キセキの川を堪能する
自然環境リテラシー学 参加コース川X 2021年11月13日~14日
今回は川回です。
三重県が全国に誇る綺麗な川、銚子川周辺で行いました。
様々なプログラムがあったので、紹介します。
「全身を銚子川にしよう」
まずはクロスバイクに乗って銚子川の景色を楽しみながら、上流に流れ込む湧水を採取しに行きます。
その水を煮沸消毒している間に、河原に設置したテントサウナに入ります。
そして、水風呂ではなくキンキンに冷えた銚子川に浸かり、煮沸消毒した銚子川の水を飲みながら休みます。
これで身体の中からも外からも、全身が銚子川になるという訳です。
私は本格的にサウナに入ったことはありませんでした。
テントサウナの中の空間は狭いので、火を焚けばすぐ温度が上がります。
90℃前後が適温だそうですが、手元の温度計の針が100℃を超える瞬間もあったり。
焼石に水をかけると水蒸気が発生して体感温度が上がる、「ロウリュ」というのもできました。
滅茶苦茶暑いですが、かなり粘っていました。
外が寒いので。
自己最長の30分弱で外に出て、川で急冷し、河原で座って休むと、
頭がグラっときて、グルグル回り始めます。
全身フワッとして、熱くなる感じ。
これが「ととのう」ってヤツか!(笑)
「あまみ」という、酒に酔ったりして血行が良くなると肌に現れる赤い斑点も出てきました。
テントサウナを充分満喫できたと、身体も言っています。
完全に屋外なので、景色も最高でした。
便石山(びんしやま)ハイキング
YAMAPより 便石山往復コース
標高差585m、1.7kmの道のりを登ります。
登山道はほとんどが整備された階段で、1時間半ほどで登れます。
ハイキングにはぴったりのコースです。
因みに銚子川は、標高差1600m、長さ17kmという急流です。
この山は人の手によってスギとヒノキの植林がされており、それに加えて鹿もいるので植物の食害もあります。
その結果、植生の偏った山になっているそうです。
↑道の両側に、鹿除けのネットらしきものがありました。
ネットの向こう側は木が密集していて、薄暗くなっています。
↑石が積み上げられています。
階段が途切れている地帯にあったので、道しるべで置かれたものでしょう。
円錐状に積まれた石は「ケルン」と言い、今歩いている道が正しい道であることを知らせてくれます。
険しい山にはもっと巨大なものもあります。
また、木に結ばれたリボンやテープも、同じ役割を持っています。
見つけたら、動かしたり壊したりしてはいけません。
↑山頂です。
↑山頂から少し下ると、「象の背」と呼ばれるフォトスポットがありました。
銚子川を上から見下ろすことができます。
登山道は、石で舗装されている箇所が多い印象でした。
銚子川流域は巨大な一枚岩が多いそうですが、その恩恵をこの登山道も受けているのでしょうか。
下りのラストでバテて足を挫かないよう気をつけないとですね。
ここで人と鹿から生き残った植物たちを載せておきます。
生態系調査
銚子川は「キセキの川」と呼ばれているように、非常に透明度の高い川です。
その理由は、↓
このように大きな石が川床を覆っているからだそうです。
川床に隙間ができるので伏流水が生まれ、水が浄化されます。
綺麗な水には貴重な生き物も生息しています。
オオウナギの稚魚や、ヨコエビ、ヨシノボリなど短時間で数多くの生き物を観察できました。
運が良ければ、ミミズハゼの希少種(なんだっけ)も見られます。
ミミズハゼは「フカフカの砂利」によくいるそうですが、付近で工事をしていたため砂利が踏み固められてしまっていました。
少し話が逸れますが、都市開発などの公共事業は国の景気対策としても行われるそうです。
リニアモーターカーの計画が良い例でしょう。
景気は良くなって欲しいですが、そのお金が出てくるのは自然の資源からだということも知っておくべきだと感じました。
カヌー
最後にカヌーで銚子川の船旅です。
透明度が高いので、空中に浮かんでいるような感覚でした。
大きな一枚岩の上に行くと、岩が白っぽいので色が綺麗に見えました。
おわりに起業の話
今回のプログラムは、一般客向けのツアーをするための試行として開かれました。
お客さんを招いて、銚子川の自然を満喫してもらえるよう、計画しているそうです。
こうしたツアーは、自ら起業することで新しいビジネスとして成り立ちますよね。
自然を身近に感じられなくなっている今(その上空前のアウトドアブーム)、こんなに魅力的なツアーはないでしょう。
初期投資としてテントサウナと着替え用のテントを用意しなければなりませんが、回数を重ねれば十分回収できます。
という話をテントサウナの外気浴中に聞きました。
気分が良かったからというのもあるかもしれませんが、私には非常に面白そうな話に聞こえました。
今まで起業なんて考えたこともなかったので、新しい選択肢が増えたように感じています。