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映画レビュー「劇場版 再会長江」

初めて中国に行きたいと思った。
広大な中国の風景を眺め、そんなことを感じた。
ただ風景を眺めるだけなら、行きたいと思う気持ちは生まれなかったと思う。
上海から長江の最初の一滴を辿るルートで出会う人とのふれあいを見て、
素直に行きたいという感情が生まれた。

本作を知ったのは偶然。
頻繁に通うミリオン座で長い期間、上映されている。
それも一日1回の上映。
評価の詳細は読んでいないが、星の数は多い。

なんだか気になり、映画館に足を運んだ。
本当に観てよかった。
素直に感動。
お世辞抜きにそう思った。

本作はドキュメンタリーで2021年から2年をかけて長江6300キロをたどる旅を描く。
竹内亮監督が自ら出演し、その旅で出会う人とのふれあいも重要な要素。
世界史で長江の大きさは学んだ。
アジア最長の川で日本の本州よりも長い。
川幅だけみてもとても川とは思えない。

その源流を求め、5300キロを上っていく。
竹内監督は10年前に同様のドキュメンタリーを制作し、辿りつけず終わった。
今回はリベンジだが、それだけではなく10年前に出会った人との再会も求めた。

むしろこれが本当のテーマじゃないか。
僕たちの10年前と中国の地方の10年前は時代が異なる。
30、40年前と錯覚する。
町や家、学校は消える。
同じ中国でも文化や民族意識も異なり、現代社会とは隔世の感を覚える。

一般的に僕らが思う中国人のイメージは決していいとはいえない。
インバウンドやニュースの影響が強いかもしれない。
しかし、本作で登場する中国人はとてもピュア。
印象が大きく変わった。

偶然の要素が強いが10年前に出会った人と再会し、今と昔を語る。
そのストーリーに感動する。
監督はじめスタッフも再会した人も感動する。
それが泣ける。

当初、このドキュメンタリーは重いと思っていた。
そうではなく、面白おかしく旅を伝える。
その中でふれあいの大切さを教えてくれる。
いやあ~、参ったな。

それもあるが、何よりも大自然。
広大な壮大な風景がこちらに押し迫る。
ドローンを使った撮影が功を奏す。
海のような長江、シャングリラの風景、永遠に広がるチベット高原・・・。
引きの映像も素晴らしい。
いい意味で中国のイメージを裏切ってくれた。

画一的な物事の見方は危険。
素晴らしいドキュメンタリーを観させてもらった。
一度、中国に行ってみたい。

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