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映画レビュー「ふたごのユーとミー 忘れられない夏」

本作は双子姉妹を描いた青春ラブストーリー。
日本映画なら観なかった。
いや、アメリカ映画やヨーロッパ映画でも観なかった。

このジャンルはとうに卒業。
ではなぜ観たか。
理由は明確。

タイの映画はどんな感じかということ。
生まれて初めてタイの映画を観た。
タイ映画が日本に輸入されることはほとんどないと思う。
年間制作数は知らないが、それなりに作られているはず。
それだけでも本作は代表的な一本といえるのではないか。

舞台は1999年のバンコク。
2000年問題が騒がれていたのは日本も同じ。
時代の変わり目を描いている。

どうだろう。
日本の生活に照らし合わせると60年代、70年代になるのか。
上から目線すぎるかな・・・。

普段の生活がそんなイメージをさせるが、それだけではない。
登場人物が素朴で純粋。
汚れのなさがそう思わせる。
主役がタイトルにもあるユーとミー。
ティティヤー・ジラポーンシン(舌を噛みそう)が1人2役で双子を演じる。

このユーとミーがとても愛らしい。
かつていた日本の少女を思わせる。
とびきりの美人とはいえないが、クラスに必ずいた可愛らしい子。
設定は高校生になるのか。
調べると中学3年生だが、バイクには乗らないと思うけど・・・。

こんなピュアな子はもう日本にはいない。
と思わせるほど。
どことなく大林亘彦監督の青春三部作を匂わせる。
それがノスタルジックに繋がる。

ストーリーは至ってシンプル。
初恋に揺れる思春期の双子の姉妹愛と葛藤。
展開も予想を裏切らず想定の範囲内。
それが却って好感度を上げる。

中学、高校時代に映画を観た感覚が蘇る。
その頃は僕もピュアだった。
それがノスタルジックになった理由かな。

今年もできるだけ多くの国の作品を観ている。
しかし、東南アジアの作品は少ない。
きっと知らないだけでステキな作品は多いはず。
本作はそれを十分感じさせてくれた。

こんな機会をもっと作っていきたい。
バンジョン・ピサンタナクーン監督なんて絶対覚えられないけど。

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