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eSportsの「競技人口」の考え方と、需要と供給について
この記事を書いている現在、VALORANTの国際大会"VCT Stage3 Masters:Berlin"が行われている。
日本の代表チームはZETA DIVISIONとCrazy Raccoonであり、健闘してはいるものの、世界相手に苦戦を強いられているのは事実である。
VALORANTだけに限らず、多くのeSportsのプロシーンにおいて、日本は世界に対して優位に立てていない。その原因として、「競技人口の少なさ」が挙げられることがある。
本稿では、その「競技人口」というものについて深く考えていきたい。
一言で言えば、「ゲームのプレイ人口が多いだけでは何にもならないよ」というだけの内容である。
ムダに長いので、後記だけ読んでいただいても問題ない。後記が一番長いし。
1.「プレイ人口」と「競技人口」:一般スポーツ
日本のサッカーの競技人口は、2020年度で81万人である。これは、JFAに選手登録されている人の数であり、プロのJ1やJ2だけでなく、高校生や中学生、女子選手も含めた数だ。
私も高校生まではサッカー部だったので、当時はその競技人口に含まれていただろう。
参照:JFA サッカー選手登録数
https://www.jfa.jp/about_jfa/organization/databox/player.html
しかし、大学でサッカーの部活ではなく、サークル活動をしている人たちは、この競技人口に含まれていない場合がほとんどであろう。
あるいは、金曜日の夜に仕事終わりのリーマンたちで集まってフットサルをするのも、競技人口には含まれていない。
陸上競技でも、日本人で短距離走やマラソンをしたことがない人はほとんどいないであろうが、陸上競技の競技人口は42万人である。
ただ跳んだり走ったりしている人たちと、「競技をしている人たち」は異なる。
参照:陸連時報 2020年6月
https://www.jaaf.or.jp/pdf/about/jihou/jiho_2020_06.pdf
これらのスポーツの「競技人口」は、「競技をしている人たち」であると思う。
ただ遊びやレクリエーションでサッカーをやっているだけでなく、上達を目指して練習し、勝利を目指して試合に挑んでいる人たちである。
そういうのが、「競技」だと思う。「競技を楽しむ」というのは、そういうことだと思う。
いわゆる「部活」をやっていた人たちや、「クラブチーム」に所属している人たちは、そのスポーツを「競技」として勤しんでおり、楽しんでいる。
強度に違いはあれど、多くの時間をそのスポーツに費やし、上達のために練習をし、チームメイトと競争をしレギュラーを勝ち取り、試合になれば相手のチームに勝利しようと本気でプレイする。
「みんなでたのしくさっかーしてたのしいね!」ではない。
ほとんどの「部活」をしていた学生は、そういう環境でスポーツを「競技」として行っていただろう。
私自身も、普通の高校で普通に部活としてサッカーをやっていたが、週に6日は練習をするし、試合でヌルいプレーをする味方に「守備サボってんじゃねーぞ!」ぐらいの檄は飛び交うのが当たり前だったし、サボっている人はもちろん監督から指導が入るし、下手な人は試合に出られない。
サッカー推薦で高校に行った人やクラブチームでサッカーをやっていた人たちは、もっと厳しい環境でサッカーを「競技として」行っていただろう。
私は「プロ」とは全く無縁の世界だったし、普通科しかない自称進学校だったので、「サッカー推薦」で入学した人もいない。そんな高校の部活でも、競技としてサッカーをするというのはそういうことだったし、試合相手の他の一般高校もそんな感じで競技をしていた。
繰り返すが、「競技」とは、そういうことであると思う。
(※「競技人口」のカウントの仕方が、発表者によって異なる場合もある。
サッカーでは「選手登録」されているのが81万人だと述べたが、「年に1回でもそのスポーツに参加する」という程度で「競技人口」に含めてしまっている統計も存在する。
私はそのようなものは「競技人口」だと思わないし、本稿でいう「プレイ人口」に近いものだと感じる。)
