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山猫のバックギャモン記 第二十三章~春の風物詩 裏名人戦七番勝負・覆

すみません、かなり間隔が空いてしまいました。ここ最近は天候も悪くなんだが気持ちまでどんよりしてしまいますね。引っ越しして新居の居心地はとても良いのですが、梅雨シーズンはどうも不調です。

そうして体に溜まったケガレを元に戻してくれる、ハレな存在のギャモンがあって本当に良かったと思います。相も変わらず、日曜は必ず赤坂に行っていますしね。

前回からの続きを書きたいと思います。

第三局 赤坂 ホテルニュークイン

第二局で約1年ぶりの勝利を掴んだ山猫。気を緩めることなく、次局に挑むこととなる。

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本シリーズは1ゲーム目から激しい展開となり難解な局面が多数出る傾向。このマッチも同様だった。乱戦の末若干リードした山猫、チョイスのないこの41から6ゾロを振られ7Pのブロットをヒット、2ポイントを埋められるという苦しい局面に。しかし果敢に43を振りダブルヒット。次の出目次第ではツーグッドもしくはダブルパスになりそうだったが、森内さんは当然のように5ゾロで覆してくる。山猫が並みの目を振った後におかわりの5ゾロ。

3連続有効なゾロ目を振りピンチを悠々と乗り越えてくる、まさに覆す力である。

しかし最終的にはこちらも6ゾロを振りダブルパスで1点を先取した。

2ゲーム目はまたしても山猫のミスだ。

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21ポイントのブロットを逃げたほうが相手のポイントオンの出目を減らしている。それどころか、21/10のほうがこちらも4ポイントを作りやすい。振り返ると単純な理由だ。こうした緩みを森内さんは見逃さず、的確に62を振り咎めてくる。

その後森内さんは鉄板流がごとき、ブロットを1枚も出さずに盤石のダブルパスを奪取。スコアは4a-4aとなった。

3ゲーム目はこちらが劣勢の状況で突如としてチャンスが来た。

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図の局面から白がダブル。確かに青のアンカーは6距離が止まっているので絶望に見える。しかし白のバックマンも2枚捕まっており、16Pのブロットをヒット出来れば嬉しいが、デカゾロや並の目だと形勢は互角以下になる余地がある。小考の後テイクしたが、この後の64が難しかった。

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ヒットで相手の手を止めるのと同時に、22Pのアンカーが孤立してしまう。ここではバックギャモンの勝利条件である「駒をゴールまで進める」という目的から遠ざかり、あえて後ろに戻させてもらい、ボードのクラッシュを防ぐことが必要だ。こういったプレイは実戦では指しづらく、まだ上位レベルに至れていない稚拙さを痛感する。このゲームを落とし4a-2aとなった。

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4ゲーム目。スコア状況が芳しくないため、果敢に攻めていったが指しすぎだったようだ。ここはじっと13/11(2)6/4(2)が正解。スコア状況を無視しても、スタックを解消するという大目標であることと、白が次の目でブロットを隠しきるのが難しく、ブロットが残った際はヒットチャンスも拡充する。

そしてこのエラーを的確に咎める5ゾロでのエンター。このマッチで2回もジョーカーな5ゾロエンターを振られ、まさに覆す力を痛感した一局だった。その後盤石の差し回しでマッチを落とすこととなった。

第四局 赤坂 ほほえみの宿 クインの湯

第四局までの星取りは1勝2敗。苦しい局面の山猫はここで勝利し星を戻したいところだ。今までの1ゲーム目から一転して、比較的緩やかに、徐々に優勢を拡大してきた局面。

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この局面で2分くらい固まっていたかもしれない。巧みな4のデュプリケーションに戸惑い、全くベストがわからなくなってしまった。最終的には「インナーにブロットを残さない」という方針で着手したが、7/1 7/3*もイーブン。いずれの手も善悪があり差が良くわからない局面だった。

この後は青のベアオフでブロット発生、精確にヒットされリダブルパス。序盤から2点を失う苦しい展開となった。

ここまでの内容ではこちらのミスはあるものの大抵の場合で青が優勢の局面となっていた。そこから抜け出したかと思いきや逆転されるという展開が続いている。

バックギャモンで勝ち切ることは本当に難しいと思う。優勢な局面でも一転して敗勢になるし、その逆もしかり。将棋や囲碁とも通ずるが、一手のミスが局面を大きく左右してしまう。しかし、こう何度も積み上げてきた優勢が一瞬で破壊されると、盤面が呈しているもの以外の大いなる何かが働いているとしか思えない。

そう、「流れは完全に森内」なのだ。

このマッチはその後盛り返せず、森内さんの圧勝に終わった。

これで1勝3敗となり、夢の「森内チャンネルに一般男性として出場」という目標から大きく遠ざかることとなった。

しかしそれでも、「絶対にすしざんまいポーズをやりたい」という強い意志で前に進んでいくのであった・・・

to be continued...


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