Xデザイン学校大阪分校:第1回〈ブートキャンプ〉
大学(学部)を卒業して20年。学ぶこと自体はもちろん日々のこととして意識はしてきましたが、制度的に学ぶということはありませんでした。
ただ、思うところあって(←そんな大仰なことではありませんw)、今期、Xデザイン学校大阪分校のベーシックコースに入ることを許され、今日から学び始めました。
私の場合、文献的に得られる知識というよりも、実践的な視座をいくらかなりとも体験し、それを僅かなりとも身体化したい、ということが願望の一つとしてありました。そこには、結果的に(←直截的に、ではない点が大事)自らの研究に何がしかの新しい視座をもたらしてくれるかもしれないという目算もあるのは確かです。
それはさておくとしても、自らをいくらかなりとも厳しい学びの状況に置くことは、必要であると思います。世阿弥のいう「時々の初心」にあたるかと。さて、今日は第1回。ブートキャンプでした。
今日の構成は、「オープニング」「チームビルディング:マシュマロタワー」「発想法ワークショップ:最悪トラベル」の3つでした。
1. 〈学習〉ではなく、〈発達〉。
オープニングといっても、すごく本格で刺激的な内容のお話。詳細は記しませんが、「学びの真の目的は〈学習〉ではなく、〈発達〉にある」という点は、ことさら印象的でした。そこから出てきた〈キャンパス〉という言葉の意味も、私自身にとって、あらためて考えさせられるものでした。
2. 口で言うのはさして難しくないけど、実際やってみると難しいのが〈協働〉。
チームビルディングのためのワークショップ、マシュマロタワー(マシュマロチャレンジ)。名前は知っていましたが、初体験。
甘く見ていたつもりはなかったのですが、あとから考えると、やはり甘く見ていたのかなと思います。私も参加していたチームは、しょっぱなから失敗。ワークショップ後の浅野先生の解説でもありましたが、ゴールとしてのマシュマロ(=全体像)というのをちゃんと頭のなかに像として描けてなかったですし、そのための構造を描いて(筆記は認められていないので、言葉や動作で伝える必要があります)共有するということや、役割の分担ということもできていませんでした。
2度目のときは、メンバーでそのあたりを振り返ってから再挑戦。高さ的には微妙でしたが、何とか高さ測定まではたどり着けました。
自分がやる講義などでは〈協働〉の重要性って、飽きるくらいに言うてるのに、いざ自身がやるとなると、なかなかうまくいかないものです。チームとしてはいろいろとアイデアも出し、協力もできてはいたのですが、それだけではないということを痛感しました。
でも、正直に申しますと、ここで失敗してよかった、とも感じています。というのも、2度目のマシュマロタワー、そして、そのあとの発想法ワークショップで、いくらかなりともその反省が頭にあったからです。
3. 抽象化・概念化の大事さと難しさ×協働。
チームビルディングのためのマシュマロタワーに続いて、発想法ワークショップ。〈最悪トラベル〉という、「①最悪な旅とは、どんな旅か?」を描き出し、そのあと「②最高な旅を提案する」という内容でした。しかも、①で描き出したものを、別のチームが②で考えるというもの。
オープニングのなかでも、コルブの経験学習モデルをはじめとして、省察や概念化といった具象から抽象へ、そしてまた具象へという往還の重要性は説明がありました。なので、このワークショップではそこがポイントになりそうっていう予感はありました。
ちなみに、②に関しては、まったく予想していなかったので、ふつうに面喰いました(笑)
チームを組み直して、新たなチーム6名で、まず①から。今回の編成は、ほとんど他の方を存じ上げない状況でおこなわれたので、ほぼ偶然の産物です。ただ、偶然にも〈発散に強いタイプ〉と〈収束に強いタイプ〉が集まった感じでした。
なので、①の段階からぶっ飛んだ発想(←もちろん、肯定的な意味です)もどんどん出てきて、どちらかというと後者のタイプの私は困惑してしまったのも事実です。念のために申しますが、このチームでの議論はすごくおもしろかったです。問い、考え、かたちにするっていう点は、6名で共有できていたような気がしてます。
ちなみに、困惑してしまってたことを、懇親会で他のメンバーの方にも伝え、他のメンバーの皆さんも、私が困惑していることを感じ取っておられたってのも伺いました(←懇親会なんで、盛り上がりながらですw 深刻な雰囲気でこのことをしゃべっていたのではないという点は、めちゃくちゃ強調しときますwww)。懇親会って、打ち解けた空気のなかでリフレクションができるっていう意味で、すごく大事ですよね。
でも、その困惑があったからこそ、ちゃんと〈問うていくプロセス〉を織り込んでいかないとっていう流れになった気もします。そのあたりを、②でいくらか反映させることができたかな、と。もちろん、提案した内容自体は、まだまだ粗いところだらけです。そこらへんは、今後、繰り返しながら身につけていきたいなと考えています。
4. チームで考え、かたちにしていくということのおもしろさと難しさ。
今回、全体として特に痛感した(←自分自身に対して)のは、この点でした。仕事柄、「考える」というのは嫌いではありません。というか、好きなほうです。しかも、抽象化するという思索は大好きな部類に入ります。
でも、今までそれをやるときには、個人でした。チームでやるというのは、経験としてなくはないですが、ほとんどありませんでした。
昨今は、複数の研究者がチームとなってやる共同研究も数多くありますが、私の場合はほとんどありません。
マシュマロタワーにしても、〈最悪トラベル〉にしても、「チームで考え、かたちにするという」点が、私にとってはクリアすべき課題であったように思います。もちろん、今回だけで身につくはずもなく、これから何度も繰り返し試行錯誤して、身体化していかないとって、あらためて感じています。
そのために、問いを言語化することや、そこからのそれぞれの答えを書き出していって、さらにそこから問うていったり、関連性を議論しながら考えていったりする、その際にゴールを見失わないように、折々、確認して共有するといったあたり、今後もつねに意識してやっていきたいです。
これが難しいのは確かなのですが、ただおもしろかったのも事実です。なので、おもしろさを感じることを忘れないように、ガチで臨んでいきたいと思います。
浅野先生、2019年度のメンバーのみなさん、これからも引き続きどうぞよろしくお願いいたします!!
(撮影:鳥谷俊介さん。ありがとうございます!)
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