2020 稲作まとめ 田植え後から稲刈りまで。

田植えから1週間ほどすると、たくさんの草が生えてきた。コナギだ。
無農薬のお米は、この草引きが大切。
とにかく草を引くこと。
そして、草を引くのに田んぼに入ることで、稲の根に空気が入り、根がしっかり育つという。
江戸時代の文献にも記されていたそうだ。

お米の無肥料無農薬栽培を実践して15年。その前は有機栽培を10年されていたという、山形の『究極米』を育てている方のお話会で印象に残った話だ。
お話会は5〜6年前に原宿まで聞きに行き、その夏、稲作にとても興味を持った私は、山形まで田んぼを見せてもらいに遊びに行ってきた。

それから、炭素循環農法でとても野菜を大きく作る友人に出会ったり、不耕起栽培や自然農をする人たちに出会ったり、ブログやフェイスブックにてそれぞれの千差万別なお野菜や稲作の仕方を参考にしたり。

近年では稲を多年草化させた方まで出てきて、無農薬栽培している方々の自然に寄り添った暮らし方や、極上に美味しい食べ物を作ることに憧れた私もついに今年から田んぼデビュー。

お米の種類、土と水と気象条件によって、お米の栽培方法は千差万別。
手植えする人、機械を使う人。(無農薬栽培は重機を使ってもできる。)
それぞれのこだわりの範疇で作り方もいろいろということだ。

正解っていうのはない自己満足的なところもあると思う。
正直言って、採れたての新米は、どれもとても美味しい。
農園の大家さん曰く。
『自分で作った米が一番美味しいんよ』
そういうことだと思う。

田植えから最初の1ヶ月は、草を徹底的に引いた方がいい。
と、聞いていたものの、今年は7月のズーーッと続いた雨やら、田んぼ周りの整備、イノシシ対策でタイミングを失い、草引きが追いつかなかった。

結果。
草引きできたところは、1本植えからの分けつは20本以上わさわさと丈夫に元気に、台風でも横倒しになることもなく、しっかりした稲に育った。
一方、草引きが充分でないところは、10〜15本。
お米の量も少なめだ。

来年の課題。
草引きは、新芽の頃に。
早い時期にしっかり草引きすると、後の草引きも楽になるそうだ。
10年草を引き続けたら、全く草が生えなくなったという田んぼもあるそうだ。

作業。
うちの田んぼはヒルがうろうろしていて、裸足で入ることができず、長靴での作業はかなりストレス。
なんどもバランスを崩して尻もちをついてしまう。
そこで地下足袋を使用することにした。
地下足袋は布製なので、熱い夏でも蒸れず、水のなかが気持ちいい。
泥団子遊びしていた子供の頃を思い出しながら、かなり快適に作業ができた。

移住してからというもの、その快適さにモンペにハマり、始終モンペを愛用しているので、地下足袋にモンペをINして、しっかり防御すれば、ヒルにも噛まれない。
もちろん、地下足袋もモンペもドロドロになるけれど。

土の中には、動物たちの糞尿や虫の死骸もあるけれど、土はそれを包み込むようにみるみる発酵させ循環させ、植物はそれを養分として育つ。
その植物は、汚くない。食べるものはそうして育つ。
自然の生態系の中で育った植物は、強い。しっかりとした根を張り、エネルギッシュだ。
だからこそ自然を大切に。地球を大切に。というのは、言うまでもなく。。

雑草と呼ばれる植物たちにも役割があって、例えば水草は水をきれいにしてくれる。
コナギもそういう意味では、自然に在るものだから、そのままにしているという人もいる。

ただ、やはり、コナギのパワーが強すぎて、稲が負けてしまうのだ。
しっかりした根のものがたくさんあればあるほど稲の根は窮屈になってしまい、土の養分が行き渡らなくなってしまう。

野菜も一緒だ。
種を蒔いて芽が出たばかりの状態は、そこでワイルドに生えている植物には負けてしまう。
また、ワイルドに生えている植物をもっと群生させたい場合は、その植物の周りの草を引いて、生きやすい環境にしてあげる。

木もそうだ。
ツルやコケなどは取り除き、絡まった枝葉を整理して、太陽の光を気持ちよく受けられるようにすると、木はぐんぐんと育ち、よく実が成るように成る。

人も?かもしれない。

10月6日、7日。うるち米2種の稲刈り!
絹娘とササニシキ。
ササニシキは友人の田んぼの苗が余ったとのことで、持ってきてもらったもの。

一反の田んぼのうち、崩落した田んぼは(『田植えまで』の記事)9畝ほどになり、半分はうるち米。もう半分は古代米。

絹娘3畝、ササニシキ1畝半。
ササニシキは泥団子方式ではなかったのと草引きが行き渡らず、分けつはショボショボで、思うほどの収量が上がらず。

10月2日の満月に稲刈りはじめをしたいところだったが、出張のため6日になった。

古代米3種の稲刈りは、稲穂がもう少し垂れてから。

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