かくも濃く、かくも楽しい学びの場。Xデザイン学校大阪分校パーソナルコース2021年度、おひらき。
2021年度に初めて開講されたXデザイン学校大阪分校パーソナルコース。2019年度にベーシックコース、2020年度にマスターコース(ベーシックと併催)を受講して、今年度はこちらに参加しました。
ちなみに、このPeatixは2022年度版です。申込できます(笑)
今は、デザイン*を学ぶことができる“社会人向けの学校”が数多く生まれていて、それぞれに魅力的です。私はXデザイン学校に通ってます。そこが肌に合ってます。デザインを志す方それぞれにとって、どこが合っているのかは異なりますので、その点はあらかじめ申し上げておきたいと思います。
ちなみに、今年3回目まではnoteも書いてました(笑)
ある意味で、このパーソナルコースについて書きたいことは、たいがいここに書いた気もします(笑)
同じことを書くかもしれませんが、もう少し補うようなことも書こうと思います。
とにかく、濃密。
基本的に、月の第4日曜日の午後を丸々使ってやります。最初に、浅野先生、そして佐藤先生、水本先生から講義や話題提供があります。ただ、ベーシックやマスターとちょっと違うのは、先生方もここで「報告」をされているという点です。参加人数も少なめなので、ただ講義を聴いているというより、思索的に反芻しながら聴くという感じ。というのも、基本的に、パーソナルコースに参加される方は、Xデザイン学校にこれまで参加されてた方、もしくはサービスデザインやUXデザイン、HCD(Human Centered Design;人間中心デザイン)について何らかのかたちで学んだり、実践されたりしてこられた方なので、基本的な前提や言語が共有されてるからです(今日、参加されてるメンバーの方からこういうご発言があって、「あー、まさに」って思いました)**。
受講している私たちも、お題をもらって考えるのではなく、自分(チームの場合は、自分たち)で考えて、それをサービスデザインの考え方を基礎にして実践的な可能性やアカデミックな思索を展開していくというスタイルです。
企業でお勤めの方や、事業を営んでおられる方であれば、ご自身の会社が直面している課題(事業単体レベルというよりは、企業全体を見わたしたレベルの課題。事業単体から出発して企業全体レベルに及ぶということもあります)をそこで思索と試行の俎上に載せるイメージ。当然ですが、内部事情もあるので、そのあたりは信頼が大事です。
私の場合は、もちろん大学という経営体においてのService Design-basedな〈脱皮〉の試みということもありえますが、そこではなくて(笑)、サービスデザインという考え方をもとに、経営をどう捉えるかというテーマで2021年度は進めました。
Facebookグループでも議論が展開されたりするので、報告当日だけでなく、思索が進みます。
研究者だけでやる研究会や学会は、もちろん大事です。何より、理論的な彫琢とか、新しい研究テーマだとかは、そういった研究会や学会で実り豊かになることが多いです。
一方、このパーソナルコースは、もちろん実践的志向性がメイン。当然です。ただ、それをとことんまで考え抜くことになるので、必然的に濃密になりますし、アカデミックな視座にとっても刺激的。正解のない問いを考え抜くという点では、通じるところがあるのかもしれません。
繰り返しになりますが、ここでは別に正解があるわけではありません。今期最終回でも、まとまった提案としてカタチになるというのではなく、むしろ「ふり出しに戻った」的なまとめをしてらっしゃる方もおられました。ただ、これは私が言うのはおこがましいことですが、「ふり出し」のレベルがはるかに上がってらして。だから、パーソナルコースでは「こんな提案できました」とかいうのだけがゴールでなのではなく、むしろどれだけ視座&視角(perspective)が拡がったのか、深まったのか、そこが1年間の成果といえるように思います。
その意味で、もしかすると「おっとろしい」(←めっちゃ讃えてます)学びの場であるといえるかもしれません。濃いです。
とにかく、楽しい。愉しい。
メンバーの方々で、今まで同じ時期に同じコースで学びをご一緒した方はいらっしゃいませんでした。でも、すごく楽しかったです。
少人数だったからということもあるかもしれません。ただ、それ以上に「学びを同じくする」という感覚(フルオンラインであるにもかかわらず!そして、どちらかというと対面orientedなXデザイン学校であるのに!)が共有されていたような気がします。
