
差別用語についての雑感
2025年1月3日、Twitter(X)で差別用語が話題になっていたので、これを機に差別用語について思うところをまとめてみることにした。
「かたわ」や「つんぼ」といった、障碍者に対する俗称に賤視の側面があるのは事実で、だから使ってはいけないのだが、世代によってはそれが当たり前に使われていたわけで、癖というのは容易に抜けないから、社会的背景を知らずに目くじらを立てるのもどうかと思う。
一方で、そうした用語を使うなと言われたときに、なぜ使ってはいけないのかという説明を僕は受けた記憶がない。「なぜ使ってはいけないのか→差別用語だから」では説明になっておらず、納得できない人はいると思う。
「かたわ」とは「片輪」のことで、車輪は左右に無いと意味をなさないことから、一方の腕や足が不自由な人のことを「かたわ」と呼ぶようになったらしい。
障碍者差別の根底には、五体不具穢(ごたいふぐえ)があるのではないかと疑っている。五体不具穢は身体の欠損によって生じるケガレのことで、当時は「ケガレは伝播する」と考えられたので、触穢(しょくえ:ケガレに触れること)によって不都合が出るのを避けるため、当事者は物忌みや祓いを行う必要があった。これは日本の伝統的なケガレ観念と関係してくるので、一朝一夕では解消されない問題だと思う。
ここから先は
809字
¥ 500
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?