二宮 謙児
大分県の湯布院町湯平温泉にある小さな旅館「山城屋」が、コロナ禍を経験して見つけた大切な宝物。そして、これから益々グローバル化する観光業界の取り組むべき課題について回を分けてご紹介します。
「観光公害」という言葉 約3年間のコロナ禍を経て、インバウンド(訪日外国人旅行)は再びかつての賑わいを取り戻しています。 一方で、コロナ禍前から指摘されてきた「オーバーツーリズム」という課題も再びクローズアップされています。 「オーバーツーリズム」とは、観光地にキャパシティ以上の観光客が押し寄せ、街中の人混みや交通渋滞、騒音やゴミの問題、環境破壊や、それらを原因とした地域住民と観光客とのトラブルなどを指す言葉ですが、日本語では「観光公害」と表現されることがあり
大分県の湯布院町湯平温泉にある小さな旅館「山城屋」が、コロナ禍を経験して見つけた大切な宝物。そして、これから益々グローバル化する観光業界の取り組むべき課題についてご紹介した本連載『二度三度来たくなる観光地作り』もいよいよ今回で最終回となりました。 最後までご覧いただけますと幸いです。 「ノーイングリッシュ!ノーイングリッシュ!」 今でこそ、どこの観光地も外国人客の姿が珍しいことではなくなりましたが、私がインバウンド集客を始めた当初は地元でも極めて珍しい旅館として一目
大分県の湯布院町湯平温泉にある小さな旅館「山城屋」が、コロナ禍を経験して見つけた大切な宝物。そして、これから益々グローバル化する観光業界の取り組むべき課題について回を分けてご紹介します。 来る前から情報として知っている 前回は、インバウンドの受け入れ体制整備のための「インバウンドに優しいおもてなし認定証」のお話をしました。 これは自己採点式の申請で、判定項目のうちご自身の業務に該当する項目の70%以上をクリアーした場合に交付される認定証です。 主な目的として
大分県の湯布院町湯平温泉にある小さな旅館「山城屋」が、コロナ禍を経験して見つけた大切な宝物。そして、これから益々グローバル化する観光業界の取り組むべき課題について回を分けてご紹介します。 リピーターを生む「安心感」 これまでに、「二度三度来たくなる観光地作り」を考えるとき、初めて訪れる観光客に対していかに「安心感」を与えられるかが重要というお話をしてきました。 旅行者はただでさえ不安の塊です。 この不安の種を一つ一つ取り除くことで「安心感」が得られ、心に余
大分県の湯布院町湯平温泉にある小さな旅館「山城屋」が、コロナ禍を経験して見つけた大切な宝物。そして、これから益々グローバル化する観光業界の取り組むべき課題について回を分けてご紹介します。 公共交通機関の「利便性」 前回では、「広域連携で魅力アップ」をテーマに、複数の観光施設間を周遊するモデルコースの動画についてご紹介しました。 この動画の制作意図は、ひとつひとつの観光スポットを単独でPRするよりも、「点と点を線で結ぶ」ようにモデルコースを作り、広域的にPRをするこ
大分県の湯布院町湯平温泉にある小さな旅館「山城屋」が、コロナ禍を経験して見つけた大切な宝物。そして、これから益々グローバル化する観光業界の取り組むべき課題について回を分けてご紹介します。 観光素材の発掘と情報収集 私が会長を務める「インバウンド全国推進協議会」は、大分県が公募した委託事業「観光産業リバイバル推進事業」を受託しました。 そこで、私たちが提案した事業名は、ずばり、「インバウンド復活を見据えた観光産業の課題解決支援事業」です。 コロナ禍が明ければ必ず
大分県の湯布院町湯平温泉にある小さな旅館「山城屋」が、コロナ禍を経験して見つけた大切な宝物。そして、これから益々グローバル化する観光業界の取り組むべき課題について回を分けてご紹介します。 継続は力なり 2018年4月より私が提案して設立した民間団体「インバウンド推進協議会OITA」は、コロナ禍を経て2023年7月に一般社団法人「インバウンド全国推進協議会」へと改組・改称して現在に至ります。 この間、大分県が公募した委託事業「観光産業リバイバル推進事業」に応募した
大分県の湯布院町湯平温泉にある小さな旅館「山城屋」が、コロナ禍を経験して見つけた大切な宝物。そして、これから益々グローバル化する観光業界の取り組むべき課題について回を分けてご紹介します。 受入体制の強化 「コロナ」という世界的な災難に見舞われた3年間、私は多くの失われたものと引き換えに「3つの宝」を見つけることが出来ました。 そして同時に、経営する「旅館」という観光施設にとって最も大切なことは、「二度三度と来ていただけるリピーター」であることを再認識いたしました。
大分県の湯布院町湯平温泉にある小さな旅館「山城屋」が、コロナ禍を経験して見つけた大切な宝物。そして、これから益々グローバル化する観光業界の取り組むべき課題について回を分けてご紹介します 「あるもの」を生かそう 前回までは、私が約3年間に及ぶコロナ禍期間で取り組んで来たことをお話しさせていただきました。 「大女将秘伝の味噌」の販売や旅館の体験動画の制作、裏山の再生プロジェクトなど。 今思うと、これらの取り組みは、多くの「ひと」との繋がりが大きな原動力となって実現
大分県の湯布院町湯平温泉にある小さな旅館「山城屋」が、コロナ禍を経験して見つけた大切な宝物。そして、これから益々グローバル化する観光業界の取り組むべき課題について回を分けてご紹介します。 偶然見つけた大きな発見 2020年4月16日、日本政府は、「緊急事態宣言」の対象地域を全国に拡大しました。 当館もコロナ禍が始まって以来宿泊客が減少するなか、2月より始めた「立ち寄り湯」と「ランチ」のお客様は徐々に定着しつつあったのですが、やはり全国的な感染拡大を懸念し熟慮した結
大分県の湯布院町湯平温泉にある小さな旅館「山城屋」が、コロナ禍を経験して見つけた大切な宝物。そして、これからますますグローバル化する観光業界の取り組むべき課題について回を分けてご紹介します。 人が動かなければ物を売ろう これまでの宿泊業に加え、「日帰り温泉」と「ランチ」を始めた当館ですが、コロナ禍で「人流の抑制」が声高に叫ばれる中、旅館への集客は依然として厳しく、売り上げはそうそう元に戻るものではありませんでした。 そこで私たちは、さらなる一手を打つ必要に迫られまし
大分県の湯布院町湯平温泉にある小さな旅館「山城屋」が、コロナ禍を経験して見つけた大切な宝物。そして、これから益々グローバル化する観光業界の取り組むべき課題について回を分けてご紹介します。 「立ち寄り湯」と「ランチ」を開始 2020年の1月は、当館においてもまだまだ外国人客の姿は見られ、その時点ではこれから起こる長い「不遇の時代」を全く予想もしていませんでした。 やがて、翌2月あたりから国内での感染者発生状況が明らかになるにつれ、既存の宿泊予約者のキャンセルが相次ぎ、
大分県の湯布院町湯平温泉にある小さな旅館「山城屋」が、コロナ禍を経験して見つけた大切な宝物。そして、これから益々グローバル化する観光業界の取り組むべき課題について回を分けてご紹介します。 「山奥の小さな旅館」が書いた一冊の本 2017年7月、私は、自ら経営する「旅館山城屋」のインバウンド(訪日外国人旅行者)の取り組みについてまとめた一冊の本『山奥の小さな旅館が連日外国人客で満室になる理由』を上梓いたしました。 旅館山城屋は、大分県の湯平温泉にある家族経営の小さな旅館