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市民と学生でつくるフリーマガジン「甲州らいふ」をご紹介します。

甲州市の人や暮らしを伝えるフリーマガジン「甲州らいふ」。2015年から発行され、2021年度で第11号になります。この冊子づくりに山梨県立大学の学生もご一緒させていただいています。

このなかに学生が気になったテーマを取材するコーナーを設けていただいています。今回、3年生の根上英さんが見つけたのが「ベジ食べるKOSHU」という取り組みです。冊子の発行に先立って、根上さんの記事をご紹介します。

甲州市には「ベジ食べるKOSHU」という甲州青年会議所が推進しているプロジェクトがあります。このプロジェクトは、ベジタリアンやヴィーガンの人たちを街全体で受けいれようというものです。ベジタリアンは肉や魚などの動物性食品をとらない人のこと。これに加えて卵や乳製品もとらない人のことをヴィーガンといいます。その方たちが甲州市を訪れた時に安心して飲食店で食事ができるようにと様々な取り組みをしています。詳しい取り組みについて、このプロジェクトに携わる3名の方にお話をお聞きしました。

ベジ食べるKOSHUの発起人は、小鳥居正恵さんです。イギリスで3年間
暮らした経験があり、外国人にベジタリアンやヴィーガンが多いことを身
近に感じていました。そういった方たちが安心して甲州市に訪れていただ
けるようにこのプロジェクトを立ち上げました。現在、市内の76事業所が
プロジェクトに参加してくれています(2021年11月13日時点)。取り組み
のひとつとして、お店の入り口やメニューに貼る菜食主義対応店というこ
とが一目でわかるステッカーを作成しました。

「甲州市内のベジタリアンやヴィーガンは若年層に多いのかと思っていましたが、50代、60代と長年ベしたが、50代、60代と長年ベジタリアンの方がいらっしゃジタリアンの方がいらっしゃることを知りました。『お友達が長年ベジタリアンだから、今度いっしょに出かけたい』との声をあちらこちらで伺いました」(小鳥居さん)

2年目となる2021年度は、同じく甲州青年会議所の菊島直紀さんの発案で、ベジタリアン・ヴィーガン向けのメニューの開発を支援しています。

「メニューを開発するにあたり、どんな食材が使用できるか教えてほし
いという声があったので、豆腐屋さん、パン屋さん、製麺所、八百屋さん
にも声をかけました。これがきっかけで、地元の食材を使うという意識が
芽生えたと思います。甲州市内の色々なお店とつながることができたこと
も、メニュー開発をやると決めた時には全く想定していなかったいい結果
でした」
(菊島さんと小鳥居さん)

キッチンカー「SOP」でヴィーガン向けメニューを提供している荻原佑季子
さんは、ぶどう園を拠点にタンドリーチキンやカレーなど大人から子供まで
楽しめる料理を提供しています。このプロジェクトを知り、ヴィーガンの方にも優しいスムージーなどを提供することにしました。

「ワインのイベントに出店した際には、おつまみに野菜ピクルスを提供しました。『食べられるものがあってよかった!』というお声をいただきました」(荻原さん)

今回の取材を通して感じたことは、甲州市で暮らす全ての方、甲州市を訪れる全ての方を大切にしたいというみなさんの強い思いでした。「ベジ食
べるKOSHU」はそれを体現しているプロジェクト。どんな人も取りこぼさないよう、各所に工夫をして丁寧にプロジェクトを進めていったのだなという印象を持ちました。取材での出会いをきっかけに甲州市の様々な魅力をもっと深掘りしてみたくなりました。

取材・文:根上英(山梨県立大学国際政策学部3年)

ネタを探して、お話を聞き、写真を撮り、編集を考える。なかなかできない体験を得られる貴重な機会となっています。取材にご協力いただいたみなさま、ご指導いただいたみなさま、ありがとうございました。

まもなく発行される「甲州らいふ」第11号が、少しでも多くの方の手に届くことを願っています。

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文:兼清慎一(山梨県立大学 広報委員)