我が家のキジトラさん
以前、我が家の黒猫さんについて書きました。今回は、もう片方のキジトラさんについて記そうと思います。
毛色と性格
ご覧の通り、茶色とグレイの混じった複雑な色をした猫さんです。抜け毛を見ると、一本の毛の中に、黄色・茶色・黒・白・グレイの部分があり、初めて目にした時は生命の神秘を感じてしまいました。(大袈裟。)
黒猫さんと同様に調べてみると、さまざまなウェブ記事において、キジトラは警戒心が強いといった記述がよくみられました。
真偽の程はさておき、確かに我が家のキジトラさんは、慎重で繊細な性格です。
お迎えから1年
4年前に我が家に姉妹で黒猫さんとやってきてくれたキジトラさんですが、彼女との生活は私の手や腕には生傷が絶えない日々でした。
いわゆる「シャーシャー丸」で、全く心を開いてくれませんでした。触ろうものなら、猫パンチが飛んできます。しっかり爪を出した打撃は、ダメージが大きいです。
毛並みが奇麗で、見るからに細くてしなやかな毛皮の感触がどんなだろうと想像する毎日でした。きっとフワフワなのだろうと。
特に私に対する警戒心は、極度に高く、最も深刻な時期は、顔を見るだけでシャーと威嚇されていました。
通院の際に捕まえる時は、抵抗が強く、大変でした。革手袋をし、厚手の服に身を包み、家中を追いかけ回し、なんとか洗濯ネットに入れました。
引っ掻かれ、噛みつかれました。私の右肩には、噛み跡がまだ残ります。抵抗する際には、臭腺から粘液が分泌されたのでしょうか、服も汚されました。
少なくともこの子は警戒心が極めて強い猫さんだったようです。
1年経って
我が家での暮らしが1年になると、私に対する警戒心も少しずつ氷解してきました。こちらもビクビクしながら、指先を彼女の鼻の前に持っていくと、クンクン匂いを嗅ぐ様子。
思い切って、しかしゆっくり、背中に触れると、拒否はされませんでした。互いの緊張感が伝わる瞬間でした。
それからは、不快なことがあったりすると八つ当たり気味に威嚇されたりもしますが、基本的には触らせてくれるようになりました。
慣れって大事ですね。
器用
もう片方の黒猫さんと異なり、ウチのキジトラさんは、器用なようです。いつの間にか、重たい戸を開ける術を身につけていました。
前脚の爪を、隙間に差し入れて、5ミリほど戸があくと、そこに掌を差し入れて、肩と頭で通れる幅を確保します。
主に空腹時、部屋に闖入してくるようでした。
本性
我が家に来て3年ほど経つと、本性を見せ始めました。
神経質だけでなく、シャイだったようです。
人間が就寝中であろうとも、構ってほしい時には、起こしにくるようになりました。
短く鳴いて、付いてくるよう訴えるので、後を追うと、リビングのソファに飛び乗るので、腰掛けると膝に乗ってきます。
ゴロゴロと大きな音を鳴らして、撫で回されること半時間。満足するとまたどこかへ行ってしまいます。
凶暴だった昔を思うと、元々優しい性格だったがゆえに、厳しい外の生活で、警戒心を高めていったのだろうと思わされました。
素の姿を見せられるようになったのは、安心できる暮らしを人間が提供できているからかな、と思います。(自画自賛。)