やまと在宅診療所の15分

私たち「やまと地域医療グループ」は東日本大震災をきっかけに結成された医療支援チームからスタートし、東北から九州まで全国に地域医療を届けています。今回、やまとの15分間勉強会の内容をブログにまとめて発信します!https://project.yamatoclinic.org/

やまと在宅診療所の15分

私たち「やまと地域医療グループ」は東日本大震災をきっかけに結成された医療支援チームからスタートし、東北から九州まで全国に地域医療を届けています。今回、やまとの15分間勉強会の内容をブログにまとめて発信します!https://project.yamatoclinic.org/

最近の記事

在宅診療における頻回なカテーテル閉塞への対応

こんにちは、やまとドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分間医師カンファ」では、現場での気づきや悩みをテーマに、やまとの全診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は「頻回なカテーテル閉塞への対応」というテーマで話し合いました。 Take Home Message カテーテル閉塞の原因を多角的に評価し、適切な対策を選択 尿の性状改善(内服薬の見直し、水分量調整)が基本 カテーテルの材質・サイズの変更も有効な選択肢 カンファでの意見

    • 在宅診療における夜間頻尿への対応

      こんにちは、やまとドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分間医師カンファ」では、現場での気づきや悩みをテーマに、やまとの全診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は「夜間頻尿への対応」というテーマで話し合いました。 Take Home Message 本人の生活リズムと精神状態の評価が重要 誰が困っているのか(本人・家族・施設)をしっかり把握 薬物療法の前に生活指導と環境調整を優先する カンファでの意見交換 A医師:「高齢の患者

      • 在宅医療における診療の質の評価 - 多角的なフィードバックの重要性

        こんにちは、やまとドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分間医師カンファ」では、現場での気づきや悩みをテーマに、やまとの全診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は「診療の質をどう評価するか」というテーマで話し合いました。 Take Home Message 在宅診療は一対一の密室空間であり、客観的評価が難しい 多職種(看護師、アシスタント等)からのフィードバックが重要 診療記録や患者家族の反応など、多角的な評価が必要 カンファでの意

        • 終末期の点滴をどう考えるか - 点滴は500ml/日程度?

          こんにちは、ドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分で終わる医師カンファ」では、現場での悩みをテーマに、やまと内の複数の診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は「終末期の点滴治療」について話し合いました。 Take Home Message 家族の気持ちに寄り添いながら、医学的判断のバランスを取る 中止基準を事前に説明し、段階的な減量を考慮 家族に後悔を残さない配慮が重要 カンファでの意見交換A医師:「終末期の点滴について相談させ

          在宅医療における認知症薬の使い方 - 現場の医師たちの考え

          こんにちは、やまとドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分間医師カンファ」では、現場での気づきや悩みをテーマに、やまとの全診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は「認知症薬の使い方」について話し合いました。 Take Home Message 在宅での新規導入は慎重に判断 家族の期待と実際の効果のギャップに配慮 中止を検討する際は家族との丁寧な対話が重要 カンファでの意見交換 A医師:「認知症薬の使い方について相談させてください。

          在宅医療における認知症薬の使い方 - 現場の医師たちの考え

          在宅診療における往診の工夫 - 予防的アプローチの重要性

          こんにちは、やまとドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分間医師カンファ」では、現場での気づきや悩みをテーマに、やまとの全診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は「往診のあり方」について話し合いました。 Take Home Message プロアクティブな対応で緊急往診を減らすことが可能 事前指示と多職種との情報共有が重要 患者・家族が安心できる体制づくりがポイント カンファでの意見交換 A医師:「2017年の往診データを分析

          在宅診療における往診の工夫 - 予防的アプローチの重要性

          認知症患者の頭痛管理 - 薬物療法だけでなく、不安や生活リズムにも注目

          こんにちは、やまとドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分間医師カンファ」では、現場での気づきや悩みをテーマに、やまとの全診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は「認知症患者の頭痛管理」について話し合いました。 Take Home Message 痛みの訴えの背景にある要因を多角的に評価 薬物療法だけでなく、不安や生活リズムにも注目 家族との認識共有と段階的なアプローチが重要 カンファでの意見交換A医師:「91歳の女性で、脳動脈瘤

          認知症患者の頭痛管理 - 薬物療法だけでなく、不安や生活リズムにも注目

          在宅医療学会2024から考える、これからの学びのあり方 - 現場からの報告

          こんにちは、やまとドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分間医師カンファ」では、現場での気づきや悩みをテーマに、やまとの全診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は2024年の在宅医療学会の振り返りを行いました。 Take Home Message 在宅医療の質評価には新しい指標と方法論が必要 実践知の共有と研究的アプローチの両立が重要 15分カンファでの対話を通じた学び合いの価値 カンファでの意見交換A医師:「学会に参加された先生

          在宅医療学会2024から考える、これからの学びのあり方 - 現場からの報告

          高齢者のポリファーマシー - 医学的判断だけ?

