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自分の不得手もわからない。

もし5年前に戻って自分に言い聞かせることができるなら、「お前、自分が克服したい不得手なことくらい考えておけよ」と言いたい。

勉強していて「自分の不得手がわからない」なんて言うと、「そんなバカな」とか「苦手が無いっという自慢か」とか言われそうだが、ことはそう単純ではない。
そもそも、大学院に通うのは自分がわからないことを学びに行ってるわけなので、何が苦手か?というと「全て」というわけになる。
ファイナンスだとか人事システムだとか、初めて触れるようなジャンルなんて、得手も不得手もない、それ以前の問題なわけです。

かと言って、最初から「苦手だな」と思って学ぶのも、前向きではない。
何より、楽しくない。
せっかく自分のお金と時間を投資して自主的に学びにいくのだから、新しいこと知らないことを学ぶのは楽しいと思って前向きに取り組むようにしていたし、実際、楽しい。

とは言え、やっぱり学んでいても「よくわからん」というジャンルはある。
つまり向いていない。
これが不得手というやつか。
という程、やはり話は単純ではない。

以前に書いたことの繰り返しになるのですが、「自分がここを強化したい」という思いがあってビジネススクールに来ている人は、得手も不得手も関係ない。
目的が明確なのだから、それを学ぶ。
自分のイシューが明確なのだ。

自分が好きで、得意だと思っている領域・分野の中で、もっと知識を増やしたいスキルと高めたいと思っているが、自分の相対的に弱いところがある。
それが、強化するべき「意味のある不得手」なのだと思う。

自分のイシューを押さえて、自分の得手がわかって、初めて自分の不得手(強化するべきポイント)がわかるという順なのだ。

僕のように、自分のイシューがわからなくて、自分の得手がわからないような人間は不得手もわからないという、三重苦の状態で学んでいたのだ。
そうと思うと、ゾッとする。

だから、もし5年前に戻って自分に言い聞かせることができるなら、「お前、自分が克服したい不得手なことが何かくらい考えておけよ」と言いたい。

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