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山猫のバックギャモン記 第十四章~UBC舞台裏とDAY1~

こんばんは。遂にUltimate Backgammon Championship、UBC FINAL 2020が終了致しました。この記事を書いている現時点ではmatch8まで放映された状態であり、全ての放映がされておらず口外禁止のためシリーズ全体の内容についてはまだ書けません。その点をまず先に申し上げておきます。これからも放映が毎日続きますので、是非ご覧になっていただければと思います。

UBCについて、二人の最高のプレイヤーが織りなす対局は素晴らしいものでしたし、ハレザ池袋の環境やgalaxyによる放映の盛り上がりを観ていると素晴らしい大会なのだなと思います。そこに携われて、バックギャモンと出会っていて本当に良かったと思っています。自分だけではなく、観戦いただいた方も同じ感想をお持ちなのではないかと想定して、自分しか知らないUBCの舞台裏についても共有してみたいと考えました。

11月某日

2020年11月、僕が幹事のねこまどギャモン部が誕生した記念すべき月です。初回にも関わらず10名ご参加いただき、とても嬉しかったのが半分、無事例会として成立することが出来て安堵したのが半分といった気持ちでした。先に12/19開催を決め次の企画についてのプロットを考えていたところ、いきなりmochyさんから「12/19は大きなギャモンのイベントがあるから開けといてください」とメッセージが届きます。主要な大会はコロナで実施されませんし、かといって中級レベルの私と上位プレイヤーとで練習会を行うということもないと思うので、全くもって何が行われるか見当がつきませんでした。たまたまねこまどギャモン部を12/12に移動できたので、12/19は日程を確保することが出来ました。

すると長文のメールで「UBCの運営をお願いしたい」旨のメールが届きます。昨年UBCが行われていること自体は知っていたのですが、レギュレーションなどあまり詳しくはなかったのですかさず調べます。すると、世界的な規模で行われる大会であることがわかり、また放映されている昨年のUBCの映像がどれもお金のかかっていそうな大々的なものだったので、僕なんかに運営を頼むということは「mochyさんそのキューブはノーダブルなのでは・・・」と思ったことが率直な意見ですw

2020年の1年をかけて赤坂例会をほぼ毎週参加したり、ねこまどギャモン部を始めたり、「赤坂めし」で協力していたことなどが評価されたのかと思いますが「自分がこんな大役を任されてよいのだろうか」と逡巡したことを覚えています。ただ、誰もやったことがないので正解も不正解もないし、ねこまどギャモン部の幹事で多少の運営力もついていたし、よくわからないキューブだったのでとりあえずテイクすることにしました。

食品業界に勤めているため12月は普通に業務が忙しく十分パスもありえたと思います。ですがテイクすることで次の展開がどうなるか?楽しみな局面に思えたため、やはりテイクは正解だったと思っています。

ハレザ池袋にて

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会場は抑えてあるということでしたので、運営として下見にはせ参じます。その時に知ったのですが、、、対局室が和室ということです。日本で開催されるからこそですが、将棋や連珠と比べギャモンは椅子で対局することが一般的です。かなり珍しい環境に思えました。ただハレザ池袋は2019年に出来たばかりとあらゆる施設設備が綺麗で、気持ちよく対局が出来そうだな、と思った記憶があります。galaxyの放映では「テーブル低すぎワロタw」と言われていたようですが・・・w

その下見の打ち上げのなかで、mochyさんがUBCを成功させたいという想いを聞かされ運営としてやる気が出てきたことが思い出されます。企画を盛り上げていこうという話をいくつか進めていくその中で、komalabさんからの提案でPVを作ってみてはどうかというものがありました。酒の場で語っていたので言いたい放題言っていただけかもしれませんが、いろんな案が出てきました。その一つが、「二つ名」です。

mochyさんは長年トップに君臨していることから「絶対王者」といった二つ名がぴったりです。対して上田さんはどうか?輝かしい成績を残していますが、mochyさんと比べバックギャモン歴が浅く、その浅い中トップに躍り出たことで「藤井聡太」なんてワードもあったかもしれませんが、30歳の藤井聡太はイメージがつかないので何かないか・・・という中で私から例の「サイボーグ」を提案しました。つまりサイボーグは池袋産なのです(笑)

