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クリエイティブの生存条件

4月7日に渋谷ヒカリエで開催されたPLANETS主催イベント「クリエイティブの生存条件」に参加してきた。

モデレーター:高宮慎一氏(グロービズ キャピタルパートナー)

スピーカー:佐渡島庸平氏(コルク代表)、佐藤詳悟氏(QREATOR AGENT代表)、古川健介氏(nanapi代表)、宇野常寛氏(評論家、PLANETS編集長)   登壇者の詳細紹介はこちら

という豪華なスピーカーが「クリエイティブ」とう名のコンテンツの生き残る術を提示するのではなく、その方法を議論するという場でした。

多種多様な方々のディスカッションで面白いのは、それぞれの得意領域の話をしながら、テーマを進めていくにつれて、それぞれの考えが肯定も否定も合わせて解け合っていく瞬間である。多少喧嘩するくらいで、喧嘩で終わらずある程度「解」や「問題点」が明確になるのが聴講者としても楽しめる。そんなことを考えさせられる、あっという間の2時間であった。

印象に残った話でいうと、

•今までのようにみんながコンテンツを買う•読む•触れる、ぼんやりしたマス大衆を作ることができるのか。

•お金を稼ぐには、コミュニティをカルト的に形成することが必要だが(良くも悪くも勝間塾を例示していた)、コンテンツの質を高めるためには、ある程度のマス及び緊張感を持ったコミュニティが必要である(ただ、そこではお金を稼ぐことが困難)。

•正力松太郎が、「白紙の新聞でも持ってこい、売ってやるから」という発言をしていた。これはそこの新聞にどのようなコンテンツが載っているからという次元ではなく、営業力こそが強みであったと。さらに白紙の日にも見てもらうために、巨人戦という強力なコンテンツを作り上げた。          やはり過去の偉人たちがどのように現在のプラットフォームを作り上げたかを知る必要があるな。

このイベントに参加して、改めてコンテンツを生活者に届けることの難しさを考えるとともに、すべてにおいてドラッカーの言う「顧客の創造」を考えてコトに臨めるかということをだと思う。音楽などで体験が流行っており、ライブで稼ぐ時代なんていうのは、何て抽象的な捉え方なのか。そこに消費するヒトがおり、それこそ、その体験をどういうものにするのか。

宇野さんが仰られていた「モーニングをデジタルモーニングにしたから読者がつくわけない」という一言は、まさに生活者のライフスタイルから考えた時にどのような体験をさせることを一所懸命考えるしかないのだと思う。もちろん見られる環境を整えることは大切だと思うが、場所を提供するだけに何の意味もないということである。

タイトルにあるように、クリエイティブの生存条件とは、そこに関わるヒトがどれだけ考え、軸を持って、取り組み、失敗した先にしか、生き残る条件は見いだせないのかもしれない。そこに対して、個人的に傍観者ではなく、積極的に当事者になっていきたい。


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