里山を楽しめる君はどこへだって行ける
#初沢3耐、続いてます
次回は11/20
子どもが産まれて早2ヶ月。すくすく成長しています。(かわいい)
故に筆よりも子を持つことが多くなっています。(かわいいから良しとする)
さて、今春から月1回のペースで細々と開催を続けている #初沢3耐
夏は暑すぎてお休みしていました。涼しくなってきたので先月から再開しました。
秋の高尾、最高ですよね。ちなみに次回は11月20日(日)です。
詳細・申込はこちら
自立すること
前回はファミリーでのご参加が多く非常に良い雰囲気で楽しめました。公私ともに仲良くしてもらっているテングコーヒーさんもエイドでコーヒーとクッキーを提供してくれました。嬉しい、そして美味しい。
ソロでバシバシ走る常連の方もいればファミリーでピクニックしにくる方、ハイキングしつつちょっと走ってみようかな?とチャレンジする方など人それぞれ様々な目的で参加して企画を作り上げてくれる雰囲気は感慨深いものがあります。
なにせ1人で細々とやっているもんですから自然と協力して自分達が自分達で楽しくしようとする行動は非常に助かります。また、この企画の目的の1つでもある「自立性」を育むことにもつながります。山に行くのが怖かった子どもが企画を通じて自然が好きになってくれたと保護者の方から耳にしました。これ嬉しい。
一歩一歩恐る恐る歩いていたのがいつの間にか笑顔で駆け回るようになっている。
この企画をやっていてホントよかったな、と感じています。
走るにしても3時間をどう使うか、何を目標にするかは自由。早々に休憩を入れてもいいし追い込んでも良い。目標も全て自分が決めること。距離が決まっているレースよりも精神的にタフでないと中々キツく感じます。(だからこそ面白い)
大人も子どもも各々で楽しみを見つける自立性が大切です。
Local mountain activity for children
トレイルランニングを真面目に楽しむのと同じくらい重要視しているのが「子ども」への働きかけ。初沢3耐はこんな活動でもあります。
キーワードは「自然」「創造性」「健康」です。
どれも心身ともに健やかに過ごすのに必要だと考えています。肉体的な健康だけでも自然に触れていないと将来的に重篤な疾患にかかることが予想されます。(これは土壌微生物と腸内細菌と免疫力の観点からある程度説明がつきます)
創造力が豊かでも身体的な健康や人間関係・生活環境が悪ければその力を生かすことができません。
病気もそうですが原因がたった1つしかないものの方が少数派。大半のものが複数の要因は重なり合って具現化されています。食生活の乱れ×ストレス=肥満、みたいな。
3,000m級の山の景色の方が圧倒的に里山より良いのは当然ですが、そこに至るまでの過程はなかなか大変。費用も時間も装備も要ります。
なのでまずは身近な里山や自然に触れ合うことから。服装なんて普段着で良いし、頑強な登山ブーツなんて要りません。日常から延長された線を一歩踏み出すだけでいい。
時間と場所はこちらで用意。そこからの楽しみ方は個々の「創造力」に任せます。
駆け回っても良いし、木漏れ日の下でお菓子を摘むのも良い。野鳥や虫探しも良いですね。
この里山アクティビティはもはや立派な「教育」では?と考えています。
まず自然の中に身を置く、体感する
単なるトレイルランニングの企画であればサブタイトルは"Trailrunning"だけで良い。ですがサブタイトルに"Hiking, Picnic & Cleaning”を付け加えてます。(申込ページを見るとわかります)
つまりどんな形であれ「まず山においでよ」とお誘いしてるわけです。
まずは自然の中に身を置くことが重要。話はそこからです。駅から徒歩10分程度のお手軽な里山でも足を踏み入れるとその心地よさがわかります。
この心地よさは「無駄な情報がないから」でもある。普段の生活ではSNSをはじめ情報だらけ。なので常に急いでいるし心休まる暇もない。どこに目をやっても情報だらけ。(大半は性欲・金欲・承認欲を満たすようなものばかり)
そんな情報過多な環境が心地よいか?そもそも動物としてのヒトが健全でいられるか?答えは言わずとも明白でしょう。
里山でももちろんネットは使えます(5Gは非対応)。ですが木漏れ日の変化や肌に当たる風、鳥の鳴き声など自然かつ適度な感覚刺激があるためスマホをいじってることが時間が少なくなります。強制的に触れさせない訳ではなく自然と触れなくなる。だってそっちのが心地よく、豊かに感じるから。
