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山猫のバックギャモン記 第十六章 ~全てのギャモンファンが見守ったDAY3~

こんばんは。UBCの放映も全て完了し、UBCに関する全日程は終了しました。これまで運営として色々なことに携わって来ましたが、まず申し上げたいことは対局者のお二方に対してです。本当に本当にお疲れさまでした。

そしてこれまで数々の刺激的で、難解で、最高のゲームを見届けてきた立場としては「終わってしまったんだな」という一抹の悲しさのようなものもあります。悲しみに明け暮れているばかりでは仕方がないので、今回の数々の名プレーを自分のプレーに取り込めるようにしていきたいと思います。また、来年のUBCについても楽しみに待ちたいと思います。

また観戦会参加者の皆様へは、観戦を楽しんでいただく条件として誓約書へのサインを強いてしまいましたが、最後の放映まで守秘義務を貫いていただき感謝でしかありません。ギャモナーの皆様を最初から信頼しておりましたが、それがまた改めて強固になりました。

さてDAY3に至るまでも色々と裏話があるので、まだ酔いが回らないうちに書いていきたいと思いますw

ZOOM観戦会開催に向けて

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DAY2は、動画を見返すたびに感じることですが上田さんにとって不運な展開になることが多くまた彼にとって納得できないプレーもあったようでさぞ臍を噛んだことでしょう。逆に望月さんにとっては王者の貫禄故か、DAY1での劣勢を跳ね返す展開利。そして無数の難解なキューブをほぼ間違えない。中級者の自分の感覚とは全く違うものがあり凄みを感じました。

そしてスコアがタイの8-8になったことでDAY3が最低でも3MATCHになることが確定しました。この時点から、ZOOM解説会を実施しようと決断します。

ただ仮に1MATCHで終わるスコアになっていたとしても、何らかの形でお伝えできるようにしていたかもしれません。とにかく、この素晴らしい試合を全てのギャモナーに届けたいという想いがありました。

ただ、ZOOMの観戦会を主催するなどということは今まで経験もなく、確認事項は多岐にわたりました。ただ、いっぷくでの観戦会で聞き手を務めたことで観戦会のおおまかな流れのようなものを把握していたこと、赤坂ZOOM道場が開催され、そこに参加したことでZOOMでの解説がなんとなくイメージが付いたことがスタートラインに立ちやすくしたと思います。

現地解説会で培ったスキームがあったので、予約ページの作成や誓約書の準備は問題ありませんでした。実はGoogle Formsに触ったのは初めてでしたが、様々な方から情報を徴収させていただくのにとても便利なツールで非常に役立ちました。参加した皆様、誓約書へのサインありがとうございました。

解説者への出演打診も私からお願いしました。日ごろからいぺちゃんねるを観てきて日本一のギャモンVtuberだと信じている池谷さんにお願いしたところ、DAY1DAY2の状況やUBCのレギュレーションを説明する資料を作成いただきました。ハレザ池袋の現地で初めて資料を作成いただいたことを知り、この細かなサービスにはしびれました。

景山さんはDAY1の解説を担当いただきましたが、その後UBCが気になっていらっしゃった様子だったこと、今まで数々の名解説があることから打診させていただきました。2017年王位戦の解説を聞いている人は、景山さん解説と聞いて気になったのではないでしょうか?

お二方へは事前の打ち合わせも経てから観戦会に参加いただきました。本番以外でもお時間を割いていただき、ありがとうございました。

DAY3に向かう

朝起きてまず「今日で終わってしまうのか」と思ったことが印象的です。雨の池袋はいつもより寒く足取りは重かったですが、最後までやり切ろう、ZOOM解説会を成功させてやろうという気持ちは勇んでいました。

DAY2に引き続き会場の使用時間が時短されていたことにより、今回もコマラボさんの設営の時間が短くなり多大なご協力をいただきました。なんとなく「まぁ慣れてますから」みたいな雰囲気すら感じて本当にアマですか?と思ったのが第一感ですw

対局者同士が会場に到着してからは、お二方のモチベーションも違ったものがあると感じました。対局室ではこれまでより静謐な雰囲気が漂っていました。印象的だったのは対局が始まる前に望月さんが祈りを捧げていたことです。普段の赤坂では見られない雰囲気にこのゲームへの意気込みを感じました。

そうして対局が始まりました。同時に観戦会も始まり、現地でその様子を見守っていました。解説者の方とのリハーサルではyoutubeをZOOMで共有したところ上手くいっていたので、最初の1ゲームで予想以上にカクついてしまったことが悔やまれます。咄嗟の判断で、限定公開していたyoutubeの対局動画を皆様に共有しました。これは情報漏洩のリスクもあったのですが、参加者の皆様を信頼して断行しました。

