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行きつ戻りつ。Xデザイン学校大阪分校第5回:ペルソナ / シナリオ法

Xデザイン学校大阪分校ベーシックコースも第5回。今回で半分が終わったことになります。前途遼遠な心持しかしませんが(笑)

さて、ブログのタイトル、学びの後の懇親会の帰り道にタイトルだけ入力して、「あとは明日ゆっくり書こう」って思ってたら、浅野先生がさっそくブログをアップしておられました。

そのなかで、「もう一つ大事なこと」として書いてらっしゃったのが、〈学びの並列性〉(←言葉は私がアレンジして宛てていますので、内容は浅野先生のブログをお読みください)。つまり、学びは直線的・単線的なものではなく、並行的であったり、あるいは往還的であったりするという点です。

昨日の授業で痛感したのは、まさにここでした。

一歩先に進んでみて初めて、前段階での不足がわかる。

これ、じつは前回の段階でも、うすうすメンバーで共有的に感じていた点です。ある意味「初めての学び」なので、それに気づけているというだけで、まずはよしとすべきなのかもしれません。とはいえ、デプス・インタビューをしたときのモヤモヤ感が、今回で少しずつリアルな姿として顕在化してきたのは事実です。

なので、メンバーであらためてインタビューの掘り直しをやりました。そのなかで、前回以上により情報の濃度は高まったように思います。上位下位関係分析をやるときも、たいへんではありましたが、おもしろさはありましたし。

その点で、前回の内容に立ち戻りつつ、それを本質的なニーズへと抽象化していこうとする姿勢は、前回以上に少しはクリアに共有できていたような気がします。

ただ、そこでまだもうひとつ大事な点が抜け落ちていました。抜け落ちていた、というより、それをちゃんと組み込めていなかったところを復旧しきれていなかったというのが正確かもしれません。

価値は享受する側と提供する側の双方のはたらきで創出される。

これ、企業行動論の授業とかで自分自身がよく言うてるのに、いざ実装的な観点でやってみると、なかなか難しい。

teamBでは、あまり最初から〈お題〉にこだわりすぎると、インタビューする際に視野が狭くなってしまうかもということで、よく言えば「禁欲的」にインタビュイーの生活の実際のありようや、そこで感じていること、潜在的に意識していることを言語化できるように試みてみました。

ところが、これでいくとインタビュイーの生活に対する価値観や姿勢みたいなあたりは見えてくるのですが、肝腎の〈お題〉との接点がなかなか見いだせないのです。これは、まさに先生がよくおっしゃる「知識の貯蔵庫」が足りない(もしかしたら、あるのかもしれませんが、日々それをちゃんと抽象化していない=冷凍していないので、いざというときに解凍して使えない)というあたりに、最大の原因があるようにも思います。

もちろん、そもそもインタビューのやり方がよくないということも。やはり、〈お題〉から出発しつつ、それにかかわるエピソードから“蟻の一穴”的にその前後へと時間軸を拡張していくというところを意識すべきだったように感じています。

上で述べたことは、まだ今回の授業でちゃんと教わったわけではないのですが、次回が〈ストーリーテリング〉であることを考えると、そういうふうに捉えることができそうかなと感じています。

いずれにしても、享受する(してくれるかもしれない)側と提供する側の双方の〈生活:Leben〉と、その根底にある視座や意味を同時的に意識しつつ、それを無理くりにつなげるのではなく、結果として重なり合うように焦点合わせをしていく、そのための基盤になるのがインタビューなのかな、と今あらためて感じています。

ちなみに、今回の授業内容は、タイトルにも書いてありますが「シナリオ / ペルソナ法」ですw インタビューではありませんwww

エピソードからシナリオへ

これ、もう上に書いちゃったので、今さらなんですが、インタビューからの上位下位関係分析をしてみて、いちおうインタビュイーのライフサイクルというか、生活を時間軸で見るという点は意識はしていました。

