何もないところからキャリアを描く(年収300万の塾講師のキャリアアップ論①~塾→ヘッドハンター編)
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◆この記事を読んでほしい人
こんにちは。やまねです。
今日は自分の今までの職歴を振り返りながら、「年収の上げ方」「転職エージェントとの上手な付き合い方」と「自分のキャリアの強みの作り方」について書いていきます。
転職活動で悩んでいる方、自分の強みがわからない方にとって何かのプラスになれば嬉しいです。
①塾業界・人材サービス業界のリアルな年収の話
最初に、私の生活費の話を簡単にさせてください。
新卒1社目は予備校講師からキャリアをスタートしました。自分で望んで選んだ仕事でしたが、入ってみてなかなか生活が大変ということに気づきました。
初任給は320万程度(それでも業界では高い方でした)、週1休みで深夜まで日付が変わるまで働くような忙しい職場でした。
よって朝昼はコンビニで夜も外食が多く、時間がないときは勤務時間外で自腹で高速に乗って帰宅する、みたいな生活をしていました。
(やりがいはあり、当時の上司や同僚はすごくいい人たちだったので、5年経った今でもすごく感謝しています。)
一日当たり食事代で約2000円+高速代で約1000円×週6日勤務だったので、「俺、コンビニとNEXCOのために働いているじゃん(笑)」みたいなことをぼんやり考えたこともありました。
当時は毎月の貯蓄はほとんどなく、年に1,2回の長期休みに旅行に行くと、その月と翌月末はお金が無くなって「コンビニの食事をカードで払ってしのぐ」みたいな生活をしていた時もありました。
5年以上勤めたのですが、最終的には年収400万程度でした。
その後、29歳で転職するのですが、ここで大きな転機を得ました。
転職支援サービスの法人営業に転職したのですが、そこで初めて「インセンティブ」という、成果を出すことで年収が上がる仕組みの威力を知りました。
※転職支援サービスを選んだ経緯は別記事で書きます。
この時の入社時の年収は400万でしたが、一定以上の売り上げ目標を達成するとその粗利の20~30%がインセンティブとして支払われる、という仕組みでした。
例えば売り上げが半期で2000万で、そこから自分の年収や広告費などを差し引いて1000万円の粗利があるとします。その場合、その20%=200万円がボーナスとしてドカンと支払われる、みたいなイメージです。
今まで約20万円の手取りで細々生きてきた私にとってこの仕組みを聞いた時は衝撃でした。
結果的に新卒時から現在の会社に入社するまでの間に、私の年収は以下のように変容します。
新卒入社時320万→7年目で400万→転職で400万→インセンティブ獲得で700万
→現職への転職で同程度の年収+@
現在の日本においては、転職時の年収は前年度の源泉徴収をベースに決まることが多いため、上記のようなテクニックがまだまだ役に立ちます。
ただ、同時に「これは気を付けないと破滅するな」とも感じました。
これは転職支援業界の「不」ですが、下手をすると転職希望者を「モノ」のように扱い、売り上げのために無理やり転職させる、みたいなことが発生します。そうなったら候補者からも企業からも信頼されない、いわゆる「焼き畑営業」になると思いました。
転職支援の事業所数は日本に約20,000弱あると言われています。
※詳細気になる方は、少し古いデータですがこちらのHPをご参照ください。
この業界は売り上げ単価・粗利率・在庫量の観点で非常に利益が出やすく、参入障壁も低いため、日本には2万を超える事業所があると言われており、まさに玉石混交です。
※詳細気になる方はこちらの過去記事をご参照ください。
②自身のキャリアにおける「何もないところからの強みの作り方」
私は塾で働いていたためビジネス知識が全くありませんでした。
名刺の渡し方も知らず、よく使われるビジネス用語も全く知らなかったためです。
他に法人営業を経験していた同僚や先輩方より明らかにスキル不足でした。
※最初の研修で「アジェンダって何ですか?」と質問して、場の空気が固まったのを今でも覚えています(笑)
そのため、まずは活躍している先輩たちにいろんな話を聞きまくろうと思いました。
ただ、活躍している先輩ほど忙しく、また職人肌で厳しい方もいたため、何の準備もせずに無条件で教えてもらうことは出来ません。
最初のころは「何言っているかわからない」「ちゃんとまとめてからもう一回きて」と突き返されまくりました。「頭悪いな」など、それこそボコボコに言われました。
その中でも価値ある情報を教えてもらうためには「しょうがない、こいつには教えてやるか」と思ってもらう必要があります。
そのため試行錯誤しながら、2つの戦術を編み出しました。
タイトルだけ書くとちょっといやらしく聞こえるかもしれませんが、簡単に説明します(笑)
※因みによく言われる「当たり前」のことも入っているので、既に出来ているという方はさらっと流してください。
⑴挨拶と下調べで「かわいげ」をつくる。
→何もしない状態では、面識もほとんどない先輩たちに「しょうがない教えてやるか」みたいに思ってもらうことはありません。そこで以下のことをやろうと思いました。
