
映画レビュー「FPU 若き勇者たち」
韓国映画なら観なかったと思う。
何となく展開が想像できそうだったから・・・。
中国映画なので観ることにした。
いい意味でも悪い意味でも中国映画のイメージが変わった。
こんなにスケールの大きい映画を作る国とは思っていなかった。
まずそれはいい意味。
隣国中国のことは知っているようで知らない。
日本との関係性であれば知っていることは多いが、それ以外のことは知らない。
ましてや中国の国際貢献活動なんてほぼ耳にしない。
国際平和維持部隊の存在も本作で初めて知った。
無知は罪だね(笑)。
描かれる舞台はアフリカ。
反政府武装集団と政府軍の武力紛争が続き、
国連の要請によりFPU(国連平和維持警察隊)が派遣される。
銃撃戦が繰り広げられるわけだが、迫力あるアクションに圧倒される。
ハリウッド映画や韓国映画に勝るとも劣らないド派手なシーンの展開。
世界第2位の経済大国の証明か・・・。
ただド派手だけでなく緊張感も十分。
日本映画はここまでできないと勝手に納得してしまった。
リーダーと部下との葛藤。
司令部と現場のズレ。
見どころも多くシンプルなストーリーは十分楽しめた。
そんな点がいい意味でイメージが変わった。
では悪い意味とはなにか。
誤解を生むといけないが中国礼賛として描かれる。
圧倒的な世界の正義。
それを象徴したような作品に思えた。
本作は中国では大ヒットしたという。
閉鎖的な中国人がみれば世界のリーダーは中国と認識する。
一歩引いた視点で見てもそう映った。
それがもう一つのイメージ。
戦時中の日本映画はそんな雰囲気があったのかもね。
その要素がなければもっと楽しめたのかもしれない。
ただ本作を通して新たな発見ができたのは事実。
それはよかった。
若い兵士を演じるのがワン・イーボー。
途中で「無名」に出演していることを思い出した。
中国版もこみちという感じもするが(笑)、中国では人気の俳優。
本作には他にも人気俳優が多数出演しているようだ。
分隊長のホアン・ジンユーや通訳のチョン・チューシーもよかった。
これから中国映画の存在感も大きくなるのか。
それを予感させる作品だった。