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京都、お散歩・・・③出町柳~吉田山~吉田神社

休日、朝ご飯を食べた後、ふと思い立ちまして、吉田神社に向かいました。
例よって無計画です。
とりあえず、京阪電車に乗り、出町柳駅に降り立ちました。

電車を降りて地上に出ますと青い空が広がっておりました。
私がいるのは高野川です。賀茂川と合流する手前あたりになります。
少し散歩してみましょう。

ランニングをしている人、散策をしている人、ぼんやり座っている人、家族連れなどたくさんの人たちがいます。

北の方角
南の方角
飛び石

「かも川」のややこしいところは、「鴨川・賀茂川・加茂川」の三種類の表記があることです。

行政上の表記は「鴨川」なのですが、
上賀茂神社や下鴨神社の西側を流れるあたりは「賀茂川」とされています。

ところが、今わたしが立っている「出町柳」辺りまでは「高野川」が流れており、
その「高野川」と「賀茂川」が合流すると「鴨川」に変わるのです。
(鴨川デルタと呼ばれる地点です)

一般的には、そのように言われています。

「加茂大橋」から見る「鴨川デルタ」。画像は北向きで、向かって右が「高野川」、左が「賀茂川」、そしてここから下流が「鴨川」。Yのようになっています。

「賀茂川」の由来は、昔、その一帯が「賀茂氏」と呼ばれる一族の本拠地であったことと言われています。
「賀茂氏」について興味のある方はご自身で調べてくださいね。

一方、「加茂川」については、「かも川」そのものではないような?
賀茂川沿いを走る「加茂街道」とか、「加茂川中学校」他、固有名詞に使われているようです。

しかし、江戸時代の古地図の多くは「加茂川」の表記だったという記事も見たことがあります。

表記については諸説あり、明確に決まっているものではないのです。
地元の人でも曖昧だったり、人によっては断言したり、
こういう「いい加減」なところもあっていいのではないかと思います。

とにかく「かも」由来の名前が多く、ざっと調べてだけでも下記のようにたくさんありました。「賀茂・加茂・鴨」入り乱れております。

「賀茂なす」「賀茂川漁協」「鴨川をどり」「京阪鴨東線」「上賀茂神社」「下鴨神社」「加茂街道」「加茂みたらし茶屋」「加茂川中学校」「加茂湯」・・・


賀茂大橋

さて、川端通と今出川通の交差点から東へ向かいます。
吉田山の北側から登って、南側に降りたところにある吉田神社を目指します。


京都は路地が多いです(京都では「ろうじ」「ろーじ」と呼びます)。
本来は「露地」と表記します。
行き止まりになった小路のことです。

これが、行き止まりではなく次の道に突き抜けていれば「辻子(図子)」と呼びます。

また、「突抜」のように、既存の通りを伸ばして別の通りへ繋いで作られた道もあります。

うっかり入り込んだら出られなくなるかもしれませんよ。
なんてね。

百万遍の交差点。右に見えるのは京都大学です。


京都には古書店もたくさんあります

知恩寺で「古本まつり」が開かれていましたので寄り道しました。
知恩寺の正式名称は「浄土宗大本山百萬遍知恩寺」、「念珠繰り(数珠繰り)」発祥の地だそうです。

超有名な「知恩院」とは別のお寺になります。

本好きの人たちで賑わっておりました。
皆さん真剣な眼差しで本選びをされていますので、人が多いわりに静かです。

いつの間にか私も真剣に本選びをしておりました。
ジャンルも作家も整理されていないので、自ずと集中します。
後で、「あの本をもう一度見てみよう」などと思ってもほとんどが徒労に終わるのです。
まさに一期一会。