2.「プレイ人口」と「競技人口」:eSports
では、eSportsの「競技人口」とは、いったいどれだけいるのだろうか。
ゲームの「プレイ人口」は、世界的にかなり多い。VALORANTのランクマッチである「コンペティティブ」では、APACサーバーでは200万人がプレイしているという。
日本人だけの人口はわからないが、それでも数十万人はいるだろうか。
参照:VALORANT4JP
www.valorant4jp.com/2021/08/valorant880apac200.html
さて、これはあくまでも「プレイ人口」である。「競技人口」ではない。
このVALORANTのプレイヤーのうちの何人が、上記の「部活」のように練習をし、チーム内で競争があり、下手な人は試合に出られないというような「競技」を行っているのだろうか。
もちろん、どこまでが競技で、どこまでが競技でないとかいう線引きを明確にすることはできないし、全てのプレイヤーの活動の状況を把握することはできない。
しかし、やはり特に日本のeSportsの「競技人口」は、少ないと思う。
1.で挙げたような、一般的なスポーツの競技、学生の部活のような「競技活動」を行っている人たちは、ゲームの「プレイ人口」のうち、いったい何人いるのだろうか。
以下に述べるように程度問題ではあるが、野良でランクマッチをプレイしているだけのプレイヤーを、私は競技人口に含めるべきではないと思う。
私はサッカーの競技者であったが、VALORANTの競技者ではない。
どちらも、「プロ」とは無縁の、一般的なプレイヤーではあるが、そこには確かな差があると思う。
3.競技の「強度」
私のように部活でサッカー部に所属している人たちは、競技としてサッカーをプレイしてるだろう。
しかし、やはりサッカー推薦で高校に行った人たちや、クラブチームに所属している人たちに比べれば、競技の本気度、強度は少ないものであろう。
これは程度問題であり、1か0かという話ではなく、難しい。趣味でランニングをしているという人もいれば、地域のマラソン大会に出場している人もいるし、フルマラソンの常連の人もいる。
「プロスポーツ」として成立している競技にも、人口だけでなく、文化的な背景や、経済的な成功の度合いなどの「強度」「熱狂度」は異なる。
日本においては、野球やサッカーは競技人口も多く、プロスポーツとしても成功しているため、人口と強度のどちらも充足しているといえるだろう。
一方で、例えば相撲は、競技人口こそ少ないものの、「国技」とも呼ばれる伝統的なスポーツである。全ての取り組み(試合)がNHKで放送され、多くのファンが存在し、観戦に訪れる人も多い。
競技人口は少なくとも、競技の「本気度」や「熱狂度合い」は大きい。
他方、例えばバスケットボールでは、昔から学生の競技人口は非常に多いものの、「プロ」のBリーグがまともに成立したのは2015年である。
相撲に比べれば競技人口は圧倒的に多いものの、様々な背景があり「プロの興行」としてはそこまで成功しているとは言い難い。
陸上競技では学生の競技人口は多いものの、「プロリーグ」なるものは存在せず、企業所属や日本代表の選手が一部存在するのみである。
また、一般的なサッカーのようなスポーツでも、ヨーロッパの小さい国では人口も競技人口も少ないが、強い国はたくさんある。
相撲のように競技人口が少なくとも、伝統的な競技として成立し、興行的にも十分成功しているようなものもある。
したがって、その競技の成功度合いや熟練度合いを知るためには、競技人口だけではなく、その競技の「強度」のようなものを考えなければならないだろう。
「強度」と表現しているが、様々な要素がある。
「プロが興行的に成功している」というのはもちろん重要な要素の一つである。日本においては、野球やサッカー、相撲などがそれにあたる。
「強度」はそのスポーツ全体だけではなく、それぞれの競技者によっても異なる。
メジャーな競技のスポーツ推薦で高校や大学に進学するという人は多く、それは「強度」が高いと思う。その人たちは、プロのプレイヤーになれなくとも、その競技の実力によって進学や就職をすることができる。
そういう人たちは、人生をかけてその競技をやっているわけではないかもしれないが、その競技によって人生の方針が決まっていると言っても過言ではない。
