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来年は、もっと大きな稲穂のHANABIを打ち上げよう。  ー 千葉のおいしいを大切にする ー

まだ残暑どころか真夏の暑さが残る9月上旬に、はじめての稲刈り体験を実施することができた。今回稲刈りを実施した田んぼは、今年の4月にこれまたお客さまとスタッフで手植えを実施した田んぼ。

▼▼ 4月の田植えの様子はコチラ ▼▼

収穫時期と天気、みんなのスケジュールを合わせるのは難しいだろう。と思う中で、はじめての稲刈りが自分たちで手植えした田んぼでできたのは、喜びもひとしおだった。

最初の農業体験は、思い起こせば一般のお客さまの参加は1名からのスタート。今となっては、人気の企画や新しい企画で差はあるものの、多くのお客さまにも参加いただけるようになった。そして今回の稲刈り体験。小さなお子さまから、農業体験に何度も足を運んでくれるお客さま。さらには、店舗スタッフみんなで最後まで刈ることができた。

そんな記憶にも残る回となった、24年9月の稲刈り体験の模様をお伝えしていきます。

自らの手で稲刈りをする日。

「やっとこの日が来た。」

当日の朝、晴れている空を見ながら、そう思った。私が根本さんに、「稲刈りを企画させていただきたい。」と申し出たのは2年以上も前のこと。インターネットというものが発展していく中で、知らなくても知ることができたり、見える情報というものの真実がいったどこにあって、誰が発信したものなのかという感覚がなんとなく気になっていた。

商品を販売する傍ら、商品の良さをどうしたらより伝える事ができるのか。生産者の作り方、野菜や果物への思いなどなど、伝えてはいるんだけど、どこか納得できず「どうしたら、もっと伝える事ができるのか?」という自分と対峙していた。

その思いもあった中で、「農業体験をスタッフだけでなく、一般のお客様を交えて実施してみてはどうだろうか。」その模様をnoteで表現して発信していく。企画当初は「参加する人は、いるのだろうか。」とか「参加した方に、不満はないだろうか」そんなネガティブなことばかり考えていた記憶があります。

そんな不安を取り除いてくれるのは、やはり協力してくれる方々の姿勢だと思った。今回の稲刈りをはじめ、田植えや原木しいたけ狩り体験などでお世話になっている根本さんは、そもそも椎茸狩りや原木椎茸の菌打ち、さらには地元の催しごとで慣れていることもあってか、企画自体に積極的な姿勢で臨んでくれていた。

ご飯を炊くのはもちろんのこと、自作の納豆、イノシシの肉の麹漬け。季節によってできるナメコや漬物など、できることは何でもやろうという姿勢で準備をしてくれる。

今回も稲刈り真っ只中で、約20町歩もあるので稲刈りの期間は約1ヶ月。当日も他の田の稲刈りをしながら、顔出しながら、声をかけてくれながら。この姿勢には頭が下がるばかり。当日の様子をご覧ください。

こんな感じで、根本さんの説明ではじまる農業体験は、だんだんと参加する方が増えている。もしかしたら近い未来、月一回じゃ済まなくなってしまうかもしれない。そんなことを思いながら、「より良い農業体験になるように、至らなさを修正していかなければ。」と、気を引き締める機会にもなりました。

「刈る」という単純さの中に。

根本さんからの稲刈りレクチャーの後、さっそくみんなで稲刈りを実施することになった。一人一人に鎌を手渡し、2年前に購入した鎌がやっと報われることとなり、個人としても単純に嬉しくなりました。

2年前に購入した鎌の切れ味は特に劣ることもなく、素人ながらに振りかざしても問題ないぐらいの切れ味だった。根本さんに教わった通りに、稲の根の方を持ち一気に「ザクッ」と刈り取っていく。

最初は恐る恐る扱っていた鎌も、何回か刈っていくうちに慣れはじめ、それが段々と楽しさに変わっていきました。

暑い中、元気に刈ってくれていました。

当日の天気予報はもともと曇りだったものの、その予報を覆し晴れに晴れて暑さが厳しいものとなりました。そんな中だったので、皆さんの表情は時より暑さに苦しい顔になりながら、充実感からなのか笑顔が交えて、一緒に稲刈りをやっているスタッフ側も楽しさで溢れていきました。

終始笑顔で取り組んでくれていました。
店舗スタッフも大喜び。

暑さの中でしたが、いつの間にか稲を刈ることに夢中になり、皆さんへの配慮を忘れてしまうこともありました。前半戦の30分くらい過ぎたあたりで、休憩を入れた時に、「もしかしたら、全部刈りきれないかもしれないな。」という言葉が頭をよぎりましたが、休憩後は勢いが増し、約1時間30分足らずで、無事全ての稲を刈ることができました。

暑さに負けず最後まで、ありがとうございました!

