映画レビュー「バーナデット ママは行方不明」
すき間時間に鑑賞。
そうじゃなければ、観ないまま終わっていたかもしれない。
たまたま空いた時間に感謝。
まず映画を観て思ったこと。
英語が理解できれば、もっと楽しめたということ。
僕は英語は喋れないし、聞き取れない。
ふとした瞬間、英語を学ぼうと思ったりするが、本気じゃない。
この年齢になって覚えるのはしんどいし、
それなりの翻訳機があればなんとかなると思ってしまう。
しかし、本作を観ると日本語訳では伝わらない言葉があるはず。
もっと笑えたり、泣けたりすると思うし。
主役はケイト・ブランシェット。
最近では「TAR ター」が話題だったが、見逃してしまった。
3年前にAmazonプライムで観た「キャロル」はよかった。
こうして作品を並べてみると実に多彩な演技力を持つ女優さん。
本作でもその魅力を十分に発揮していた。
とにかく喋りまくる。
一人で勝手に妄想し、自分勝手に相手に喋り続ける。
字幕を追うのもしんどいくらい。
だから英語が理解できるとよかった。
ジャンルとしてはヒューマンコメディなので、笑いもあれば、ホロッとする場面もある。
特にラストはよかった。
タイトルにもなっているバーナデットはケイト・ブランシェットの役名。
結構いい暮らしをする専業主婦。
しかし、人付き合いが苦手で隣人とトラブルを頻繁に起こす。
それには理由が存在するが、かなり面倒。
本人なりの言い分はあるが、近所に住んでいたら、こちらがストレスを感じそう。
ただ本作ではそのバーナテッドがストレスや悩みを抱え行方不明になる。
タイトルが腑に落ちる。
彼女の葛藤がそんな行動を起こさせるが、能力が高いからこそ起きる問題。
才能ある人を専業主婦に留まらせておくとアメリカであれ日本であれ、
同じような行動になるかもしれない。
それは家族にとってむしろ不幸。
相手のことを理解し、それに合った生活をしないと家庭は崩壊する。
本作の場合、デキた娘の存在でそれは回避されるが、一歩間違えば崩壊への道。
子供の存在は重要だ。
つい自分にダブらせてしまった。
家人は行方不明にもならないし、近所でトラブルを起こすことはない。
しかし、ストレスや悩みがないかといえば、それは分からない。
僕が知らないだけ抱えているかもしれない。
打ち明けることもないだろう。
それは少し怖い。
もし、自分が原因であるなら、もっと怖い。
接し方ももっと考える必要があるとつい思ってしまった。
頼りにすべき子供は遠くだし・・・。
ヒューマンコメディはあまり観る機会がないが、
自分への戒めのためにも時々は観た方がいい。
笑ってごまかすこともできるしね。