人口と違い強度を数値化することはできないが、「人口×強度」のような概念で、その競技の隆盛度のようなものを計ることができるかもしれない。
野球やサッカーは人口が多く強度も高いので、競技のレベルだけでなく経済・文化的な要素も発展している。
相撲も人口こそ少ないものの、上述のように強度が高いため、総合的には日本を代表する競技の一つとなっている。
4.eSportsの「競技」の「人口」と「強度」は。
以上を踏まえた上で、eSportsの話題に戻る。
競技は人口だけでは計れず、強度も参照しなければならない。なんとなくでやっている人たちが多いだけでは強度は強いとは言えないし、相撲のように競技人口が少なくとも強度が強いものもある。
では、eSportsの人口と強度は、どのようなものであろうか。
もちろん、日本を代表するようなeSportsのプロシーンで活躍している選手たちは、競技者として活動しているだろう。
しかし、サッカーや野球のような一般的なスポーツと比べれば、やはりeSportsと呼ばれるものの人口と強度は少ない。
1.で述べたような、一般的なスポーツ・部活のような強度でeSportsの「競技」を行っている人が、いったいどれだけいるのだろうか。
繰り返すが、私は高校までサッカーをやっていた。具体的な数字はわからないが、練習試合を含めると年間に30回は試合をしていたと思う。
真剣勝負であり、下手な人は試合に出られないし、ヌルいプレイは仲間や監督・コーチに檄を飛ばされる。そんな試合が、年間に30試合はあったと思う。
そういう本気の試合が、中学と高校の6年間ならば180試合だ。
私のような、普通のサッカー部に所属しており、プロとは無縁の若者で、そんなもんだ。プロに近い人達は、もっと頻度も強度も大きいものだろう。
では、「ゲームプレイヤー」、あるいは「eSportsプレイヤー」と呼ばれる人たちは、そのような試合を何試合行ったというのだろうか。
FPSでいえば、最近はApexやVALORANTのプレイヤーは非常に多い。
その中の何人のプレイヤーが、「試合」を行っているのだろうか。それらのゲームのプレイヤーのうち、競技としての試合を行ったことがあるプレイヤーが、何人いるのだろうか。
一般的なスポーツでは、部活に所属していれば(公式戦でなくとも)試合に参加したことがない人は少ないだろう。
しかし、ゲームやeSportsの「試合」に普段から参加している人は、ゲームのプレイ人口のほんの一部だろう。
そういう意味で、日本では「ゲーム」や「eSports」の「プレイ人口」は多くとも「競技人口」は少なく、「競技の強度」は小さいのが現状である。
ゲームを「競技」として楽しみたい人が、どれだけいるのだろうか。
ゲームの「試合」をしたい人たちが、どれだけいるのだろうか。
もちろん、そういう人たちはいる。この記事を書いている前日にも、ゲーミングチームである「AKIHABARA ENCOUNT」によるオーバーウォッチの小規模な大会が行われた。
それに参加した人たちは、ゲームを競技として楽しんでいる人たちだと思う。
他のゲームにおいても、大会さえあれば参加したいと思っているプレイヤーはいるとは思う。
私自身も、いくつかのゲームで公式/非公式の大会や試合に出場したことが何度かある。出場するチームで練習をし、本番で勝利を目指してプレイをした。
そういうような、ゲームやeSportsの「競技」の人口と強度は、いったいどれほどのものであろうか。
単に「プレイ人口」が多いというだけでなく、「競技人口」が、いったい何人いるのだろうか。
まとめ
・「競技人口」を考えるときは、「プレイ人口」ではなく、「競技として」そのゲームをプレイしている「競技人口」も考えなければならない。
・競技人口と単純に比例しない強さや成功の度合いがある(日本の相撲や、西洋の小国のサッカー強豪国等)。
したがって、どれほど本気でやっているか、どれほど社会的・経済的な影響を受けているか等の「強度」も考慮に入れなければならない。
・それらを踏まえた上で、日本のeSportsの「競技人口」と「競技強度」をかけ合わせたものは、決して大きくないものであると考えられる。
・「競技人口が少ないから弱い」というのは間違いではないかもしれないが、人口だけでなく「強度」も考慮して考えていくべきである。
