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【システム屋考】成長 vs 心地よさ どっちを選ぶか問題

成長成長って疲れるんだよ…って思うけれども

ビジネスパーソン(特にシステム屋)の成長については過去こんな記事を書いている。

「常に成長のことを考えてるんですか?」って問われれば、「いやそんなわけねえよ、サボりたい時の方が多いよ!」って感じだが、かといって何も進歩しない状況に耐えられるかって言うとそんなことはない。
そして、一応かつては部下がいたり、今も現場の若手にアドバイスなどをする体験からも、システム屋のキャリアパス・成長についてはどうしても気になってしまうテーマである。

どこまで自分を追い込むか問題

システム屋として日々奮闘していると、「どこまで自分を追い込むべきか?」という問いと向き合う瞬間が訪れる。人間関係の不和(自分だけではなく、メンバ同士の不和も含む)、無茶なスケジュールとの格闘、相次ぐ本番障害、自分の役割をまっとうできない無力感、色々と「限界」を感じたことが何度もある。
そんなとき、スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で語った言葉が頭をよぎる。

「もし今日が人生最後の日だとしたら、今日やろうとしていることは、本当に自分がやりたいことだろうか?」

ジョブズは、この問いを毎朝鏡を見ながら自分に投げかけ、何日も続けて「ノー」という答えが出たときは、何かを変える必要があると語っていた。

先に書いたような肉体的にも精神的にもハードな状況は確かに辛い。
「人生最後の日だったらこんな仕事すぐ辞めてやるよ!」
って言いたくなる気持ちもわかる。
だが、今そういう状況の人からどうすべきか相談されたら、安易に逃げることは勧めないと思う。

特に若手の時期は、心地よい環境を求めるよりも、あえて困難な課題に飛び込んでいくことが、長期的な成長につながるはずだ。
例えば技術的な議論を重ね、時には激しい対立を乗り越えることで、チームの結束は強まり、より良いソリューションが生まれていく—これこそがエンジニアとしての「醍醐味」であるし、今感じる苦労が、チームの成長や、より良いプロダクトの実現に繋がるのであれば、それは「今日が最後の日でもやるべきこと」と言えるのではないだろうか。

それでも挫折してしまいそう…

ただ、大きな目標ばかりに目を向けていると、途中で挫折してしまうリスクもある。
お勧めしたいのは、日々の小さな進歩、例えばチームメンバーとの些細な理解の共有や、小さな技術的な合意形成など、一つひとつの前進を楽しむこと。小さな成功でも全然構わない。
すごい人と自分を比べて自己肯定感を下げるほど馬鹿馬鹿しいことはない。
今すぐ昨日の自分と今日の自分を比較して自己肯定感あげてください!

成長と心地よさ、人生の時間軸におけるバランスは?

長期的な成長のために、困難な課題にチャレンジすることも必要と言ったが、それっていつまでやるんですか問題もある。
人生の最大の目的は幸せと感じる時間を最大化することだと言えるので、成長したけど幸せじゃないというのだと本末転倒だ。

参考:二年前にシステム屋の幸せについて書いていた。

これは人によって答えは異なるとは思うが、目安としては新卒入社10年くらい、つまりはアラサーあたりまではインプットの量・質にこだわって全力投球するくらいがよいのではないかと思う。
20代は体力もあるし、物事を吸収するスピードも速い。
20代であれば、まだ結婚・子育てに入ってない人の方が多いので、自分の時間をほぼ自分だけに使うことができるのも大きい。
もちろん結婚しない選択もあり得るが、今はそう思っていても将来どうなるかは分からないのも人生。病気や親の介護なんかも発生するかもしれない。
要は今の自由に時間を使える状態が、未来永劫続くわけではないという時間の有限性を意識すべきということだ。

もちろん過剰な無理はダメ

もちろん我慢にも適度があることを忘れてはいけない。
本当にしんどい時には休むのも重要だし、あとは周りを頼ることも必要。
むしろ最初に周りを頼ったほうが良い。メンタルを崩す人は、自分で抱え込んでしまっていることが多い。
そもそも、年を重ねると自分ひとりでは何とかならないような、いい感じに周りを巻き込んでやらないといけない仕事が増えてくる。
となれば、うまく周りを使うのも大事なビジネススキルの一つと心得るのが肝要である。

まとめ:ジョブズの言いたかったこと

ジョブズが投げかけた問いは、決して楽な道を選ぶためのものではない。
それは、日々の選択が本当に自分らしいものなのか、自分の人生にとって価値あるものなのかを見つめ直すきっかけとなるべきものだと思う。
特に若いうちは、快適な環境に安住するのではなく、自分を成長させてくれる機会を積極的に求めていく姿勢は重要だ。
ただ、それは闇雲な無理・無茶を推奨するものではなく、長期的な視点で自分の成長につながる選択をしているかどうかを見極めるべしということなのだろう。

皆さんにとっての
「成長 vs 心地よさの最適なバランス」
が見つかることを祈っております。


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