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診療アシスタントの役割とは? - チーム医療における新たな可能性

こんにちは、やまとドクターサポートの原田です。毎週開催している「15分間の医師カンファ」では、現場での気づきや悩みをテーマに、やまとの全診療所の医師が様々な視点から解決策を考える場を設けています。今回は、やまと地域医療グループ独自の職種である診療アシスタントの役割と可能性について話し合いました。診療アシスタントは医療資格を持たない立場でありながら、診療に同行して医師や看護師が診療に専念できるよう、コーディネートから全体のマネジメントまでを担う重要なチームメンバーです。

Take Home Message

  • アシスタントは独立したプロフェッショナルとしてのチームメンバー

  • 医療知識だけでなく、多様な視点をチームに提供できる存在

  • 相互サポートの関係性が重要

カンファでの意見交換

A医師:「診療アシスタントの立ち位置について、皆さんはどうお考えですか?パートナーなのか、アシスタントなのか、それとも独立した役割なのか。皆さんの意見をお聞かせください」

B医師:「私は6年間アシスタントと働いてきた経験から、アシスタントの方々の多様な背景を大切にすべきだと考えています。医療関係者だけでなく、様々なバックグラウンドを持つ方がいらっしゃいますから、医学的知識の標準化だけでなく、それぞれの強みを活かせる環境が大切だと思います」

A医師:「具体的に、どのような点で多様性が活きてくると感じますか?」

B医師:「特に大切なのはコミュニケーション能力です。入職時からきちんとした研修システムがあることで、アシスタントさん自身も自分の役割や成長過程が見えやすくなります」

C医師:「診療の流れについて、私の考えを共有させていただきたいのですが。診察室での位置取りや、診療の流れを止めないための工夫など、アシスタントさんには『流れ』を作る役割を期待しています」

A医師:「具体的にはどのようなことでしょうか?」

C医師:「時には医療知識が必要かもしれませんし、器具の名前を知っておく必要もあるでしょう。でも最も大切なのは、最終目標を理解することです。例えば、医師や看護師が他の作業をしている時に、患者さんの表情を観察したり、会話をしたり。そういった気配りが診療に大きな付加価値を生むんです」

D医師:「私はアシスタントを独立したプロフェッショナルとして見ています。医師や看護師をサポートするのと同様に、私たち医師もアシスタントをサポートし、看護師もアシスタントをサポートする。そういった相互サポートの関係性がチームとして大切だと考えています」

A医師:「具体的な業務面では、どのような点で活躍を感じますか?」

E医師:「私からいくつか具体例を挙げさせていただきます。診療場面の口述筆記、皮膚所見の写真撮影と記録、エコー検査後の機器管理、検体の適切な取り扱い。また、前回の診療内容の要点を車中で共有してくれることで、次の訪問がスムーズになります」

「特に印象的なのは、患者さんの家族関係や趣味など、医療以外の情報も自然に集めてくれること。これは診療の質を高める上で、とても貴重な情報になります」

F医師:「医学的な知識や経験に囚われない視点を持っているのが、アシスタントさんの強みだと感じています。むしろ、専門職とは違う角度からの意見が、新しい気づきを与えてくれることが多いんです」

A医師:「チーム内での関係性について、どのようにお考えですか?」

G医師:「私は、医師・看護師・アシスタントがそれぞれ異なる目線で意見を出し合えることが理想だと考えています。例えば、アシスタントさんには医療介護の制度面の知識を深めてもらい、その視点からの意見も出してもらえると、より良いチーム医療になると思います」

H医師:「日々の診療で特に感謝していることをお話ししてもよいでしょうか。患者さんとの会話の細かなニュアンスを記録に残してくれること、検査後の環境整備、画像データの適切な管理など。また、患者さんやご家族との何気ない会話から得られる情報を共有してくれることは、とても貴重です」

A医師:「新人アシスタントの育成については、どのようにお考えですか?」

I医師:「基本的には全診療所で共通のベースを持つべきだと考えています。アシスタントプロジェクトに沿って基本を学び、その後それぞれの診療所の特色に応じて成長していく。そういった段階的な育成が望ましいと思います」

おわりに

今回の対話を通じて、診療アシスタントという職種の持つ可能性の大きさを改めて実感しました。医療の専門知識だけでなく、異なる視点や経験を持つ存在として、チーム医療に新しい価値をもたらしてくれています。

特に印象的だったのは、「流れを作る」「相互サポート」「異なる視点」という키ワードです。専門職である医師や看護師とは違う立場だからこそ、患者さんやご家族との距離感も異なり、新しい気づきをチームにもたらしてくれる存在なのかもしれません。

このような新しい職種の存在は、やまとの強みの一つだと考えています。今後も、アシスタントの皆さんとともに、より良い在宅医療の実現を目指していきたいと思います。

本日の対話が、チーム医療の在り方を考える一助となれば幸いです。

やまとドクターサポートの原田でした。