走ることは確かに楽しいし健康に良い。ですがそれだけをゴリ押しするつもりはなく、先にも書きましたが「まず自然の中に身を置くこと」。
走りたければ走ればいいし、虫探ししたいならすればいい。何もしたくないならしなくてもいい。
自分で何をするならすると決めて行動する。しないと決めたならしない。どちらも自己選択には違いない。これが自立性を育むことにつながります。これは先にも述べた「教育」ですよね。
「大人が子どもに向けて一方通行で教えること=教育」ではなく環境を用意するだけなのも教育の1つだと考えています。これまで単発のイベントやアウトドアツアーガイドをやってて感じるのは山に入れば入るほど子どもの積極性が右肩上がりに向上すること。
夏とかだと近くの川にお連れしたりするんですが、最初は水が怖い、底が見えない川が怖い。でも30分もすればみんな飛び込んでます(笑)
本を読むことはとても大事。僕も本は好きです(運動しなくても腹筋が6つに割れるなら運動せずにずっと読書していたいタイプ)。
しかし、座学と実技は両輪合わせて効果を生みます。机上の空論ではなく失敗してでも体験することは大切。これも学びです。失敗と言わずに「不都合を見つけた」という成功と言い換えても良い。となんかの本で読みました。受け売り。
環境のセッティングだけすればあとは自動運転のような感じで子どもは勝手に遊ぶように学んでいくんですよ。天才ですよね、ホント。
里山を楽しめればどこでも楽しい
例えば、スキーをする。富士山に登る。どちらも非日常感を味わえて楽しいですよね。(体はしんどいかもしれませんが)。こういうのは誰でも楽しめるんですよ。景色は良いし、雪の上の疾走感も楽しい。滑りの休憩時はロッジで暖をとりながら美味しいご飯を食べる。富士山頂からは絶景。ご来光も最高。
これはこれでいいんです。しかし、これは楽しんでいる、というか「楽しませてもらっている」という受け身に近い。雪や景色というアイテムがあるから楽しいのであってそれがなくなれば楽しくなくなる、ということにもなる(もちろん雨の富士登山も終わってみれば良い思い出になると思いますが)。
トレイルランニングならUTMFや信越五岳などを筆頭とする各種大会への参加。どれも楽しいに決まってます。
ですが、どれもあくまで「楽しませてもらっている」には変わりない。決められたルートをエイドあり、誘導ありで至れり尽くせり。これはいつまで経っても「お客様」なんですね。
個人的に「楽しむ(能動)」と「楽しませてもらっている(受動)」の違いは『創造力』を駆使するか否かが境目だと感じています。あとは自己責任と覚悟があるかどうか。話が逸れすぎるのでここでは割愛。
自ら0を1に作り上げるためには創造力が必要です。自分の中に有する知識や情報・経験などを統合して新しいものを作り出すこと。
これ、大変なんですよ。気楽なものではありません。大変なわりに報酬としての成果や地位名声が得られないことなんてザラにあります。
しかし、この0→1を生み出した時の楽しさは楽しませてもらっている時以上の喜びや達成感があります。
ちなみにこの「創造」ですが動物の中で「ヒト」しかできません。「ヒト」を「ヒト」たらしめるのはこの創造と大脳前頭前皮質の社会的行動などの機能です。雑に言うと創造と行動の制御ができないとその方はお猿さんということです。お猿さんに失礼ですね。
AIも進歩して自分で絵を描いたりしているようですが、人の心を動かすストーリー作成までは至っていないようです。
里山は景色もイマイチ、綺麗な花も無い、そんな環境です。この普通とも言える何も無い環境に身を置くことで普段は使っていない自らの創造力を発揮するようになる。
里山に生えている木一本見ても、ただ「木があるね」と漠然に思うのか、「この木はコナラと言ってドングリができる木。ドングリを食べるのはリスや猪がいる。よく見ると木の下の食べかけのドングリがあるね。この食べ後はきっとリスだね。」と深掘りして積極的思考や創造できるか否かで同じ「1」の情報でも「100」に展開して楽しむことができる(創造力が欠如しているとその「1」にも気づかないため「0」と思考停止してしまう)。
創造力と自立性、それを行動に移す心身の健康。
どれもこの乱れた現代社会を豊かに過ごすためには必要なものです。ヒトとして強くしなやかに現世を生き抜くための総合力を身につけてもらう第一歩として#初沢3耐を企画・運営しています。
楽しませてもらうんじゃなく、楽しむ。これがポイントです。大人でも子どもでも。
里山を楽しめればどこでも楽しめます。何やっても何を見ても楽しめる。
軽やかに生きる処世術です。