補足:あくまでも、「競技人口の考え方」である
本稿の主題は、「競技人口というものを考える上では、単純なプレイ人口だけでなく様々な要素も考慮に入れなければならないのではないか」、というものである。
「競技人口が少ないから弱い」とか「外国は競技人口が多い」とか、そういうことを主張したいわけではないことには留意していただきたい。
競技や競技者のレベルを決定づけるには、様々な要因がある。
プレイ人口と競技人口を混同してはならないと述べているが、やはりプレイ人口も多いほうが競技人口も多くなるであろうし、経済的・文化的な発展にも繋がるため、競技レベルの向上には繋がるだろう。
後記:日本のゲーム・eSportsの現状
すべての「ゲーム」というものの話ならば、日本は世界でもトップクラスのゲーム大国であるだろう。
最近は中国の台頭もあるが(そしていろいろと規制もあるらしいが)、日本には任天堂やソニーといった世界を牽引するゲームメーカーもある。
ゲームの人口、そして上述のような経済的・文化的な「強度」を掛け合わせると、世界一であるかもしれない。子供から大人まで様々なゲームをしているし、ガチャ課金なども含めると消費している金額もかなり大きいものだろう。
しかし、本稿で述べたような「競技人口」や「競技強度」においては、世界と比べると劣っているというのが現状であろう。
理由としては、単純に「競技をやりたい人・見たい人が少ない」ということだと思う。
統計データなどがあるわけではないが、様々な人が主張しており、私自身もそう思っているのが、「海外と日本はゲームに対する本気度が違う」というものである。
過去の記事にも書いたが、野良のランクマッチにおいても、日本人と外国人のボイスチャットでのコミュニケーションの程度は異なる。
外国のプレイヤーは日本人に比べると、ゲームに勝利するために積極的にボイスチャットを行っているだろう(もちろん、ゲームやプレイヤーによるので一概には言えないが)。
私自身もそう感じることが多いし、上位の実力があるプレイヤーの配信を見ても、それが見て取れることがある。外国人の上位ストリーマーは野良マッチでも積極的にコミュニケーションを行っている。
上位のプレイヤーでなくとも、私レベルの野良のプレイヤーでも、外国のプレイヤーは勝利に貪欲であるように感じる。
また、YouTuberやストリーマーと呼ばれる職業の人たちと、その需要を考えてみても、やはり「競技」というものは日本ではあまり受け入れられないものであることがわかる。
それらの人たちが、十分な収入があり職業としてやっていけるのは、需要があるからだ。
先にも述べたように日本はゲーム大国である。ゲームの動画や配信にも、非常に多くの需要と供給がある。
様々な配信者やYouTuber・Vtuberという人たちがいて、その視聴者がいる。その人たちは決して少なくない収入を得るほどの、経済的・文化的な存在感がある。
需要が多くあるし、供給も多くあるのだ。
しかし、競技としてゲームをする、すなわちeSportsをするというYouTuberやVtuberは非常に少ない。
ゲームの練習をし、チームを組み、試合や大会に参加するという活動はなくはないが、割合は非常に少ない。
eSportsという競技の需要が大きいものならば、そういう人たちがもっと活動しているだろうし、視聴者も多いはずだ。
はっきり言えば、eSportsをしたい人も、eSportsを見たい人も少ないのだ。
本稿で述べているとおり、一般の「スポーツ」では、「プロ」や「職業」とは関係なく競技人口は多いが、ゲームにおいてはそうではない。
一般のスポーツではアマチュアも「競技」を楽しんでいるが、ゲームやeSportsにおいては、職業として成立しないのであれば「競技」自体をしなくなる人たちが圧倒的に多い。
ゲームはヌルくエンジョイするものであり、そういうゲームをしたいし、そういうゲーム配信をしたい人、そういうゲーム配信を見たい人の方が多いのだ。
「選手よりストリーマーの方が儲かる」と言われているのは、そういうことだ。
それが、「競技人口の少なさ」に繋がる。「競技」を見たい人が少ないならば、「元プロ」のストリーマーの人たちも競技や試合をしても視聴者がつかないため、そういう活動をしなくなる。
一般のプレイヤーよりは明らかに能力が高い人たちが「競技」をしなくなるのだから、競技レベルが上がらないのは当たり前だ。
