孤独のPlaylist04─k.d.l
k.d.l〜k.d.ラング=キャスリン・ドーン・ラング、カナダ出身のシンガー。バンクーバー冬季五輪開会式で真っ白いスーツを着て、レナード・コーエンの「Hallelujah」を歌いましたが、その感動的な歌唱と素晴らしい演出が今でも印象深く残っています。ちょうど10年前だったのか・・・時が経つのは早いものです。
とある実力派シンガーも言ってましたが、もっとピッチを正確に歌える最高のシンガーの一人だと思います。歌が上手い人は得てしてつまらない音楽家ということもあるのですが、彼女はそうではなく最高の音楽家でもあると思います。
夏になると聴きたくなるアルバムがたくさんあるのではと思いますが、彼女の『Invincible Summer』もそんな一枚。晩夏の午後日が陰ってきた頃にぴったりのイメージです。リードトラック「Summerfling」のオフィシャルビデオはなぜか音質がイマイチです・・・。
カナダ出身アーティストのカバー集『 Hymns of the 49th Parallel 』も忘れがたい一枚です。タイトルは"北緯49度の聖歌"、カナダの歌を表しています。数多くの人にカバーされている「Hallelujah」ですが、個人的にはk.d.のものが最高だと思ってます。このアルバムではジョニ・ミッチェルの「A Case of You」をカバーしてますが、同じジョニなら「Help Me」のカバーも素晴らしいです。
ガス・ヴァン・サント監督の『カウガール・ブルース』のサウンドトラックを手掛けていたk.d.ですが、その他にも映画提供曲は結構あります。なかでもヴィム・ベンダースの『夢の涯てまでも』に提供した、同郷のジェーン・シベリーとの共作「Calling All Angels」も外せない一曲です。
そして忘れちゃいけないのはロイ・オービソンの「Crying」でのデュエット。これも映画絡みであったようです。
そして最後に、彼女の出世作というとことで外せないのは名作『Ingenue』です。ここからは多くの曲を選びました。25周年の2017年には『Ingenue』の曲を披露するワールド・ツアーを行いましたが、日本では行われませんでした。彼女最後の来日も2005年か・・・。
近作となるとNeko CaseとLaura Veirsとの共同名義の2016年作『Case/Lang/Veirs』となります。3人のハーモニーも素晴らしい作品。しかし、そろそろk.d.の新しい声を届けて欲しいものです。
最後に彼女の名前表記ですが、k.d.langと小文字で綴ります。Wikiによれば詩人e・e・カミングスの影響だそうな。