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山梨県立大学国際政策学部への出願と入試の準備のポイントをご紹介します。

山梨県立大学国際政策学部に関心を持ってくださり、ありがとうございます。令和4年度入試につきまして、出願と準備のポイントを三点、ご紹介します。

評価のポイント

入試では、採点基準のようなものがあります。アドミッションポリシー(=入学者受入方針)と言います。こういう人に本学部で学んでいただきたいという考え方を言葉にしたものです。面接等の準備にあたっては、このアドミッションポリシーに沿って説明する練習をしておきましょう。

山梨県立大学国際政策学部のアドミッションポリシーは以下のとおりです。

【知識】知識をその文脈を含めて理解し、知識同士を関係づけている。
【思考】みずからの知識に基づき、またそれを捉え直しながら、新たな事柄を推論し、その過程を表現している。
【実践】多様性を尊重しながら他者と対話し、創造的な問題解決に主体的に挑もうとしている。

解説しましょう。

まずは、①【知識】「知識をその文脈を含めて理解し、知識同士を関係づけている。」についてです。

みなさんは、いろいろな知識を身につけていると思います。その説明が「私には〇〇の知識がある」というだけではもったいないです。「□□を理解するために〇〇の知識が生きると思う」(文脈の理解)「〇〇の知識は△ △に生かせる」(関係付け)といったように「〇〇の知識が、なぜ必要で、どう生かせるのか」というところまで掘り下げてみましょう。

次に、②【思考】「みずからの知識に基づき、またそれを捉え直しながら、新たな事柄を推論し、その過程を表現している。」についです。

例を挙げてご説明します。私(広報委員・兼清)は今、こうして大学の広報を担当しています。では、大学の広報とはどういうものなのか。本を読んだりネットで調べたり人の話を聞いたりして、みずから知識を得ます。それに基づき、大学の広報とは「効果的な情報発信だ」と考えます。それを捉え直します。「効果的な発信とはどういうこと?」「伝えるべき情報とは何?」と捉え直していきます。そして新たな事柄を推論します。大学の広報とは「ありのままの姿を丁寧に伝えることではないか」と推論します。そう考えた過程を表現します。それは「多くの方に受験していただくことも大切ですが、なにより入学した学生のみなさんが、自身が主役となって取り組みたい学びをイメージできるようになることだ」と考えたからです。たとえば、以上のような考え方がアドミッションポリシーの【思考】です。

最後に③【実践】「多様性を尊重しながら他者と対話し、創造的な問題解決に主体的に挑もうとしている。」についてです。

問題解決の前に「創造的」という言葉がついています。なぜなら、みなさんの前に現れる問題は、きっとこれまでの常識では解決できないものだからです。常識を知ったうえで、それを超える勇気、それを捨てる勇気が必要とされるのです。そのためには多様な他者を尊重すること、多様な他者と対話することが欠かせません。多様な他者との対話と主体的に挑む勇気がどのようにつながるのか。ぜひ考えてみてください。

学部の特長

本学部の特長とご自身の将来像を重ね合わせてみましょう。本学部でどのような学びをしてみたいか、その学びを通じて、卒業時にどのような自分になっていたいかを想像してみましょう。

本学部の特長は以下のとおりです。

①多様な学びに挑戦し、将来の道を探ることができる。
②地域や海外で実践しながら、少人数教育で専門性を深めることができる。
③プラスアルファの学び=免許や資格の取得に挑戦することができる。

学部の特長①〜多彩な学び

本学部の教員は、30名います。その専門は以下のとおりです。これを見ていただくだけでも、いかに多彩な学びが可能かをご理解いただけると思います。大学で学びながら、自分のやりたいことや将来の道を探るチャンスがたくさんあります。

自治行政・自治体財政、政治学・行政学・公共政策、地域振興、会計学、国際経済・アジア経済、環境経済・地域経済、環境社会学、行政法・憲法・環境法、社会学(理論・情報)、国際関係(アジア・太平洋)、Language Testing、英語・国際政治、経営学、日本語教育・語用論、観光まちづくり・地域開発・国際協力、中国史・中国経済・アジア事情、中国近現代の思想と文化・中国文学、情報通信・情報ネットワーク論、国際開発・国際協力、アメリカ演劇・戯曲、中国語・言語学、日本文学・比較文学、メディア論、観光サービス・知識創造、イギリス文学・イギリス文化、英語・ビジネス、中国哲学・中国語、教育学(国際教育開発論・教育哲学)、英語学

一方で、幅広い学びには、浅くなってしまうかもしれないという弱みがあります。そこで、それを克服するために、専門性を深めることができる仕組みを取り入れています。

学部の特長②〜少人数教育と実践

「少人数制」と「実践」。これが本学部の専門性の深め方です。2年次からは、コースと専門領域とゼミナールを選択して学びます。指導教員を選び専門的な学びを深めるゼミナールは、教員ひとり当たりの学生数が5人程度です。本学部の学生は、自身が深めたい研究テーマを定め、文献を読み込み、調査をして、試行錯誤を重ね、18000字以上の論文を書き上げて卒業します。そのための力をしっかり身につけていただきます。

本学部は、学生が地域や海外の現場でみずから行動し体験する「実践」を重視しています。実践型の科目を履修することが学位取得(=卒業)の条件となっています。地域での実践科目は「地域実践入門」「地域実践演習」「地域理解演習」です。キャンパスを出て、地域に足を運び、多様な人びとと協働し、対話しながら体験を増やしていただきます。海外では「外国語現地演習(英語、中国語)」「海外インターンシップ」という科目を用意しています。海外で実践するための奨学金制度も用意しています。自分で行動し、自分の五感で体験した学びはかけがえのないものです。