この記事はVALORANTの世界大会にちなんで書いた記事であり、日本の代表チームはZETA DIVISIONとCrazy Raccoonである。
この2チームはたしかに強いし、日本代表にふさわしいチームであると思うが、日本のVALORANTのプロシーンとして、競技として”良く”成立しているかというと、そうではないと思う。
例えば2020年のプロ野球において、セ・リーグの優勝は巨人であるが、120試合を行って67勝45敗8分、勝率は.598である。
VALORANTにおいて、ZETA DIVISIONやCrazy Raccoonが出場しているリーグ戦で、それらのチームに6割も勝たせないことが可能であるだろうか。
みなさんも御存知の通り、セ・リーグでは巨人というチームは伝統があり、人気があり資金力もある。批判もされることも多いが、優秀な選手を大枚をはたいて獲得している。
そんなチームでさえ、勝率が6割に満たないのだ。他のセ・リーグのチームと対戦をし、なんとか勝ち抜いてリーグ優勝をしている。
eSportsにおいても、そういうことが可能であるのならば、競技レベルが上がっていくと思う。しかし、現実はそうではない。
繰り返しになるが、結局はeSportsの需要も供給も少ないのだ。「eSports」という名前がついているが、ゲーム大会の延長でしかなく、競技として・文化として根付いてはいない。それは、結局のところ「競技」の需要がないのだ。ゲームを競技としてeSportsを楽しみたい人が少ないのだ。
私は、eSportsというものにかなり期待をしている。VALORANTだけでなく、ゲームの競技シーンを見ることは楽しい。
今となってはゲームの動画や配信は山ほどあるが、やや飽き気味であると言わざるを得ない。そんな中で、真剣勝負の試合はやはり見ていて楽しいものだ。
しかし、多くの人たちはそう思っていない。「みんなでたのしくげーむをしようね!」という層が多いし、「他人がげーむをしてるのをみているのがたのしい!」という層がさらに多いのだ。
どちらが良いとか悪いとか、そういう問題ではない。しかし、現状としては日本において競技としてのゲーム、すなわちeSpotsは発展しづらいというのが現実であると思う。需要も供給もないから。
ZETA DIVISIONやCrazy Raccoonは、選手たちは一流であると思うし、チームも玉石混交なプロゲーミングチームの中では成功しているし、規範となるチームであると思う。
だからこそ、もったいないと思う。その2チームが楽に勝てるような状況ではないようなプロリーグが存在していれば、全体のレベルは上がっていくことだろう。
しかし、eSports、すなわち「競技としての人口と強度」が少ないために、そうはなっていない。
私としては、eSpotsをもっと観戦したい、競技としての試合をもっと見たいと思っている。いわゆる「プロ」の人たちだけでなく、一線を退いた「ストリーマー」と呼ばれる人たちにも、ただのゲーム配信だけでなく、競技としての試合を行ってほしいと思っている。
しかし、現状はそういう需要が少ないというのが現実だ。私も、ただの視聴者に過ぎない。eSports界隈に対しても、noteで好き放題に記事を書いているだけである。
日本においてはラーメンという食べ物は人気であり、需要も供給も大きい。だからこそ全国的に大きな発展を遂げているし、ラーメン屋という職業が成り立ち、経済的に成功している。
それがラーメンではなく、例えば「ボルシチ」がラーメンと同じような地位を得ようと思っても、そううまくはいかない。
もちろん成功する例もあるだろうが、日本において「ボルシチ屋」が「ラーメン屋」と比肩するほど経済的・文化的に成功するのは難しいだろう。
日本においては、「ゲーム」は「ラーメン屋」であるかもしれないが、「競技としてのeSports」は「ボルシチ屋」なのだ。
どちらが良いとか悪いとか、そういう話ではない。しかし、日本においての「競技としてのeSports」の現状は、そういうことである。
2021/09/13 山下
2021/09/14 追記:
最後の方は酒に酔った勢いで書いてて、翌日に読み返してみると同じこと繰り返しすぎなんですが、まあいいや。なんでボルシチなんだろう。