Match2からはZOOM共有をハレザ池袋から実施することでカクつきは解消したかと思います。この後は運営としては安心して見れましたが、DAY2時に出来たかもしれないリハーサルが必要だったのかなとも思い、至らなかった点は謝罪申し上げます。

解説者のお二方の解説も抜群の安定感で聞いていて無事進行したようで安心しきっていました。それにプラスして、自分は真横に横田さんがいたので景山さん池谷さん以上のものを独り占めしていました・・・(笑)

対局についてはDAY2に引き続き上田さんが苦しく、Match10に関しては望月さんのスクープ。Match11に関してはPRレースが極めて僅差になりXGの++の解析結果次第でMatch12の展開を左右するといった拮抗した展開となり、この頃は皆様に対局映像を共有出来て本当に良かったと思っていました。

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↑Match11終了直後の様子

誰が見てもしびれるような押し引きで、二人の絶対に勝ちたいという感情がひしひしと伝わってきました。二人とも全然ダンスしないし、強烈なヒットもあったり、気持ちが出目に乗っているような気がしていました。

最終ゲーム

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そして迎えたMatch12。スコアは望月さん12、上田さん10。平均PRでは上田さんが上回っており、勝利の女神がどちらに転ぶか本当にわからないアツい展開。この日お馴染み?となった望月さんの祈りは他のゲームより入念に行わていました。このDAY3に至るまで、日本の有数のプレイヤーと何度も練習をしてきたことを知っていた私は、絶対王者でありながらも全く気を抜かずギャモンに打ち込む姿勢に感嘆していました。上田さんに関してもDAY2の課題を修正してきたはずであるということはDAY3を観てきて感じ取ることが出来ました。

展開としては、1ゲーム目から難解。望月さんがとらえたチャンスにすかさず4倍のリダブルを打ち、ゲームを制します。その後上田さんから積極的なキューブを打ち2ポイントを返すも、次のゲームで優勢を逆転され望月さんの1a-5aのクロフォードに。圧倒的に望月さん優勢ですが、試合展開は本当にどちらが勝つかわからない拮抗したものでした。上田さんがクロフォードゲームを意地でしのぎ、最終ゲームとなった望月さん1a-4aのゲーム。

最後の最後で望月さんのバックマンが上手く逃げ切り、勝利が確実になった時点で突然マッチ勝ちという現実を思い出すという浮遊感を感じました。ベアオフの6ゾロでそれが確信的になったときは、今まで運営として色々なことを対応してきたこと、多数の苦労があったことや二人の素晴らしいプレイを見届けられたことなど色々なことがプレイバックして涙腺にキていました。

歓喜の瞬間

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ゲームが終わった瞬間のことがとても印象的でした。これは完全な裏話なので、ここで書くことで知った方がほぼ全員であると思います。あのクールそうで普段不愛想な感じの横田さんが、対局者の二人が頭を下げた瞬間両手でガッツポーズをしていました。インタヴューでも望月さんが言及していましたが、一緒に住んでいる横田さんの協力があったからこそ達成できたと。同じように横田さんもその達成について感極まったからこそ、そんなガッツポーズをされたのだと思います。そして対局終了後にお二人が対峙した際は「スラムダンク」の山王戦の流川、桜木の感動的なシーンと同じようなハイタッチがあり、真に二人の絆を見たような気がしました。真横で見ていて、本当に感動したシーンでした。

上田さんはもう少しで栄冠を掴むところで敗戦したものの、対局終了後はなんとなく晴れやかな表情で、「やれることはやった。今回やれなかったことはまたやればよい」と感じ取れるような爽やかさがありました。対局中はサイボーグでも、いざ終われば好青年すぎる姿に一層ファンになったことは言うまでもありません。

おわりに

かくして、UBCの全日程が終了致しました。これまで運営として数々の方のご協力をいただきながら、自分の不備もあったものの無事最後まで全うすることが出来ました。全くもって一人では達成できなかったことですので、ご協力をいただいた方には感謝でしかありません。観戦会を実施してからは反響も大きく、直接私に「観戦会を実施してくれてありがとう」といった言葉をかけていただいた方もいました。緊急事態宣言により先行き不透明な中で実施した観戦会でしたが、本当に実施してよかったと思います。

運営を受けた11月から最終局まで、祭りのような2か月でした。様々な方にご協力をいただいたこと、様々な方に良いものを届けられたことは一つの自分の糧になりました。どうすれば皆さんが楽しめるか葛藤した期間ではありますが、今後の自分のギャモン人生に大きな影響を及ぼしたことは間違いありません。

XGも正解というかわからない「対馬に運営打診」というダブルを打っていただいた望月さんには感謝しかありません。そしてそのダブルをテイクできて、本当に幸せでした。ギャモンを初めてたったの2年ですが、こんな体験が出来たのは誉です。それを噛みしめて、締めの言葉としたいと思います。

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!ではまた。

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