やまねの塒日誌|vol.41|2024年度上半期のふりかえり②
こんにちは!地域の空き家問題に立ち向かうべく、大山のふもとでリサイクルショップ|やまねの塒(ねぐら)|を開きたい、ヤマネ大好きテライです🐭⛰
今回は2024年度上半期の活動のふりかえり、第二弾!
ということで、おもに空き家調査やイベント出展を通じて感じたこと・考えたことを綴っていきたいと思います。
2024年度上半期の活動一覧はこちら。
今回は長いです。駄文ではありますが、ぜひお付き合いくださいませ。
|空き家問題の現場に触れて思うこと|
◆ 今がいちばん新しいんです
空き家利活用を担う地域おこし協力隊として着任して以来、役場の空き家担当者の方にくっついて、空き家調査や空き家バンクの内見などに同行させていただくと同時に、空き家に関係するさまざまな立場の方々からお話を伺ってきました。
そのなかで強く感じたことは
「家は、今がいちばん新しいんです!」
ということ。あたりまえだけど!
一度家主が不在になってしまった家は、刻一刻と傷み、数年後「そろそろ空き家バンクに登録してもいいかな〜」と思う頃には、住むには修繕に多額の金額が必要なくらいになってしまい、残念ながら入居者も決まらず、傷みの程度によっては空き家バンクへの登録が困難になってしまうケースもあります。だから、
「空き家は一刻もはやく活用されるのが吉!」
◆ 空き家をとりまく大山町の現状
…と、言葉で言うのは簡単。
大山町には不動産会社はありませんが、役場の空き家バンクがその役割を担ってこられました。
さらに空き家問題の普及啓発に関しては、移住やまちづくり関連を担う機関の先輩移住者さんが、とてもとても熱心に携わっておられます。
それでもやはり、空き家はじわじわと増えている一方で、なかなか市場に乗ること(こういう言い回しでいいのかは分かりませんが…)は難しく、移住希望者の方とマッチするような物件はなかなか見つかりにくいという現状が未だあります。
◆ わたくしごととして
かく言う長子である私も、他県にある一軒家の実家を出て、嫁いできてしまいました。車で片道4時間、30代のいまなら余裕で運転できますが、数十年後それができるかどうかはわかりません。
いざ、実家が空き家になったとき、すぐ人に手渡すことができるかと問われると、元気よく「ハイ!よころんで!」と答えることは、今のところできない気がします。生まれ育った家ならなおさら、愛着があります。
今はいいけど、のちのちのことを考えると、似たような状況の方は、意外と多いのではないでしょうか?空き家問題は、老若男女関係なく、決して他人事ではありません。
◆ |やまねの塒|が担っていきたいこと
「家」のことって、とても大切で、すごく大きな課題だと思うのです。
そこに暮らしてこられた方々の人生を含むようなプライベートでデリケートなお話なので、他人の土足は厳禁。だからこそ、難しい。
そもそも、こんな田舎の、こんな古くてボロい家、住みたい人がいるの?
そう思うと、大量の荷物を片付ける気力も湧きにくくなってしまうのではないかと、お察しします。
そんな大変なときに、少し他人の風が入ることで、救われることがあればいいな。
そんなふうに思い、空き家のお片付けをお手伝いしつつ、その後の活用が促進できるような役割を担いたいと、今のリサイクルショップに近いような活動をはじめました。
ゆくゆくは不動産業をはじめて、より具体的に力になりたいと思っています。
|イベント出展について|
◆ ターゲットと経緯
さて、これまでの話をふまえて本題です。
過去にどこかに書いているかもしれませんが、わたしたちのイベント出店においておもなターゲットにしているのは、近い未来に空き家所有者になりうる世代の方々です。
(もちろん、どんな世代のかたでもウェルカムなのですが!)
私は、古いものを見ると、わたしは「レトロでかわいい」と感じます。
それから、そのモノの背景にある時代や暮らしに想いを馳せるのも好き。
「あれ?わたしと同じように思ってくれる人もいるのでは⁈」
ということで、古道具に対する反応が知りたいと思い、イベント出展をはじめました。(所謂、マーケティング?というのでしょうか)
出展を通して素敵な古道具に触れてもらったり、わたしたちとお話したりすることで、空き家にに興味のある人もない人も、ついでにご自身のお家のことに少しでも思いを馳せてもらえれば。お若いうちから少しでも頭の隅の潜在意識の中に落としておいてもらえたとすれば。
いざという時、どうするか?
