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在宅診療における往診の工夫 - 予防的アプローチの重要性

こんにちは、やまとドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分間医師カンファ」では、現場での気づきや悩みをテーマに、やまとの全診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は「往診のあり方」について話し合いました。

Take Home Message

  • プロアクティブな対応で緊急往診を減らすことが可能

  • 事前指示と多職種との情報共有が重要

  • 患者・家族が安心できる体制づくりがポイント

カンファでの意見交換

A医師:「2017年の往診データを分析したところ、興味深い傾向が見えてきました。日中は発熱や呼吸困難、夜間は看取りが多く、特に月曜と金曜に往診が集中する傾向がありました。皆さんは往診についてどのような工夫をされていますか?」

B医師:「私たちの診療所では予測できる変化への対応を重視しています。週末になって慌てることがないよう、金曜日のミーティングで要注意の患者さんをピックアップするようにしています」

A医師:「具体的にはどのような対応を?」

B医師:「予測指示を出しておいたり、薬が足りているか確認したり。『こういう症状が出たら連絡してください』という具体的な目安も、ご家族や施設と共有します。そうすることで、お互いに迷って何度もやり取りするような事態が減りますね」

C医師:「その点について、私たちの取り組みも変化してきています。以前は本当に悪くなってからの『スクランブル発進』的な往診が多かったのですが...」

A医師:「最近は違うんですか?」

C医師:「はい、少し変わってきました。悪くなりかけの段階で早めに介入する、プロアクティブな対応を心がけています。定期診療に余裕ができたことで、そういった対応が可能になってきましたね」

D医師:「日中の往診件数が多い理由について、気づいたことがあります。訪問看護師やケアマネージャーからの報告を受けて、相談した上で往診を決めるケースが多いんです。正直、これは良い傾向だと思います」

A医師:「なぜですか?」

D医師:「多職種の目で状況を確認できているからです。緊急性の判断もより適切になりますし」

E医師:「外来診療をしていると、在宅診療所に対する評価をよく耳にします。患者さんやご家族が高く評価するポイントって、だいたい『困った時に電話で相談できて、必要なら来てくれる』という安心感なんですよね」

F医師:「夜間や休日の工夫として、私たちはオンライン対応も取り入れ始めています。訪問看護師からの情報を聞いて、オンラインで状況を確認。実際の往診が必要か、それとも救急搬送が適切かの判断に役立てています」

実践的な対応のポイント

予防的アプローチ

週末前の予測指示
薬剤の在庫確認
状態変化の目安の共有

多職種連携

訪問看護師との情報共有
ケアマネージャーとの連携
施設職員との協力関係構築

緊急対応の工夫

オンライン診療の活用
適切な判断基準の設定
バランスの取れた対応

おわりに
A医師は「興味深いことに、診療所の立ち上げ期(から成熟期にかけて、往診の割合が徐々に減少していく傾向があります。これは、患者さんとご家族が安心して在宅生活を送れるようになっている証かもしれません。そのノウハウをさらに言語化していければと思います」と締めくくりました。
本日の議論が、医療介護の現場での一助となれば幸いです。
やまとドクターサポートの原田でした。