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二十歳、夏

いや、僅かなはずなのに。何故だろう長く感じる。 節目界でナンバーワンを飾れるほどに大きな印象を持つアラビア数字、20。私がこの世に生を享けて経過した年数。信じられないかもしれないが、コンビニで酒類棚に手を伸ばし、レジに持っていっても何も後ろめたくない。但し年確はされる。気分は坊やのままなのに。大人びた子のはずなのに。もう誰もマセガキと呼んではくれない。 20年なんて、現代人の生きるとか言われてる齢、100歳のたった五分の一しかない。いや結構ある。そんな長いようで別に短くもな

    • 九龍#10 オフレポ

      もう二度と現れないと思っていた春が突然襲ってきた3月29日の早朝、一人の男に大学生生活単位での一大イベントが始まろうとしていた。福岡県で開催されるスマブラの大会「九龍」。修羅の国で開かれるこの大きな”祭”は今回で第10回を迎える。一人の男はその山車に名を、その経験を脳に刻むため、肩掛けのリュックサック一つを背負った。 物語の始まりはいつものJR和歌山駅。ここから天王寺に向かう。これまで二度の戦神白虎と梅田観光、電車に乗るという工程は流石にもう慣れた …はずもなく、早速腹を下

      • 初オフ 戦神白虎

        前日。知らない世界へと足を踏み入れることを決めてから幾許かの月日が経ち、ついに眼前に迫っていた。時刻はまだ日付を超えない頃。いつもならあり得ない時間にも関わらず自らの城は暗く佇んでいた。なかなか沈まぬ眼に焦りを覚えつつ、待ち望んでいたはずの明日という日に希望を抱きながらこの文章を書き留めておく。 当日。学校に行っていた時と同時刻に起床し、今日の段取りを確認する。本日の目的地は大阪は難波。『戦神白虎』というスマブラのオフライン対戦会へ向かう。県外に遊びに行くという試みは、和歌

      二十歳、夏