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「想像力」の想像力~『ウルトラマンアーク』の多面性~
※この記事は、調布FM「本音で行こうぜ!!」2024年9月14日放送回でのトーク内容から発展させたものになります。この記事単体でもお楽しみ頂けますが、ぜひそちらも合わせてお聞きください。
1.『ウルトラマンアーク』の「想像力」「想像力を解き放て!」
窮地に陥ったとき、ユウマの意識にウルトラマンアークはこう語りかける。逆転の途はある、自分のイメージでそれを掴み取れ!と––––
『ウルトラマ
コントロール不可能性を/と生きる〜『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』〜
1.「子どもの映画」としての『大怪獣首都激突』『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突』は、タイトル通りに怪獣たちが首都で暴れ回る映画であるだけでなく、その中心に「子ども」がいる映画であった。
この映画の物語の中心になるのは、先進化学企業・ネクロマス社とその社長のマブセ、そしてその子どものユウキだ。マブセの妻、つまりユウキの母は早くして亡くなってしまい、それ以降マブセは不
”町”のヒーローのために~生活の中のヒーローたち~
0.ヒーローと「世界」、ヒーローと「町」 ヒーローものの、いわばお約束として登場するのが「世界征服」という言葉だ。多くのヒーローもので、敵役はこの言葉を目的と掲げてきた。
もちろん、ヒーローものがパロディされ始め、それすら一種の定番となってから、もはやその言葉は陳腐なものになった。だがそれでも、敵役の目的は「世界」や「人類」といった言葉と密接に結びついていた。世界の破滅、人類滅亡――もちろん、
「橋と扉」ー『ウルトラマンブレーザー』のコミュニケーション
1.『ブレーザー』とコミュニケーション
『ウルトラマンブレーザー』第1話の衝撃を、私ははっきり思い出すことができる。全編にわたって続く防衛隊と怪獣の攻防、そして突如として現われ、大暴れするウルトラマンブレーザーの闘い。そのリアリズムと荒々しいエネルギーに、私は痺れ、すっかり虜になってしまった。
一方で、続く第2話からは隊員同士の細やかな人間関係が描写され、その丁寧さも『ブレーザー』の魅力だ
『星雲仮面マシンマン』考~生活の善悪論としてのヒーローもの~
0.宇宙から来た大学生今からちょうど40年前、ひとりのヒーローがいた。
彼は宇宙からやってきた大学生。卒論をまとめる為の調査に訪れた地球で、彼はある女性に一目惚れする。時を同じくして、悪の天才科学者が子どもたちを苦しめるために、自らの技術で怪事件を引き起こし始めた。事件に必ず首を突っ込む女性を守るため、宇宙から来た大学生はヒーローとなって立ち向かう…
その大学生の名はニック/高瀬健、そしてその