          こんにちは。ドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分で終わる医師カンファ」では、現場での悩みをテーマに、やまと内の複数の診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は「高齢者のポリファーマシー」について話し合いました。 Take Home Message 早期から患者・家族と薬剤調整の可能性について対話を始める 予後予測を考慮した上で、予防薬と対症療法薬を区別して判断 患者・家族の意向と医学的判断のバランスを取る カンファでの意見交換

          高齢者のポリファーマシー - 医学的判断だけ?

          高齢者の入院適応 - 入院治療の必要性の線引き

          こんにちは。やまとドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分で終わる医師カンファ」では、現場での気づきや悩みをテーマに、やまとの全診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は「高齢者の入院適応」について話し合いました。 Take Home Message 入院によるADL低下は避けられない現実として認識 入院の必要性と予測されるリスクを家族と共有 早期退院と在宅復帰に向けた体制づくりが重要 カンファでの意見交換 A医師:「在宅患者さん

          高齢者の入院適応 - 入院治療の必要性の線引き

          施設職員の医療的不安にどう応えるか? - 信頼関係構築のための具体的アプローチ

          こんにちは。やまとドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分で終わる医師カンファ」では、現場での気づきや悩みをテーマに、やまとの全診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。 Take Home Message 施設職員の不安に寄り添いながら、明確な判断基準を示す 医療者、施設、家族の「信頼の三角形」構築が重要 予防的な教育と関係作りが緊急時の適切な対応につながる カンファでの意見交換 A医師:「介護者さんのニーズと患者教育のバランスで悩ん

          施設職員の医療的不安にどう応えるか? - 信頼関係構築のための具体的アプローチ

          食べたくない患者と食べさせたい家族の葛藤にどう向き合うか? - 終末期の食事をめぐる対話

          こんにちは。やまとドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分で終わる医師カンファ」では、現場での気づきや悩みをテーマに、やまとの全診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は「終末期の食事を巡る患者・家族との関わり方」について話し合いました。 Take Home Message 家族の気持ちに寄り添いながら、徐々に自然な経過を理解してもらう 食事の意味を「義務」から「楽しみ」へと捉え直す機会を提供 医療者、患者、家族で共に考えるプロセス

          食べたくない患者と食べさせたい家族の葛藤にどう向き合うか? - 終末期の食事をめぐる対話

          腹部膨満・ガス貯留にどう対応するか? - ガス貯留の背景にある病態

          こんにちは。やまとドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分で終わる医師カンファ」では、現場での気づきや悩みをテーマに、やまとの全診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は排ガスコントロールに難渋する2症例について話し合いました。 Take Home Message ガス貯留の背景にある病態(腸内細菌叢の乱れ、炎症など)への対応 薬物療法・非薬物療法を組み合わせた包括的アプローチが必要 患者の心理面と家族の負担にも配慮した支援を心がけ

          腹部膨満・ガス貯留にどう対応するか? - ガス貯留の背景にある病態

          新型コロナウイルス感染症の重症化リスクは変わったのか? - 2023年8月、現場医師たちの最新の実感

          こんにちは。やまとドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分で終わる医師カンファ」では、現場での気づきや悩みをテーマに、やまとの全診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は過去のやりとりで2023年8月時点での新型コロナについての動向がテーマでした。 Take Home Message 重症化のリスクは以前より低下している印象 施設でのクラスター発生は依然として要注意 感染後のADL低下など、二次的な影響に注意が必要 カンファでの意

          新型コロナウイルス感染症の重症化リスクは変わったのか? - 2023年8月、現場医師たちの最新の実感

          在宅医療から生まれる臨床研究 - 現場の疑問からエビデンス構築へ

          なぜ訪問診療医が研究に取り組むべきなのか 「研究なんて大学の先生がやることでしょう」「忙しい診療の合間に研究なんてできません」—こういった声をよく耳にします。確かに、日々の診療に追われる中で研究に取り組むのは簡単なことではありません。しかし、実は現場で働く医師だからこそできる、そしてやるべき研究があるのです。 研究というと、白衣を着た研究者が実験室で複雑な実験をしているイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、臨床研究の本質は意外とシンプルです。世界中の既存の知見を調

          在宅医療から生まれる臨床研究 - 現場の疑問からエビデンス構築へ

          地域中小病院の未来像とは? - コミュニティホスピタルへの挑戦

          こんにちは。やまとドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分で終わる医師カンファ」では、現場での気づきや悩みをテーマに、やまとの全診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は「高齢者の入院適応」について話し合いました。 Take Home Message 地域の中小病院は「コミュニティホスピタル」としての機能が求められる 高齢者の慢性期救急への対応が重要な役割に 在宅医療との連携強化が今後のカギ カンファでの意見交換 A医師:「今日

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