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和尚のつぶやき #268(世界は違う)

自分の見ている世界と
人の見ている世界は同じでしょうか
同じ世界なんだから
違うはずがないというのが
当たり前のように思えます
しかし見ているのは自分であって
自分の視覚を通して
自分の脳でとらえています
世界は同じでも
見え方は違います
みんな視力は違いますから
見えている様子も違います
見えている映像が違うのです
また、その映像のどこに
焦点を合わせ
どのように見ているかも違います
こうなってくると同じ世界を
見ているとは言い難くなります

この違いは十人十色で
すべて違うと言ってもいいでしょう
男性女性、年齢、人種など
画一的な分類では
とても間に合いません
逆にそのような分類は
違いを理解するのに妨げになります
まずはすべての人が
自分の見える世界 感じる世界を
持っているというところから
スタートして
次に色々な分類ができます
私たちは分類をして理解をすると
楽なので、分類した結果で
ものを考えたがります
もちろん研究や学問には
分類は必要ですが
人間はそう簡単に
分類できるものではありません
面倒でも一人ひとりに備わった
能力や性質と向き合わなければ
本当のことはわかりません

見える世界、感じる世界は
人によって違うという前提があれば
様々な食い違いや摩擦は
当然のことであり
不思議なことではありません
すべての争いは
そのことから目を背け
自分の世界が正しい世界だと
考えるところから始まります
人間はありのままを見る
視覚能力も
客観的にものを見る能力も
持ち合わせていません
主観的で感覚的で直観的です
曖昧模糊とした中で生きています
それなのにあたかも客観的に
世界を見る能力があると
思い込んでいます
そして周りの人や他国の人
性格の違う人を判定します
何とおこがましいことでしょうか
理解し合い仲良くするには
謙虚さしかないと思います

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