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【2024セレッソ大阪第18節】マイクの後継者奥田勇斗は何者?プレーの特徴を分析~セレッソ大阪VS浦和レッズ~
毎熊選手がオランダに移籍することになりその後継者と目される奥田勇斗。あまり派手さはないように見えますが浦和レッズ戦では目の覚めるようなミドルを決めてくれました。セレッソ大阪が後半戦浮上するためのキーマンになりそうな予感です。そんな奥田勇斗選手のプレーの特徴が知りたいのですが・・・
どうもさかりーにょです。本記事は2024 J1第18節セレッソ大阪VS浦和レッズの試合を基に奥田勇斗選手のプレーの特徴を分析していきたいと思います!
本記事の信頼性
・年間平均200試合以上を分析しながらオリジナルの「さかりーにょ分析メソッド」開発
・JFA公認指導者ライセンスB級
・CAF(アフリカ大陸サッカー指導者) C級
・JFAフィジカルフィットネスC級
・IFCO公認サッカー戦術アナリストベーシックコース修了
・AEFCA公認マッチアナリストコース修了
・元海外プロサッカー選手&指導者
2024 J1第18セレッソ大阪 VS浦和レッズ
スタメン
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マッチアップ図
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スタッツ
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奥田勇斗選手の基本データ
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奥田勇斗選手の基本データは以下の通りだ。
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奥田勇斗選手がセレッソ大阪で担っている役割は大きく以下の通りだ。
・ビルドアップの起点
・プレッシングで誘導したボールを奪う役割
・4バックの右SBとしてゾーンディフェンスを遂行する
・オーバーラップで右サイドの攻撃に厚みを持たせる
本ゲームにおける奥田選手のスタッツは以下の通りだ。
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スタッツの通り、ボールの取りどころ、4回のオーバーラップの回数、偽サイドバックの立ち位置からの適切なゲームメイクなどセレッソ大阪が求める役割を的確に果たしていた。一方で、4バックの右SBとしてゾーンディフェンスを遂行するというタスクに関しては失点シーンも含め改善が必要である。
奥田勇斗選手プレーの特徴
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ここからはそんな奥田勇斗選手のプレーの役割を具体的に分析していく。
【攻撃】
攻撃面における最大の特徴はキックの正確性だ。本人曰くボールを止める、蹴るといったプレーは、誰でもできそうな基本的な技術だけど、1個のトラップやパスにメッセージを込めるなど意識した」と語る通り2点目のミドルシュートをはじめとした、左右両足から繰り出されるキックの精度は非常に高く、それを活かす止める技術も洗練しているのでミスが少ない。
また、運ぶドリブルを使うタイミング、エリアが適切であり奥田選手が運ぶドリブルを通してゲームの流れをコントロールしているシーンが多く見受けられた。
ビルドアップに関してもワイドとインサイドの立ち位置を状況に応じて臨機応変に対応し、22分にはIHの位置で見事にボールを引き出し決定機を創り出した。
【守備】
守備面では相手の状況とボールの位置を基に的確な予測でインターセプトを成功させることができる。この特徴はセレッソが4-4-2からサイドにボールを追い込み奪うという狙いともマッチしている。時には自身のポジションを捨てて最も危ないエリアをカバーできる危機察知能力も非常に魅力だ。一方で逆サイドの攻撃時に中に絞りすぎており、大外の相手プレーヤーにボールがわたる際に寄せが甘く主導権を握られることが多い。もう1m2m外に立つことでサイドチェンジされても主導権を握らせない圧力をかけることができる。
また、76minの失点シーンではリンセンがCBに西尾選手と奥田選手の間で構えた。この際に、奥田選手はリンセンが視野に入っており、西尾選手は視野には入っていないがマークの担当は西尾選手であったと考えられる。この際に、奥田選手が西尾選手に適切なコミュニケーションで危機を伝えることができていれば容易に防ぐことができた失点であった。マークの受け渡しやコミュニケーションに一定の課題がある。4-4-2のゾーンディフェンスにおいてこのポイントを克服できないとより多くの失点を献上することになるのでチームとして今一度明確な守備モデルを示す必要があるだろう。
【全般】
本人曰く「特にフィジカルも良くなければ、スピードも速くない。中学生の時に身長が140cmだったので、小さいながらにどうすれば良いのか自分で考えた。」と語るようにサッカーIQ、基礎技術が非常に高いためにミスが少ない。攻守の場面場面で最適解を瞬時に見つけ、実行するスキルを兼ね備えているプレーヤーであると分析。
さかりーにょEyes
そのプレー、フィジカルの特性上ポジショナルフットボールにおいて強みを出せるプレーヤーであるが、1対1は攻守において主導権を取ることができないためにフィジカルを前面に押し出したサッカーを志向するチームにおいては非常に苦戦する印象だ。
今後、IQの高さだけでは対応できない相手や状況をどのように克服していくのかが成長の大きなカギである。攻撃においては相手を抜き切らない技術、守備においては相手に触れずに止める技術を特に意識してそのスキルを磨く必要があるだろう。
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