和尚のつぶやき #203(過剰と不足)
〇過剰と不足
不足の時代から過剰の時代に
なって久しい
モノや色々なものに満たされた中で
育ってきたことには感謝しかない
しかし豊かさから過剰になり
過剰生産によるモノ余り
過剰労働による過労死
過剰な欲望による犯罪
過ぎたるは及ばざるがごとしの通り
過剰に苦しんでいる
私たちが生きるためには
適度にあらゆるものが必要だ
呼吸でさえ過ぎると過呼吸になる
自然の生業の中には
すべてのものが適度に配分されている
それを人間は自らの叡智として
様々な手を加えてきた
それにより生活は豊かになり
寿命は延びた
そして傲慢になり自然の支配者に
なったような錯覚を得てしまった
しかしやはり自然の猛威には
歯が立たないことを
思い知らされている
過剰による競争よりも
適正な中での調和
過剰による奪い合いよりも
不足の中での分け合う心
過剰な労働よりも
みんなで協力するワークシェア
過剰な食事よりも
素朴な古来の食事
すべてを転換する時期だと思う
捨てなければ新たに
得ることはできない
過剰を捨てて不足から
再スタートし真の豊かさを
人間の叡智により手にしたい