やまとけんじ

やまとけんじ

記事一覧

「想像力」の想像力~『ウルトラマンアーク』の多面性~

※この記事は、調布FM「本音で行こうぜ!!」2024年9月14日放送回でのトーク内容から発展させたものになります。この記事単体でもお楽しみ頂けますが、ぜひそちらも合わせて…

7

コントロール不可能性を/と生きる〜『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』〜

1.「子どもの映画」としての『大怪獣首都激突』『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』は、タイトル通りに怪獣たちが首都で暴れ回る映画であるだけでなく、…

やまとけんじ
1か月前
3

”町”のヒーローのために~生活の中のヒーローたち~

0.ヒーローと「世界」、ヒーローと「町」 ヒーローものの、いわばお約束として登場するのが「世界征服」という言葉だ。多くのヒーローもので、敵役はこの言葉を目的と掲…

やまとけんじ
3か月前
6

「橋と扉」ー『ウルトラマンブレーザー』のコミュニケーション

1.『ブレーザー』とコミュニケーション  『ウルトラマンブレーザー』第1話の衝撃を、私ははっきり思い出すことができる。全編にわたって続く防衛隊と怪獣の攻防、そして…

やまとけんじ
6か月前
6

『星雲仮面マシンマン』考~生活の善悪論としてのヒーローもの~

0.宇宙から来た大学生今からちょうど40年前、ひとりのヒーローがいた。 彼は宇宙からやってきた大学生。卒論をまとめる為の調査に訪れた地球で、彼はある女性に一目惚れす…

やまとけんじ
8か月前
7
「想像力」の想像力~『ウルトラマンアーク』の多面性~

「想像力」の想像力~『ウルトラマンアーク』の多面性~

※この記事は、調布FM「本音で行こうぜ!!」2024年9月14日放送回でのトーク内容から発展させたものになります。この記事単体でもお楽しみ頂けますが、ぜひそちらも合わせてお聞きください。

1.『ウルトラマンアーク』の「想像力」「想像力を解き放て!」

 窮地に陥ったとき、ユウマの意識にウルトラマンアークはこう語りかける。逆転の途はある、自分のイメージでそれを掴み取れ!と––––

 『ウルトラマ

もっとみる
コントロール不可能性を/と生きる〜『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』〜

コントロール不可能性を/と生きる〜『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』〜


1.「子どもの映画」としての『大怪獣首都激突』『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』は、タイトル通りに怪獣たちが首都で暴れ回る映画であるだけでなく、その中心に「子ども」がいる映画であった。

 この映画の物語の中心になるのは、先進化学企業・ネクロマス社とその社長のマブセ、そしてその子どものユウキだ。マブセの妻、つまりユウキの母は早くして亡くなってしまい、それ以降マブセは不

もっとみる
”町”のヒーローのために~生活の中のヒーローたち~

”町”のヒーローのために~生活の中のヒーローたち~


0.ヒーローと「世界」、ヒーローと「町」 ヒーローものの、いわばお約束として登場するのが「世界征服」という言葉だ。多くのヒーローもので、敵役はこの言葉を目的と掲げてきた。
 もちろん、ヒーローものがパロディされ始め、それすら一種の定番となってから、もはやその言葉は陳腐なものになった。だがそれでも、敵役の目的は「世界」や「人類」といった言葉と密接に結びついていた。世界の破滅、人類滅亡――もちろん、

もっとみる
「橋と扉」ー『ウルトラマンブレーザー』のコミュニケーション

「橋と扉」ー『ウルトラマンブレーザー』のコミュニケーション


1.『ブレーザー』とコミュニケーション
 『ウルトラマンブレーザー』第1話の衝撃を、私ははっきり思い出すことができる。全編にわたって続く防衛隊と怪獣の攻防、そして突如として現われ、大暴れするウルトラマンブレーザーの闘い。そのリアリズムと荒々しいエネルギーに、私は痺れ、すっかり虜になってしまった。

 一方で、続く第2話からは隊員同士の細やかな人間関係が描写され、その丁寧さも『ブレーザー』の魅力だ

もっとみる

『星雲仮面マシンマン』考~生活の善悪論としてのヒーローもの~

0.宇宙から来た大学生今からちょうど40年前、ひとりのヒーローがいた。

彼は宇宙からやってきた大学生。卒論をまとめる為の調査に訪れた地球で、彼はある女性に一目惚れする。時を同じくして、悪の天才科学者が子どもたちを苦しめるために、自らの技術で怪事件を引き起こし始めた。事件に必ず首を突っ込む女性を守るため、宇宙から来た大学生はヒーローとなって立ち向かう…

その大学生の名はニック/高瀬健、そしてその

もっとみる