【ワークあり】年収ってどうやって決まるのか?
◆この記事を読んで得られる知識
◆この記事を特に読んで欲しい方
こんにちは。やまねです。
突然ですが、皆さんは将来年収いくら欲しいですか?
これを子供達に聞くと面白い答えが返ってきます。
私が子供達と関わり始めた2000年代半ばには「いっぱい稼ぎたい」「1億円!」など、元気よく答える子が多かったです。
※因みに年収1億円以上の人は0.036%、日本に24000人弱いると言われています。
これが2010年ごろから少しずつ様子が変わってきたように思います。
彼らの話を聞いていると「そんなにたくさんにいらない」「500万くらいでいい」と答える子供の割合が増えてきました。
これは「お金をたくさんもらうと、その分仕事が大変」「ブラックな環境で朝から晩まで働かされる」というような印象を持っているから(もっと言うと周りの大人がそう教えるから)かもしれません。
つまり近年になると、子供達の間でも「労働の大変さ」と「年収」は等価交換だと思われるようになってきました。
果たして本当にそうなのでしょうか?
私は必ずしもそうではないと思います。
もちろん年収1億を超えるような方々は例外なくハードワーカーですが、「肉体的にも精神的にも非常に大変な仕事」をしている方々でも年収300万、なんてケースはザラにあります。
反対に肉体的にはそこまで大変ではないのに年収800万〜1000万みたいなケースもたくさんあります。
果たして年収というのはどうやって決まっているのでしょうか?
実は年収の決まり方を知ることで「自分が将来どんな仕事について、どんな人生を描きたいか」を考える大きなヒントになります。
というわけで、今日は「年収」についての話をしていきます。
◆年収は「4つの要素」で決まる!
まず年収の高い業界と聞くと、どんな業界を思い浮かべますか?
「商社」「コンサル」「金融」「インフラ」「広告」といった業界がぱっと浮かんだ方はお金についてのリテラシーが高い方ですね。
ここで絶対におさえてほしいことですが、皆さんが給与をもらう以上、必ず誰かが「商品」を買ってお金を払ってくれているということです。
そして給与=年収に大きく影響するのは次の4つの要素に分かれます。
あなたの年収を決める4つのポイント!
一つずつ見ていきましょう。
①商品単価 →売っている商品の値段が高い
例えば個人と企業では、お金持ちの割合はどちらが多いでしょうか?
これは圧倒的に企業ですね。
皆さんが自分で1000万円の買い物をするのは一生のうちでも数えるほどですが、企業が会社の発展のために1000万円を支払うというケースは非常に良くあります。
よって、企業=法人向けの仕事の方が給与が高くなりやすいです。「商社」「コンサル」「金融」などがこの代表ですね。
また、商品の値段が高いという意味では「不動産」「金融」や大きな情報システムなどを作成している「IT通信」系の企業も給与は高くなる傾向がありますが、会社や個人によってばらつきが大きいです。
②参入障壁 →参加してくる企業が限られている
その商品を提供できる会社が限られている場合も年収が高くなりやすいです。
なぜなら「価格競争が起きないから」です。
例えば、あなたが簡単に作れるものを誰かが1000円で売っていて、皆がそれを買っていた場合、あなたはどうしますか?
もし950円で売ったら飛ぶように売れるかもしれない、しかも自分がそれを簡単に作れる。よってあなたはそれを売り出したところ、飛ぶように売れた。
ところが他の人が今度は900円でそれを売り出した。あなたは負けないように次はもっと安くして・・・参加する人間が多ければ多いほど、こうして価格はどんどん安くなっていきます。
参加できる人や企業が限られている業界ほど、価格は高くなりやすく、年収も高くなります。
例えば国が参加できる企業を限定している交通や電力などの「インフラ」系企業や、楽天が参入したり政府が業界再編を進めたりしている「通信業界」はいまだに年収は高めですね。
③粗利率 →商品を用意するのにお金がかからない
支払うお金を決めるもののうち、大事な考え方が「粗利率」です。
これは簡単に言うと「その商品がいくらで売れて、さらにその商品を用意するのにいくらかかるか」を表した数字です。
例えば、皆が大好きなラーメンは作るのにいくらかかっているでしょうか?
