
第7話: 「職場での試練」
第7話: 「職場での試練」
朝の保育園、忙しさの中で
春が深まり、保育園では新年度の慌ただしさがまだ続いていた。さくらは子どもたちと接する時間を楽しみつつも、仕事量の多さに少し疲れを感じていた。
さくら:
「今日も子どもたちの笑顔を見るために頑張らなくちゃ…!」
しかし、登園時に泣いてしまう子や、保護者からの要望対応が重なり、彼女は次第に余裕を失っていく。
午前中の活動: 不注意からの失敗
つくし組では、手作りの粘土遊びをしていた。子どもたちが思い思いの作品を作る中、さくらは一人ひとりのサポートに追われる。
子どもA:
「先生!これ見て!ドラゴン作ったの!」
さくら:
「わあ、すごいね!とってもかっこいいドラゴンだね!」
他の子どもにも声をかけながら、さくらは忙しく立ち回る。しかし、ふとした不注意で道具を床に落としてしまい、子どもたちが少しざわつく。
さくら:
「ごめんね、先生が片付けるからね。」
ミスを引きずらないように努めるが、心の中では「もっとしっかりしなくちゃ…」と自分を責めてしまう。
昼休み、職員室での心情
昼食後、さくらは職員室で資料を見ながらぼんやりしていた。同僚の三浦がそれに気づき、声をかける。
三浦:
「さくら、最近頑張りすぎじゃない?ちょっと休んだほうがいいわよ。」
さくら:
「大丈夫です…でも、子どもたちにもっと寄り添いたいのに、思うようにできなくて…。」
三浦:
「保育士だって人間なんだから、完璧じゃなくていいのよ。むしろ、あなたが楽しんでいないと子どもたちにも伝わっちゃう。」
その言葉にさくらは少し救われた気持ちになる。
夕方の出来事: 保護者とのすれ違い
お迎えの時間、ある保護者からクレームが寄せられる。
保護者B:
「うちの子、今日は粘土遊びで服を汚して帰ってきました。先生、もう少し注意してもらえませんか?」
さくらは申し訳なさそうに頭を下げる。
さくら:
「申し訳ありません、次回は気をつけます。」
しかし、保護者とのやり取りが終わった後、さくらは自分の対応に自信をなくしてしまう。
帰宅後のさくらの独り言
仕事を終え、さくらは部屋に戻ってふと考え込む。
さくら:
「子どもたちの笑顔が見たいだけなのに、どうしてこんなにうまくいかないんだろう…。」
保育士としての壁に直面し、自分の限界を感じ始める。
一方、田中家の様子
田中家では、一真と真紀が家族の時間を大切にしようと努力していた。しかし、一真の仕事が多忙を極めており、真紀は家事や育児の負担が増えていた。
真紀:
「優花、最近よく笑うようになったわね。でも、もっと一緒に遊んであげたいな…。」
一真:
「俺もできる限り早く帰るようにするよ。」
夫婦での協力を確認し合いながらも、今後の課題を模索していた。
その夜、さくらの日記より
「今日も忙しくて、保護者対応で落ち込むことがあった。でも、子どもたちの成長を見守ることができるこの仕事が大好きだ。自分を責めるよりも、一歩ずつ前に進むことを大切にしたい。」
次回予告: 「小さな光」
次回は、子どもたちからの純粋な言葉がさくらを支えるエピソード。田中優花がさくらに感謝の気持ちを伝え、彼女が再び自信を取り戻す姿が描かれます。