初めてミネラルウォーターを飲んだ日。
2006年?、小学校低学年の頃。
飲み水から家で作る麦茶まで、タダ同然だと信じて疑わないクソガキ共に衝撃が走る。
ミネラルウォーターの存在だ。
「1本100円の水があるんだって」
「どんな味がするんだ?」
「ジュースより高いらしいよ」
「えぇ、そんなウマいのかな」
みんなして大盛り上がり。
牛乳やジュースより高い水。
一体、どんな水なんだろう。
母親は到底買ってくれるような人ではないし、水1本のために僅かな小遣いを捧げるのも困難なので、隣町の祖父母の家に行ったときオネダリした。
祖母と歩いてすぐのスーパーに行くと、ミネラルウォーターが何種類か置いてあったが、他と見比べても何が違うのか、誰もわからない。
確かロゴがカッコイイとか、北米よりフランスの方が遠そう=偉い などという理由で、小さなEvianを買ってもらった。
持ち帰って早々、Evianをグラスに注いで飲むことにした。
おもちゃを買ってもらえたレベルの興奮の中、注いだ水を観察する。
何か匂う訳でもなく、色が着いている訳でもない。
一口含んで味わってみると?
何となく喉越しが違う。
どこか遠くに、ミネラルらしき風味を感じる(ミネラルが何だかわかっていない)。
おぉ、これがミネラルウォーターか。
なんか物凄いものを飲んだな(小並感)。
水道水とも浄水器の水とも違うな。
もう一度飲んだ。
おばあちゃんも飲んだ。
おばあちゃんには違いがわからなかった。
小さなEvianは330ml程度しかないので、あっという間に底を突いてしまった。
うーん、これで100円か。
翌週に小学校で自慢して以来というもの、ミネラルウォーターとは長い間すっかり距離を置いてしまった。
数年後、大学に上がってびっくり。
大講堂を見渡すと、いろはすと大学水、大学茶のボトルが林立しているではないか。
なんだこれは、たまげたなぁ……みんなしてあのミネラルウォーターを飲んでいるではないか。そもそもいろはすはミネラルウォーターなのか?
とんだお金持ちランドに来てしまったな、と思わされた。彼ら彼女らがお金持ちだったのかは、今も知らない。
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