カメラを向けるとき
人にカメラを向けるとき、
実はとても緊張している。
相手の人との関係性が構築できていないうちは
できるだけ、カメラを向けないようにしている。
カメラを向けることで、
相手にどんな負荷を与えうるのか
気をつけるようにしている。
考えすぎかもしれないけど。
あと、その場の雰囲気によっても同様で。
静かな場であったり
その場の人たちの集中力が高まっている場では
シャッターは切らない。
その音や、動きのせいで、
せっかく美しくピンと張り詰めた空気が
破られてしまうような気がするし、
私自身も、カメラで撮るよりもまずは
自分自身の五感全体でその場を楽しみたい。
でも、どうしても残しておきたいときや
記録として撮っておかないと
いけないときもある。
そんなときは、瞳に写った景色そのまんまで
まばたきひとつで静かに
シャッターが切れたらいいのにな。
写真を撮るという行為は
なんとまあ、繊細で神聖なことだろうか。