人それぞれの楽しみ方。

農業体験をやっていると時々思うのが、大人は楽しくても、お子さまは飽きてしまうのではないか。と、ふと思う。お子さまは最初親に言われつつ、やってみて「楽しい!」といって、そのまま続ける子ももちろんいる。が、なかなか集中力というものは続かないようで。そんな時に活躍してくれるのが、自然界の生き物たちです。

カメラにおさめることはできなかったが当日間違いなく、あのオニヤンマが飛んできた。子どもの頃、図鑑でしかみることのなかった生き物も、自然に囲まれた地域に来ると偶然目にしたりすることもあるから、大人でも興奮してしまうことがあります。

田んぼとなると水の中の生き物と、よく遭遇する。春はおたまじゃくしやタニシなどなど。という事は、秋になるとカエルが出てきてくれていた。

カエルと遊ぶ子どもたち

稲刈りの合間に違う楽しみを見つけ遊びだす、子どもの活力には大人たちも負けてしまう。稲刈りを楽しんだかと思ったら、生き物を見つけ喜び、また稲刈りを楽しみはじめていたり。

疲れを知らない無尽蔵のスタミナに、好奇心に。その場を思いっきり楽しむ!という姿は、いつも農業体験していて「負けてらんね。」と、お子さまに対して勝負根性が出てしまう。こうした良い刺激を感じさせてくれるのも農業体験の良いところだと感じています。

稲刈りも楽しんでくれました。

自分で刈ってみて。

私たちは田植えを実際に行い、その育つ過程を時より見守りながら、今回の稲刈り体験に至ったのですが、今回の一般参加の方々の中にも「ぜひ、稲刈りも参加したい!」と手を挙げてくれたご家族がいました。

自分で植えた苗が育って稲となり、穂が実り、それを刈る。言葉にすれば当たり前でもあり、簡単な言葉でしか表現できないのですが、そうなるまでの期間は約4ヶ月。長かったような、短かったような。という期間。

育った稲にザクっと鎌をいれてバッサバッサと切っていく気分はどうだったかな。

自分で植えた稲。
ザクっと綺麗に刈り取っていました。

稲をつかみ鎌をザッと振りかざし続けていく。そんな単純さの中にでも、1組1組の家族の楽しみ方があり、人それぞれの笑い顔や時には「大変だなぁ」って言う顔がある。ここまで様々な感情や表情を見ることができる農業体験も、今までの農業体験含めてもなかったと思う。

そんな風な目で見ることができるようになったのも、数多く重ねてきたからだとも思います。

みんなで交流会。

農業体験後に、ささやかではありますが、私たちのおもてなしをご用意しております。企画する農家さんによって、内容も質も変わってくるのですが、まだまだ農業体験の内容や配慮が至らない点もあるかと思うので、一緒に食事をする場を設けて直接お声を聞くようにしています。

最近では特製カレーやハヤシライスが定番のメニューとして登場するようになっている。少し宣伝となってはしまいますが、9月27日に草刈房の駅横にオープンするFOOD HALLの料理長が手がけるカレーが名物になりつつあります。

この農業体験でしか味わうことができない、農家さんの農産物を使ったオリジナルカレーとハヤシライス。これを提供しているとお子さまも大人の方も「おかわり良いですか?」といっぱい食べてくれています。

お子さまも楽しめるメニュー。
根本さんの椎茸入り特製カレー

今まではあまり公にすることもありませんでしたが、どの会でもその場その場で考えてふるまう準備をしています。

時には、お子さま同士や参加する方々ので交流もあり、スタッフ側からも「またご参加いただきありがとうございます。」というお声がけが増えてきたようにも感じています。

子どもたちは、すぐに仲良しに。

近年発生した世界規模のパンデミックの影響により、人との交流はおろか、外出する機会さえ制限しなければいけなかった時間を経た中で、またこうした人と人との交流の場の機会としても、私たちの農業体験が少しのきっかけになればいいな。そんなことを改めて感じる1日となりました。

お土産のお米。

描いた未来より「良い未来。」

農業体験を企画したころは、「はたして参加してくれる人はいるのだろうか。」「農家さんはいるのだろうか。」「私たちに求められているこのなのだろうか。」そんな迷いや不安がある中で、とりあえず企画だけはしていった。

1年の中で何回か企画を実施したことで、その後に何回も農業体験に参加していただける人がいることも、企画以外のところで農家さんを訪ねて、お米や椎茸の話を聞きにくる人がいるなんて想像もしていませんでした。もちろんそれは、農家さん側がお客さまとの繋がりを大事にしようと思うからこそ実現していることだとも思う。

すべての企画で満足できているわけでもなく、むしろ反省の方が圧倒的に多い。そんな手探りの中でも、参加した方がわざわざ店舗まで足を運んでくれている姿を見たり聞くと、自分の取り組んできたことは少なからず合格点を出しても良いような気がしています。

最初の私たちが農業体験という「企画」に慣れていないころ参加していただいた方や、準備段階で参加してくれた人、1回の農業体験で終わってしまった農家さん。この2年ちょっとの間で多くの方々が携わってくれて、今の農業体験にまで成長することができました。

もし今後の農業体験を企画していく中で、懐かしい顔ぶれを見たりすることがあれば、一人一人にお礼を伝えられるようにしていきたい。また「参加したいけど。」と、少しばかりの遠慮をしている方でも、農業体験の雰囲気を感じて一歩踏み出してくれる方が増えてくれれば嬉しいばかりです。

今回のような体験が、私たちの「もう一回」という気持ちの原動力にもなってます。私たち含めて、より多くの方の活力になる農業体験を実施していきたいです。なので引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします。

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