・まずきちんと挨拶して顔を覚えてもらう
・そのうえで「すいません、○○社の課題について自分で調べてみたのですが、どうしても現場感がわからず、先輩の考えをお聞きしてもいいですか?」みたいな形で壁打ちを繰り返す。
⑵「情報わらしべ長者」になる。
→上記の下調べについて、最初の頃は外れてばっかりでしたが、そのうち「○○の会社の情報あったら教えてよ」みたいなニーズを言ってもらえるようになり、ヒアリング精度が高まっていきました。
候補者から話を聞いて、その中で先輩方が知りたそうな情報をまとめて「○○さん、こないだある候補者の方からこんな情報を聞いたんですが、役に立ちますか?」みたいなコミュニケーションを繰り返しました。
すると価値ある情報を教えてもらえるようになり、今度はそれを候補者の方にも還元できるようになり、さらに価値のある情報を教えてもらえる、というような「情報わらしべ長者」状態になっていきました。
これを半年続けると、ビジネス知識0の私が徐々に企業の課題について語れる(ように見える)状態になりました。
また、ある先輩と話す際には「塾講師ってとにかく保護者や生徒の話を聞くのやってたんでしょ。だったら聞くのを徹底してみたら?」ということを言われ、「もしかしたら話を聞くことが自分の強みなのかな?」など、自分の強みが人に言われることでぼんやり見えてきました。
自信をもって自分の強みを見つけるための最速の方法は
活躍している人を真似る×成果を出す×自分の経験を足す
この掛け算だと学ぶことが出来ました。
③転職活動でエージェントを選ぶ際に使えるテクニック2つ
さて、そんな形で徐々に仕事を覚え、チームリーダーにもなった2年目の夏頃、2度目の転職につながる大きなきっかけが3つありました。
⑴人事制度変更によりインセンティブ制度がなくなる。
当時の私の年収は700万程度だったのですが、4割近くがインセンティブだったため、制度がなくなると200万程度年収が下がります。
当時結婚を考えていた私にとってはかなりの痛手でした。
⑵自分自身のスキルアップの「頭打ち」感
また、上記の制度改革により、活躍している先輩たちはどんどん抜けていきました。それに伴い「自分の中で得られる知識・経験」が徐々に少なくなっていく感覚を受けました。
⑶景気動向の変容
上記は2018年夏ごろの話なのですが、ちょうど米中貿易摩擦により各種景気動向指数が悪化していた時期でした。
当時可愛がっていただいていた一人の先輩から以前に、
「不景気になると求人が一気に減って砂漠みたいな状態になる。自分を指名してくれるような企業を複数持っている人は生きていけるが、それ以外の奴らは皆死ぬぞ」みたいなアドバイスもいただいていました。
上記3つから考えて自分自身も転職活動をしようと決意し、活動を始めました。
※自分が持っている企業をメンバーに全部渡すことで砂漠状態での生存確率を上げたかったというのもありました。
さて、転職支援する側から、支援される側になるにあたり、エージェントとうまく付き合うために以下の2つを意識しました。この2つは非常に再現性あるテクニックなのでよければ参考にしてください。
⑴複数のエージェントを利用する
⑵三つの情報源を利用する。
⑴複数のエージェントを利用する
この理由は「転職における情報ハンドリングを自分が行えるようにするため」です。
先ほど書いた理由により、転職エージェントはどうしても玉石混交になります。また、候補者起点で考えてくれるエージェントでも、以下の理由により、どうしても売り上げを重視するバイアスがかかりがちです。
上記二つは「複数のエージェント」を利用することでハンドリングすることが可能になります。
→例えばエージェントから「今月中に決めてほしいと企業側が仰っています」や「これ以上待つと良い求人が出てこないですよ」みたいな話があった際に、
「実は別のエージェント様から求人を紹介されており、そちらを見ないと決められないんですよね」という伝えることで、強引なクロージングを防ぐことができます。
エージェント側としても「無理やり進めたら他社様に決まってしまう」という別のバイアスがかかるため、無理なコミュニケーションがなくなります。
更に選考途中のタイミングでも「他社様と比較しないと決められないため、選考ペースを揃えたいのですが」という話がしやすくなります。
⑵三つの情報源を利用する。
転職に関する情報は以下の3種類から得たほうが質の担保がしやすくなります。
この理由は「それぞれから得られる情報が異なる」ためです。
求人媒体を使う理由は以下のからくりがあるためです。
私は上記3つを使いながら、最終的に自己応募の求人媒体で現在の仕事に決めました。
教育領域の事業開発のポジションだったため、面接の際には「教育の現場を知っているバックグラウンド×法人営業としての成果×リーダーとしての仕組みづくり経験」を伝えました。
この三つができる人間は同世代の候補者群でもそんなに多くありません。
自分がそれぞれの会社の中で「成果を出す」「そのためのポイントを自分の中で体系化して話せるようにする」を意識して続けてきた結果、自分の希少価値が上がっているという実感を、この転職活動を通じて得ることが出来ました。
まとめ
この記事が皆さんにとって何かの役に立てば幸いです。
ありがとうございました。