅固・強固という意味の梵語が由来である。ところで、仏教には金剛智という言葉があって、これは強固な知恵、如来の知恵を指す。菱川六花=キュアダイヤモンドは知性のプリキュアという位置づけだが、見事に繋がったではないだろうか。
一方で、四葉ありすは財閥令嬢で、実家は商人である。クラブは幸福の象徴だが、農民を表すマークであり、属性が合わない。いろいろ考えたが、お手上げだった。
リーダーの相田マナは度量が広く、人助けを好むなど慈悲深い性格で、聖職者にふさわしい。剣崎真琴は異世界の出身だが、元の世界では王女付きの歌姫で、立場は騎士に近く、剣のイメージと合致する。
(追加戦士である円亜久里については、ここでは触れない。)
『ドキドキ!プリキュア』をネタに、ちょっと思考で遊んでみた。この作品は隅々までモチーフが散りばめられていて、考察するといろいろ楽しい。今回はここまでにしておくが、何か思いついたらまた投稿するかもしれない。
そういえば、剣崎真琴が『仮面ライダー剣』の剣崎一真の妹ではないかという噂があるようだが、真偽はどうなんだろうか(真琴は作中で孤児だったとされていて、兄弟姉妹と生き別れた可能性が高い)。