行動できるスピードが違ってくるのではないかと考えています。
◆ 出展内容の変遷
初めての出展は、古道具ではなく、自分の元からの得意分野である「ヤマネ」や「いきもの」に関するミニミニ博物館&図書館でした。
これまで出展というものをあまりしたことがなかったので、まずは自分が流暢になれることをテーマに。
そこから、誰でもが気軽に立ち寄れる「飲食」の出展もやってみました。
テーマは「わたしの暮らしのおすそわけ」ということで、毎年つくる梅シロップや日常的に淹れている・作っている、コーヒー類・マフィンなど。特にマフィンは、地域の旬のものを混ぜ込んでできるので、ゆくゆくは市場に乗らない農産物などを買い取ってレスキューするという形で使わせてもらうことができればいいなあと考えています。
以降、都合が合えば、できるだけ古道具と飲食とをあわせて出展しています。
そうすることで、古道具に関心のないかたにも気軽に立ち寄っていただくきっかけをつくっているつもりです。
◆ 出展してみた結果、きになる数字は…⁈
イベント出展回数:18回(2023/5/21〜2024/10/12)
内容内訳:体験 1回/古道具のみ 9回/飲食のみ 3回/古道具&飲食 5回
地域内訳:鳥取県 大山町 11回/大山町外 4回/兵庫県 3回
販売点数:古道具 160点/飲食物 244点
販売人数:古道具 79名/飲食物 211名(述べ人数)
【ここからは、古道具の販売に関して】
・地域のはなし
地域別販売点数:鳥取県 大山町 42点/大山町外 66点/兵庫県 52点
地域別平均販売点数:鳥取県 大山町 6点/大山町外 17点/兵庫県 17点(1イベントあたり)
・性別のはなし
性別:女性 118点/男性 42点
地域別女性の購入割合:鳥取県 大山町 48%/大山町外 82%/兵庫県 85%
・年齢のはなし
年齢別販売点数:〜10代 1点(1%)/20〜30代 63点(40%)/40〜50代 55点(34%)/60〜70代 26点(16%)/80代〜 15点(9%)
地域・年齢別販売割合:
鳥取県 大山町 〜10代 0点(0%)/20〜30代 9点(21%)/40〜50代 11点(26%)/60〜70代 7点(17%)/80代〜 15点(36%)
大山町外 〜10代 1点(2%)/20〜30代 27点(41%)/40〜50代 28点(42%)/60〜70代 10点(15%)/80代〜 0点(0%)
兵庫県 〜10代 0点(0%)/20〜30代 27点(52%)/40〜50代 16点(31%)/60〜70代 9点(17%)/80代〜 0点(0%)
数字だけそんな並べられても…
という感じだと思いますが、現状で公開できるのはここまで。
しかも、イベントの規模やコンセプトなどによって数字はまちまちすぎるので、こういったデータの出し方が正しいのかどうかはわかりません。
年度末にはもう少しデータが加わると思うので、そのときにまとめてみたいと思います。
◆ 大山町内では売れねぇっ!
あたりまえなんですけどね。だって、ありきたりですもの。
地元での出展は、売ることは前提としておらず、むしろ「えー!こんなの売れるの⁈ウチにもあるわ!」という反応を引出したい。
実際、出展中に立ち寄ってくれたおばあちゃんが、一度家に帰られて
「これ、よかったら次に繋いで!」と、素敵な古道具を手押し車パンパンに持ち込みレスキューしに再度来てくださったことがありました。
ちゃんと魅せるって、大切だなあと実感した出来事でした。
「こげなもん!」と捨ててしまうものの中には、それに価値を見出してくれる人もいるよ!ってこと、ちゃんと伝えていきたいなと。
振り向いてもらえるまで、根気強く魅せていきたいと思います。
◆ 値段の付け方で意思をみせる
まだ、値つけに自信がなかった(まだまだ勉強中)ころのこと。
値つけをせず、投げ銭で販売してみたことがありました。(大元のイベントのコンセプト的にも投げ銭でした)
きちんと価値を認めてくださった上でお支払いしてくださる方ももちろんおられましたが、「安くでよかったら、買うわ」と、数十円とかで大量に買っていかれるかたも。
でもそれって、本当に大切に使ってもらえているのだろうか?
でもそれって、ちゃんとレスキューしたことになるのだろうか?
それはそれで、次につながってよかったのかな、と思いつつ、その時のことは今でもずっとひっかかっています。
そのお客さまのことや、フリーマーケットを否定したいのでは全くなく、わたし自身のあり方を問うきっかけでした。いい勉強でした。
きちんと値つけをすることで、わたしは「大切に使われてきて、私も大切にレスキューしたんで、大切にしてくださいね〜!」と意思表示をする。我ながら、圧がすごい。でも、その圧が、本当に気に入ってるかな?必要かな?と、お客さまに考えてもらうきっかけになる。
そしてその想いが伝わるならば、大切にしてもらえるだろうし、ひとつひとつそんなふうに、大切に送り出していきたいと思っています。
ちょっと高飛車に聞こえるかもしれないけど、それがつなぐ者の責任。
あの日の反省から、今はそんなふうに考えています。
|まとめ - ヤマネのようにフッ軽に|
ちゃんと、需要がある場所で、需要があるかたちで居ること。求められたときに、役に立つ行動ができる土台があること。大切。
いや、まあ、あたりまえですよね…ハイ…
でも、いろいろと不完全なまま活動していて、ほんとにそう思います。
この先、活動拠点やお店を持ちたいと思っていますが、日々ねぐらを求めて空き家(巣)を転々として旅するように暮らすヤマネのように、いろいろフッ軽なリサイクルショップでありたいですね。
まだ、始まってもいません。