ただ、それが〈お題〉とほとんどつながっていない状態だったのは、上にも述べたとおりです。このあたり、私自身かなり反省している点です。

直截に訊いてみても、インタビュイーから価値の淵源になるような情報が得られるわけではないというところを意識しすぎて、かえって〈お題〉から遠ざかって訊くことに偏りすぎたように感じています。もちろん、偏狭に〈お題〉に執着しすぎても、新しい価値の淵源は見いだせないので、このあたりが悩ましいところです。

そういった悩みを先生にぶつけてみたところ、この節のタイトルにあるようなご教示をいただきました(←私の理解違いがあるかもですが、そのあたりはまた試行錯誤して修正していきます)。

よく考えれば、そのとおりなんですよね。でも、実際にやってみると、そのあたりがぎごちなくなってしまって、なかなかうまくいかない。

こればっかりは、何回もやって〈間合い〉の取り方を会得していくよりほかにはなさそうです。なので、失敗しながら、やり方を考えていきたいと思います。

学びは、行きつ戻りつ。

上にシェアした浅野先生のブログにもありますが、大学(てか、学校制度)での学びの設計って、基本的に直線的・単線的です。でも、個人的に習っている剣道もそうですが、いわゆる〈稽古〉って単線的ではないんですよね。行ったり来たりも普通にありますし、何より良い師というのは、個人の癖をいち早く見抜いて、よい場合はそれをどう伸ばすか、悪い場合でクリティカルな影響をもたらしうるとみた時には、それをどう直していくかを判断しておられるように思います。

よくよく考えれば、ゼミで学生を指導する場合にも、基本的には同じスタンスです。だから、メンバーそれぞれに指導のしかたも違ってきます。なかなか、それがちゃんとうまくいってるかどうかは、まだよくわかりませんがw

そういった指導のスタンスでいくと、基本的に学びが直線的・単線的になるということは、あまりありません。むしろ、学びは漆を塗り重ねるようなプロセスになると思います。今回の授業で痛感したのが、まさに「行きつ戻りつ」しながら、ちょっとずつでも塗り重ね、磨いて、また塗り重ねての繰り返しが大事だっていう点でした。

ちょっと仕事のほうで、そのあたりをカリキュラムに反映させることができないかと思って、下書きをしてみたりもしていて、その点でもすごく重要な学びを得ることができたように思います。

ペルソナ法のことを書いてないけれどもw

今回、ペルソナをシートに書き出す際にもちょっと苦労はしました。ただ、それは上にも述べた提供する側の視座が完全に抜け落ちていたからというのが最大の理由です。

当然なのですが、サービスデザインの実践では、享受する側と提供する側の双方がうまく合致するようにビジネスモデル(価値循環)を構築していかなければいけません。

って、私、企業行動論でしゃべってるのにw いざやってみると難しいwww

ただ、先生も繰り返し指摘しておられたように、ペルソナそれ自体は、言ってみれば「価値が生み出されゆくストーリーの登場人物」でしかないわけで、あくまでもシナリオであったり、あるいはそこから構築されるストーリーが主だという点は、次回に向けて確認しておきたいと思います。

いよいよ次回は「山場」のストーリーテリング。実は、学生時代にマーケティングリサーチの講義で、チームでリサーチをするときに、当時そういう方法があったのかどうかはさほどの調査もせず、ストーリーを3つ読んでもらって、製品が使用されている状況としてもっともしっくりくるものを選んでもらって、その理由を設問として訊く、みたいな方法でリサーチしてみたのを憶えています。

もちろん、ストーリーテリングは、それとはまったく別だと思いますが、少なくとも製品やサービスなどがどう使われ、どう価値が発現するのかというところは、個人的にものすごく関心のあるところです。

実際にやってみると難しいんでしょうけれども、楽しみつつ挑めたらなと思います!

浅野先生、teamBのみなさん、ベーシックコースのみなさん、今回もありがとうございました!次回もどうぞよろしくお願いいたします!!

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