映画レビュー「BISHU 世界でいちばん優しい服」
周りの評判がいいので観ることにした作品。
「はじまりの日」に続き、ご当地映画。
舞台は愛知県一宮市。
一宮を中心に津島、稲沢、江南、岐阜県羽島あたりは尾州と呼ばれ、世界三大毛織物の産地。
今でも存在は変わらないが、その産業の現状は厳しい。
僕は営業時代(もう20年以上も前)、この地区を担当しいくつかのクライアントを抱えていた。
かつて取引のあった毛織関係の企業とは僕の時代にはほぼお付き合いはなし。
斜陽産業で正直、人材採用を積極的に行う企業は少なかった。
ただこの周辺はよく回ったので、映画に登場する場所は結構知っていたり。
それだけでも親近感が湧いた。
それが理由ではないが、愛らしい映画として楽しませてもらった。
ストーリーの難しさは一切ない。
いい方は失礼だが、ありふれたテーマでもある。
発達障害の女子高生が優れたデザインセンスでファッションショーに臨む。
ほぼ想像した通りの展開。
裏切られることもハッと驚くこともない。
しかし、それでいい。
いや、それがいい。
シンプルな展開に感動し、共に喜んでしまう。
それが知った土地ならなおさら。
素直な気持ちにさせてくれた。
時々は心が清らかになる映画を観た方がいいね。
主役は服部樹咲。
忘れていたが「ミッドナイトスワン」では将来のあるバレエダンサー役。
僕は新人賞にするとブログに書いていた。
(なぜかこのブログは今でも人気記事1位・・・)
中学生だった当時からかなり成長し見かけも変わった。
彼女が素晴らしい。
おどおどしながらも真面目に生きる姿も、
凛とした態度でファッションショーに臨む姿もステキ。
何より歌声が素晴らしい。
映画の中では分からない。
エンディングで流れる歌で分かるだけ。
プロの歌手が顔負けじゃないのかと。
これも感動。
そして本作を観て気づいたこと。
「はじまりの日」に出演していた岡崎沙絵や山口智充が本作にも出演。
ただの偶然?
プロデューサーはTV局出身だから、人選は通用するのかも・・・。
そんなことを感じた作品。
まだ観ていない人は素直な心で臨んで欲しい。
頑固オヤジの吉田栄作もよかったしね(笑)。