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Eternal Sunshine of Spotless mind について
みなさんは映画が好きでしょうか。私は、映画鑑賞が趣味とは言わないまでも、映画を見ることは好きです。基本的に、映画のポスターでそそられたものや人の紹介、映画紹介系SNSアカウントが取り扱った映画しか観ないですが(つまり知識はない)、先日渋谷にある Bunkamuraル・シネマにて公開されている「Eternal Sunshine of Spotless mind」を観てきました。ふと、ラフにこの映画を見た感想を共有したいな、と思ったので、このノートに書きます。ネタバレありです。
兄の紹介でこの映画をみたので、名作と呼ばれていることやあらすじなどの前情報を一切頭に入れずにこの映画を観たので、驚きの連続でした。また、驚きの中でこの映画の特徴的な構図やストーリーの秀逸さ、メッセージ性などにどんどん惹かれ、劇中にのめり込んでいきました。私がこの映画を観ていて面白いと思った点を以下の3点に絞って挙げたいと思います。
①恋愛映画と見せかけたローSF映画
②カットや美術等の構図
③映画からのメッセージ性
①恋愛映画と見せかけたローSF映画
序盤のシーンやポスターで、てっきり恋愛映画だと思い込んでいた私は、記憶関連の描写が出てきたあたりから違和感に気づきます。特に説明もなしに記憶消去の施術がでてきて、かつ説明もなしにスッと頭に入ってくるところが既にこの映画が名作であると物語っています。また、記憶の中を逃走するシーンでも、顔無しの人間、空から降ってくる車、ちっちゃくなる主人公など通常の恋愛映画では出てこないようなシーンをあげたらキリがありません。しかし、2人の愛し合った奇跡を示すシーンでは恋愛映画っぽいど直球の物が出てきたり、SF要素と恋愛要素がとても良いバランスで混じっていて最後まで飽きずに劇中に引き込まれていきます。
②カットや美術等の構図、ストーリーの展開
この映画はいわゆる「センス系」映画のような色味の美しさや綺麗で惹かれる構図に溢れています(例えば記憶の中でパトリックとスタンの会話を主人公が聞き部屋の中で彼らを探すシーンでは、彼の頭身とテレビの映像がリンクしています)。その一つ一つに意味があるかはわかりませんが、斬新な構図や美術、撮り方など他の映画では味わえないエンタメ的な(映画ならではの)楽しみがあります。
また、ストーリーの展開も特殊で、映画序盤に時系列的に最後のシーンを持ってくることで、記憶を遡る映画の展開に整合性がうまれています。
クレメンタインの髪の毛の色もこの映画の面白い仕掛けですよね。時系列が飛びがちなこの映画で、どの時点でのシーンなのかを表す重要なパーツになっています。私には彼女の髪の色はそのまま彼女の心の状態やジョエルとの関係値を表しているように思え、説明的な要素なのにしっかりと登場人物と結びついています。細かいところまでしっかりと作り込まれており、何回も噛み締めることができる映画になっています。
③映画からのメッセージ性
最後に、この映画からのメッセージ性について書きたいと思います。この映画は一体何が伝えたかったのでしょうか。私は「トラウマとの向き合い方」だと解釈しました。
愛の終わり際には、これまでの2人の歩みが無駄なものだったり、消してしまいたい記憶として感じられるかもしれません。しかし、その思い出に目を向けてみると楽しかったこと、嬉しかったことに溢れていることに気付くでしょう。結果としてなくなった愛でも、確かに2人の間で育まれたかけがえのないものなのです。
いかがでしたでしょうか。私は映画についてあまりに無知なので、間違っていることも多々あると思いますが、このノートをみてこの映画を鑑賞していただく人が1人でも増えたら幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
Yamanba