「ビバ・マエストロ!指揮者ドゥダメルの挑戦」を観る
世の中知らないことが多い。
無知をさらけ出すのは恥ずかしいが、正直な気持ちを表現したい。
時々はドキュメンタリー作品に触れた方がいい。
僕は本作を通して世界的指揮者グスターボ・ドゥダメルという存在を知った。
この分野に関しては知識もセンスも持ち合わせていない。
ドゥダメルが振るう指揮で、彼はダメだししたり褒めたりするが違いは分からない。
同じように素晴らしい演奏に聞こえる。
観客はスタンディングオベーションで大絶賛するが、
それはドゥダメルの指揮による演奏が本当に良かったからだろう。
それだけ魅了された証か。
違いは分からない。
もっと愚かなのは本作で描かれる世界を知らないということ。
ベネズエラが政局不安定な国であるのは理解しているがその程度に留まる。
国内で起きる不幸な出来事までは僕には届いていない。
世の中を大局的にみるのは重要だが、小さな点に気づかなければ本当の不幸は理解できない。
本作ではドゥダメルの活動を通して抉り出す。
政治的な活動を控えてきたドゥダメルだが、ある事件を発端に自分の意思を表明。
それが政府の反発を買い、国内での活動ができなくなる。
自分の身を守るためにその場から離れるメンバーもいるが、当然のこと。
危険にさらされる状況は身の回りでおきる。
そんな中でも諦めない姿勢で情熱的に活動を続けるドゥダメル。
もっとその行動は世の中に知られてもいいと思うが、
(実際は知られているのかも)
この分野に関心がなければ何もなく過ぎ去っていく。
別の業界で、別の国で同じような事象はあるのだろう。
オーケストラによる演奏は明らかに芸術。
ド素人の僕でも凄いな!と感じる。
いい演奏との違いはよく分からないが・・・。
そこに命を懸けて臨む人たちがいる。
夢を追いかける若者がいる。
そんな人を自分たちのエゴで潰してはいけない。
自分勝手な正義で可能性を閉ざしてはいけない。
本作は当たり前なことを一人の指揮者を通して教えてくれる。
もう少しこの分野の理解を深めたい。
そうすればドゥダメルの才能も分かるかもしれない。
時にドキュメンタリーは必要。
それを感じさせてくれた作品だった。