和尚のつぶやき #196(方向性を決める)

〇方向性、方針を決めることは
　とても大切だ
　西に目指すものがあるのに
　東に進んでは到着できないし
　棋士になりたい人は
　碁ではなく将棋を打たないと
　ダメだろう
　当たり前のようだが
　自らを振り返った時
　どれほどしっかりした方針や
　方向性をもって物事を
　進めているかと振り返ってみると
　思っている以上に
　行動や思考がしっかりした
　方向性を持っていない
　ことが多いのに気付かされる

　日常生活は自分の現状と環境に
　支配されている部分が多く
　自分の中にある方向性自体が
　曖昧で定まっていないことも多い
　自分の考えに基づいて
　行動していると思っているが
　思いのほかまわりの力に
　押し流されていることの方が
　多いのではないか
　そう考えると自分の考え
　方針に沿って日々行動することは
　案外難しいことかもしれない

　今まではまわりに流されながら
　生きて来れた成長時代であったが
　これからは低成長の中で
　知恵を絞りだし
　自分の生き方や考え方を
　しっかり持ったうえで
　自分の決めた方向性で
　進むことが求められる
　人の人生に誰も責任を
　持ってくれないし
　誰にもそんな余裕はない
　高度成長は大きな成長力で
　みんなを押し上げてくれたが
　そんな時代は終わった
　恵まれた時代は希少であって
　決して当たり前ではない

　私たちの先祖は常に生きること
　に真摯に向き合い戦ってきた
　決して楽をして
　生き延びてきたわけではない
　そういう先祖や先人に感謝し
　そして学びこれからの生き方を
　自分の力で模索する必要がある
　物の時代から心の時代へ
　シフトしていこうとしている今
　私たちに求められているのは
　自分の頭で考え
　自分の足で歩くこと
　そして自分の人生に
　責任を持つことではないか