【#一分小説】適音《第二十一話》
「はい」か「いいえ」くらいは自分で言えますよ。
「はい」か「いいえ」くらいは自分で決めますよ。
ただ、人間自体には言わないですよ。言動だけの話ですから。
そこの地図を持たずに、ただひたすらこっちに来られるけれども、無意識でも追突は追突だから。
「はい」か「いいえ」に「はいはい」と「いやいや」は入ってないですよ。三択になってますよ。
形式は自由思想ですが、内容は全体主義ですよ。
「はいはい」ではなくて「はい」。
「いやいや」ではなくて「いいえ」。
覚えず帰ってね。
(つづく)
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