私が出会った一冊

いつの間にか一時間も経過しています。
まるで、夢の中にいるような気分になります。

今は吉田山を目指しているのだと思い出し、知恩寺をあとにします。

まるでパリの街並みのよう

ここは「進々堂」という有名な喫茶店です。「京大第二の図書室」という看板が見えます。
森見登美彦さんの小説にも出てきます(そういえばさっきの鴨川の飛び石も)。

こんなところに大きなお地蔵様が、とびっくりしましたが、大日如来と書いてありました。

やっと吉田山の入口が見えてきました。

20メートルほど入っただけで気温は下がり、まるで深い森のようです。
振り返ると賑やかな今出川通が見えて、まるで別世界の入口に立っているかのようです。

なめてました。私は病気のせいでほとんど片肺で生きておりますので、あっという間に息が上がります。

あちこちで何かが落ちる音がします。なんだろうと思っていましたが、どんぐりの落ちる音のようです。

よく頭に当たらないものだ

てっぺん辺りにカフェが見えてきました。
森の中にポツンと建っています。

「茂庵」

もうクタクタなので一服したかったのですが、今は予約しか受けていないとのことでした。
店内から大文字山がみえて絶景でしたよ。

さて、吉田神社はどう行けばいいのか?
分かれ道がたくさんあって分からなくなってしまいました。

UFO着陸?

残念ながら吉田山からは下界を見下ろすような絶景はありませんでした。
山の中腹に家々が見えてきましたので、そちらに向かいます。

古民家のような家々が並んでいます
吉田神楽岡町 大正時代の家並み

中腹から大文字山が見えます。

「大」の字がはっきり見えます

吉田神社とは逆の方角へ降りてしまったようです。
Googleマップで確認すると「神楽岡通」となっています。
まあ、行き当たりばったりですから。とりあえず南の方角へ進みます。

宮内庁と書いてあります

ひっそりと「御一条天皇陵」がありました。鍵がかかっていて中には入れません。
というか、入りたい雰囲気ではありません。

天皇陵の角を右に曲がって坂を上がって行きますと神社が見えてきました。

竹中稲荷講社となっております。入りますと鳥居が並んでいるのが見えます。

何やらイベントの用意をされているようです。(イベントとは言わないか)
脇に道がありましたので入って行きますと、また山道になってきました。

登っていきますと道標がありましたが、さっきもここを通ったような?
吉田神社の方角へ進みます。

山道は下りになり、途中から石畳みになっています。
その石畳みの道の先が吉田神社のようです。


吉田神社を目指してきたのですが、少し座って休憩した後、お参りして早々に出てきました。
ここも確か森見登美彦さんや万城目学さんの小説の舞台です。
京都ですから言い出したらきりがないのですが。

京都大学正門(たぶん)

もうフラフラです。食べ物を求めて彷徨い歩いていますが、適当なお店が見つかりません。
ボーっとして方角さえ分からなくなってきました。
しっかりせねば、と思いながら歩き続けます。
何しに来たんだろう?

「東一条通」を西へ進むと「川端通」に突き当たります。さらに「川端通」を南に下るとコンビニがありました。

コンビニで弁当を買い、交差点を渡ると鴨川です。
横断歩道の向こう側には着物姿の女性が・・・
今日だけで3人目ぐらいです。京都らしいですな。
ちょっとだけテンションが上がりました。

紅葉が始まりかけています
鴨川河川敷

コンビニで弁当を選ぶのは面倒なので、「のり弁当」と決めています。
セブンイレブンは時々モデルチェンジするのですが、今のモデルはいけませんな。
ホワイトソースが廃止されて、代わりに醤油が付いているのです。
味の付いていない白身魚のフライに醤油を使えと言うのか?
・・・すみません。あくまで個人の感想です。

しばらくぼんやりしてから、京阪電鉄「神宮丸太町駅」から電車に乗って家路につきました。
 

今回のお散歩は以上です。

訪問日 2022/11/3


追記
「四畳半タイムマシンブルース」という映画を観てきました。
森見登美彦原作で舞台は京都です。
出町柳や古本市(場所は下鴨神社でしたが)、大文字山、京都大学などか画面に出てきて、先日の散歩の記憶とシンクロしました。
物語も面白かったですよー。
マスクの奥でクスクス笑ってしまいました。

実はこの映画をやっているのを知らなくて、たまたまネットでみつけたのですが、私が出町柳辺りを散歩した直後だったので観に行った次第です。

映画のラストではアジアンカンフージェネレーションの「出町柳パラレルユニバース」がかかりまして、大変盛り上がりました。

私の中で「出町柳」が大流行しております。

ちなみに「出町柳」というのは、地名ではなく駅名です。
鴨川の西側に「出町」という地名があり、東側の「柳の辻」という地に駅ができたので、合体させて「出町柳」という駅名がついたのですね。
これもややこしいです。

2022/11/11





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