だからこそ、すごく楽しい学びの場。
全員、それぞれに模索しつつ、それぞれの報告からも刺激や示唆をもらえるので、いい加減な報告はできないという姿勢にもつながります。それを感じることができるから、すごく楽しく感じられるんではないかと思います。
浅野先生が、私のTweetにこんな引用RTをしてくださったのですが、ほんとにこれはまったくもって同感です。
毎月の報告準備は大変っちゃあ大変です(笑)
でも、楽しいからこそ、他のみなさんにとっても何か「あっ」(←もちろん、ポジティブな意味合いですw)てなるような思索を展開したいし、何より自分にとっても思索が進展するような報告をしたいとも思うわけです。
ちなみに、パーソナルコースでの思索・報告・議論が、2021年度の企業発展論の講義の改善にもつながっています。そもそもが、Xデザイン学校での学びをベースにして、2020年度から大改訂した科目です。
こういう感じで、自分自身の仕事にもリフレクションできたことも、愉しさの一つでした。
新しい思索の場としてのXデザイン学校大阪分校パーソナルコース。
このパーソナルコースのおもしろいところは、アカデミックにも場を開いてくれている点です。それが可能なのは、サービスデザインという考え方の枠組や言語を共有できているからだと思います。
これまでのベーシックやマスターでの学びも、私にとって、すこぶる得るところが多かったのはもちろんのことです。それなくしては、ゼミでやってる価値創造デザインプロジェクトの深まりもありえませんでした。
その点で、こう引用RTしてもらえて、ゼミのプロジェクトを始めてから5年たって、ようやくまずはここまで辿り着けたかなと、嬉しさいっぱいでした。もちろん、実際のところはまだまだまだまだなところもたくさんですが(笑)
これは、ゼミメンバーにも言うてないことです(し、求めるようなことでもありません)が、ウチのゼミを巣立っていった / これから巣立っていく(未来も含めて)メンバーの幾人か(何人でもよいw)が、それぞれに進んだ実践において、サービスデザインをベースに考え、乗り越えていくことができる課題に直面したときに、Xデザイン学校にベーシックからマスターへと学び進んで、いずれパーソナルコースで実践的思索を深めるようになってくれたらなって、ひそかに思ったりもしています。そして、そのメンバーがいる企業なり、組織体(協働体系)なりを〈脱皮〉させてくれるような人材として「出世」し(←文字どおり、「世に出て」)くれたら、そのとき私の教員としての仕事の一つは成就したといえるのではないかと思ってます。
あ、もちろん、これ以外にもたくさん「世に出る」道のりはあります。だから、全員にそうなってほしいなんて思ってません(笑)
それと、もう一つ。
今までは、こういう学びの場と大学が連携するなんてことはなかったと思います。教員が個々に協働することはありますが。でも、知的蓄積こそが本来かつ最重要なassetである大学と、こういった社会人対象の学びの場が協働することの意義は大きいように思います。その際におそらく留意すべき点はいくつもあるでしょう。けれども、これからは学ぶことと実践することを同時的に展開し続けられる人こそ、価値を創造しうる存在になれると考えています。
あえてコルブの経験学習モデルを持ち出すまでもないですが、これを深化的あるいは拡張的なスパイラルと捉えるなら、これまでの小中高校、そして大学、さらに社会人対象の学びの場も協働しながら、より一人ひとりの人が、さらに社会が「より望ましい」(←当然、これは一つに定まるものではなく、多様な姿としてあらわれます。ここ大事)状態へと展開していけるように歩んでいく***ことも可能になるのではと考えます。
Xデザイン学校大阪分校パーソナルコースは、その可能性を持った学びの場の一つだと、2021年度に参加して、強く確信しています。
何だか話がでかくなりましたが、要はここが「ものすごく濃密で、ものすごく楽しい学びの場」だったということが伝われば、それでこのnoteは十分に役割を果たしたことになります(笑)
浅野先生、佐藤先生、水本先生、そしてパーソナルコースのみなさま、1年間、ほんとありがとうございました!!
今のところ、もう1年くらいは「留年」したいなと考えてます(笑)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?