お店で食べると700〜1000円くらいかかりますが、あの一杯を用意するのにかかるチャーシューや麺、スープの費用は高くても平均200円程度と言われています。つまり差額の500〜800円(60−80%)が粗利になると言われています。
粗利率60%を超えるラーメン屋というのはほかの業種と比べてもかなり高いです(単純比較はできませんが、自動車業界の粗利率は15~20%と言われています)。
粗利率の高い業界としては商品を用意するのにお金がかからない、「コンサル」や「広告」業界が挙げられます。
※因みに日本でラーメン屋が多いのは皆が好きだからというだけでなく、「儲けやすいからたくさんの人が参入している」というのもあるのです。
④在庫量 →商品が無駄にならない
これは③粗利率とも重なる考え方ですが、在庫が少ないというのも大事なポイントです。
在庫が少なければ少ないほど「商品が無駄になる可能性が低い」です。
例えば、魚屋を例に考えます。売れ残ったさんまをずっと置いておくとだんだん味が落ちて、いずれは腐ってしまいますよね。腐ってしまえばだれも買わないので0円になります。また少しでも腐るのを遅くするために冷蔵庫に入れたりすれば、冷蔵庫の電気代が余計にかかります。かといって在庫を減らすために、さんまを10人分だけしか用意しない魚屋は、11人目以降のお客さんやイカを買いに来たお客さんを逃してしまいます。
つまり「お客さんが欲しいと思う商品を、ほしいと思う分だけぴったり用意する」ことができれば、在庫は無駄にならず、すべてが売り上げにつながります。
究極は「在庫が存在しない」ことです。そんな業種があるのかというと、先ほど書いた「コンサル」「広告」業界などがまさにそうです。基本的に「人」そのものが商品なので、在庫が存在せず、粗利率も高いため、年収が高くなりやすいです。
他にも在庫が存在しない職種としては「人材紹介」や「学習塾」などがありますが、参入障壁が非常に低いため、日本では飽和しています。
※人材紹介の軒数は日本に2万、学習塾は4万以上あるといわれています。
以上、この4つの観点で仕事を見ていくと「年収が高くなりやすい業界」と「高くなりにくい業界」というのが見えてきます。
もちろん今のご時世では「年収が高くなりやすい業界」でも、世の中の変化によって、高年収が約束されるわけではなくなりました。
※直近では政府による通信業界の改革が行われています。今後KDDIやNTTといった高年収の通信会社も、その年収が約束されなくなっていくでしょう。
反対に「年収が高くなりにくい業界」でも、新たな技術を使うことで年収を高くすることができるようになってきています。
だからこそ業種ごとの「お金の仕組み」を理解して、その中でどう自分が仕事を選んでいくかを考えることが重要なのです。
大変に残念なことですが、日本では一部で「お金を稼ぎすぎることは悪いことだ」と教えられている現状がまだまだ存在します。
私は「お金とはだれかからの感謝を形にしたものである」と考えます。あなたが用意してくれた商品に対して誰かが「ありがとう」という代わりにお金を渡してくれているのです。
そうしてお金が動くことで世の中は回っており、人々は生きていけるのです。ぜひ皆さんも「お金の流れを覚える」第一歩として、この記事を読んでもらえれば幸いです。
◆この話に興味がある方・保護者の方へ
あるWEBページのURLを貼っておきます。今日お伝えした4つのポイントを踏まえながら「なぜこの業界は年収が高いのか」を4つのフレームを使って考えていくとリテラシーが上がると思いますので、ぜひお子様と一緒にやってみてください。
それでは終わります。ありがとうございました。