映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク 4K デジタルリマスター版』の感想
前回の記事により、ダンサーインザダークを20年ぶりに観ることになった。2度と観ないと誓った程に心が荒む映画である。
古参のファンなのか、映画館は比較的混んでいた。この中でファンでは無いのは僕ぐらいだろうか...。さすがパルムドール受賞映画である。
以下ネタバレを含みます。
あらすじ
ダンサーインザダークの特徴
映画はドキュメンタリータッチで描かれる。時折挟まれるミュージカル部分以外の音楽は流れない。
目が見えなくなりつつあるセルマにとって、音楽は希望である。その音楽がいっさい流れない事が一層絶望を感じる。
一方でミュージカルはセルマの意識の内側を表現しているようで、彼女はとても楽しそうに見える。
お話にほとんど救いは無い。最後に少し希望が見えるが、それを遥かに覆い尽くす絶望で終わりを迎える。
良かったところ
ミュージカルとエンディングの音楽
さすが4Kリマスター。特にエンディング曲は全身から鳥肌が立つほどビョークの歌声が素晴らかった。
良い芸術作品
映画的な感動や面白さを求めて観ると、期待外れに感じるかもしれない。
しかし生きる事の苦しさ、死への恐怖とその描写は他に類を見ないほどの完成度だと思う。
素晴らしい芸術作品である。
オススメしない人
体調が悪い人
疲れていたり、ネガティブな状況で観るとさらに気持ちが落ち込む。やめた方が良い。
映画で前向きになりたい人
ミュージカルだからといって決して前向きなエンディングでは無い。映画でスカッとしたいならシン・ウルトラマンかトップガンを見に行くべきだ。
デートの人
絶対に観てはならない。その後のデートが重くなる。
まとめ
2度と観るまいと思ったが、個人的に観て良かったと思っている。
映画として本当に素晴らしい作品であるのは間違いない。しかし、前情報を確認して自分の体調と相談してから観るべきだ。
ビョークが演じる主人公のセルマはとんでもなく不幸な星の下に生まれる。
セルマが受ける不幸に比べたら、先輩から僕の仕事とは関係ない業務を理不尽に振られても、それを残業して終わらせても上司から「優先順位違くね?」と言われても、その先輩とやってる部門の目標を全部1人でやる羽目になっても、僕の不幸なんてミジンコ程に小さいと思える。
自分は不幸だと思ってる人は、ぜひ観てほしい。