その時は感触としては「う~ん・・・」というようなものだったと思いますが、今としてはかなり受け入れられたようで成功だったと勝手に思っていますw

運営としての準備

12/19にはDAY1を迎えるといった状況で時間がないということだけは認識していました。ただ何も決まっていない中、運営も未体験ということでTODOリストを起こすこと自体が難しかった。PV撮影のインタヴュアーとして何を質問するか、観戦者の予約の方法、口外禁止に関する誓約書の準備、解説会の料金や特典、解説会余興などなど・・・この準備期間がとてもしんどかった。自分の負担を軽減する意味合いもありますが、少しのことでも報連相を行い同意のもとに進捗を進めていきました。この辺は社会人として仕事をしていることとほぼ同等のように思え、営業として生きてきた経験値が活きた気がしています。

ただ、コロナ禍による状況が高く立ちはだかります。予約のページを開設したのは良いものの、一向に予約が埋まらない。予約ページを何度も何度も何度も確認しては予約が来ていない・・・予約が来ない・・・予約が来た!!!!みたいなことを勝手に繰り返していました。また12月に行われた四谷例会で直接打診をしたりしましたが、「最近になってコロナ増えているから・・・」みたいな生の声を聞いてしまい葛藤しました。自分が解説会を宣伝することでコロナ拡大の一端を担ってしまう可能性があるのではないかとも思ったりはしました。ただ、それでも多数の参加者にお越しいただき本当に嬉しかった。本当に本当に感謝です。

DAY1スタート

対馬

12/19、当日までにやれることはやったつもりで池袋に向かいます。Komalabさんにより「本当に素人ですか?」という具合の設営が行われていき驚嘆しましたね・・・解説会の映像も問題なさそうで、そこは連珠や将棋、ギャモンの名人戦や盤聖戦などで撮影を経験してきたことが大きいのかと思います。ですが一体いくら投資しているんですかね・・・(笑)

当日解説者は日本のバックギャモンのトップクラスの方々に担当いただき、運営としてとても心強かったです。日本一のギャモンVtuberの池谷さんは時折会場の笑いを誘うような話術で会場を盛り上げていただきました。UBCの挑戦権を決める決勝で上田さんと戦った解説巧者景山さんは会場の皆さんに質問するような一体感を演出していただきました。望月さんと日常的に行動を共にしUBCに向けても何度も練習を行ってきた横田さんの切れ味鋭い解説もすごかった。

特に、2017年王位戦の動画を何度も観ている身としてはあの景山さんの解説の聞き手を出来て本当に嬉しかったです。嬉しさのあまり直接本人に言ってしまいましたwただ運営のことに脳のメモリを使っていたり直前で仕事が激忙しかった疲労からあまり饒舌に喋れていなかったことは悔しかったです。なので、DAY1の対局内容はあまり頭に入っていません。一度動画で観ているのですが、もう少し繰り返し観るようにしてみます。

余興については、「ニアピン賞」を実施していました。二人のDAY1のPR平均を予想し最も近似値を予想した人に賞品を与えるというものです。われらがぴえたんが受賞し、自分のことのように嬉しかったですね。本人が記念写真をお願いしていたのが何より可愛かったw

そして自分がDAY1で一番印象深かったのは、なんといってもMatch4です。ここに至るまで7Pマッチ×3を行っており普通なら疲労を感じる時間帯です。ここまで高PRを記録し続けてきた上田さんにまさかのテイクパスでのエラーで400点のエラーが生まれます。

このエラーに対し横田さんは「このMatchでPR対決が逆転することはない」と言い切っていたものの、その後難しい局面を迎え両者の持ち時間がほぼ無くなった状態で望月さんに致命的なエラーが発生、なんとPR勝負が逆転します。そのまま流れをものにした上田さんがMatchを制し、DAY1のポイントは望月さん2-上田さん6と一方的なものとなりました。

この対局が終わった直後に対局者インタビューを行ったのですが、なんとも言えない雰囲気に包まれたことが印象的です。絶対王者が勝敗及び内容でも後塵を拝すことについては、将棋で羽生九段がタイトル戦に登場する際、初日にわけのわからないような暴発で一方的に攻め続けた結果攻めが切れて負け、「羽生終わったな」という世論に似通っているような何かがあるような気がしました。このまま並行した結果で進めば上田さんのタイトル奪取もあり得るのではないか・・・と思いながら、DAY1をクローズしました。

DAY2はどうなるのだろうか…運営としても全く分からないままDAY2の準備をしていくことになりますが、自分が出来ることを一つ一つやっていくしかないと思い事を進めていきました。

DAY2に関しては、次のnoteで書いていきたいと思います。

では、おやすみなさい(泥酔)



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