この少人数制と実践は、本学部の強みだと自負しています。

学部の特長③〜プラスアルファの学び=免許や資格等の取得

本学部では、資格や免許等の取得につながるプラスアルファの学びを用意しています。通常のカリキュラムの科目を学びながら取得できるように工夫しています。強制的なものではないにもかかわらず、多くの学生が挑戦しています。

ご紹介しましょう。

「山梨県地域通訳案内士」という国家資格を受験できるプログラムがあります。

山梨県地域通訳案内士は、山梨県を訪れた外国人観光客に外国語でガイドをする国家資格です。この資格は外国人向けに観光ガイドをするだけではなく、国際的な仕事をしたいと思っている方にも最適です。通訳や翻訳など、実際に外国語を使って活躍している方もこの資格を取得しています。副専攻課程を修了すると、資格の取得に必要な研修が免除されます(資格を取得するには、別途、試験に合格する必要があります)

カリキュラムに「地域通訳案内士」のプログラムを組み込んでいる(=受験資格が得られる)のは、全国の4年制大学で山梨県立大学だけです(2021年4月1日現在)。早ければ2年生のうちにこの資格を取得する学生もいます。

詳しくは、こちらのWEBサイトをご参照ください。

日本語教員養成課程は「日本語を母語としない人に日本語を教える」教員の養成課程です。

「国内外で日本語教師として活躍したい」とか「地域のニーズに応じた日本語教育人材として活躍したい」など、ご自身のキャリアプランやキャリアデザインに合わせて、日本語教育に関する知識を身に付けていきます。

主専攻課程(国際コミュニケーション学科のみ)と副専攻課程(総合政策学科・国際コミュニケーション学科どちらでも履修できます)があります。
学生からは、自身が使う言葉や日本語について改めて振り返るきっかけになるという声も聞かれます。

詳しくは、こちらのWEBサイトをご参照ください。

本学には多様な留学サポートがあります。(留学は今は難しいですが)。「国際教育研究センター」という専門部署が、留学制度の案内から、語学、奨学金の取得まで手厚くサポートしています。

長期留学には、交換留学と協定大学への派遣留学があります。交換留学の対象となる大学は、6つの国・地域であわせて10校あります。派遣留学の協定大学は、6か国あわせて8校あります。

短期留学には3つのタイプがあります。①大学の授業に参加する(「国際理解演習」「海外インターンシップ」)。②協定大学で行われる短期留学プログラムに参加する。③留学斡旋業者を通して自分でプログラムを探して参加する。

留学の奨学金には、文部科学省の「トビタテ!留学JAPAN」や「山梨県大村智人材育成基金」などがあります。こうした奨学金を獲得して留学した学生がたくさんいます。本学独自の奨学金制度もあります。奨学金の取得については、国際教育研究センターの職員や担当の教員がサポートします。

詳しくは、こちらのWEBサイトをご参照ください。

教員免許を取得することができます。

中学校教諭一種免許状「英語」と高等学校教諭一種免許状「英語」は、総合政策学科の学生も国際コミュニケーション学科の学生も取得できます。
中学校教諭一種免許状「国語」と高等学校教諭一種免許状「国語」を取得できるのは、国際コミュニケーション学科の学生です。

学生がキャリアをつくりあげていくための特別な教育プログラム「VUCA時代の成長戦略を支える実践的教育プログラム(COC+R)」があります。

VUCAとは「Volatility (変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)」の略で、これからの時代がそうなるであろうということを表す言葉です。社会人と共にキャリアについて学び考えるプログラムです。学生からは、多様なプロフェッショナルの方々に刺激を受け、学びのモチベーションが上がるという声が聞かれます。

詳しくは、こちらのWEBサイトをご参照ください。

学科の選択

総合政策学科、国際コミュニケーション学科、それぞれの特長を理解し、ご自身の志望を重ね合わせて、選択してください。

あえて違いを言葉にするなら、総合政策学科は「地域、まちづくり、政策、ローカル+グローバル、観光(まちづくり)」、国際コミュニケーション学科は「言語、文化・異文化、コミュニケーション、グローバル+ローカル  観光(インバウンド)」でしょうか。

それぞれの学科で①選択できるコースと②取得できる免許等に違いがあります。

2年次から3つのコースの中から一つ選択して、専門的な学びを深めていきます。選択できるコースに違いがあります。

「地域マネジメントコース」を選択できるのは、総合政策学科の学生です。「国際コミュニケーションコース」を選択できるのは、国際コミュニケーション学科の学生です。
「国際関係・観光メディアコース」は、総合政策学科の学生も国際コミュニケーション学科の学生も選択できます。なお、それぞれのコースには定員があります。

詳しくは、こちらのWEBサイトをご参照ください。

取得できる免許等に違いがあります。

中学校教諭一種免許状「国語」と高等学校教諭一種免許状「国語」を取得できるのは、国際コミュニケーション学科の学生です。中学校教諭一種免許状「英語」と高等学校教諭一種免許状「英語」は、総合政策学科の学生も国際コミュニケーション学科の学生も取得できます。

日本語教員養成課程・主専攻を履修できるのは、国際コミュニケーション学科の学生です。
日本語教員養成課程・副専攻は、総合政策学科の学生も国際コミュニケーション学科の学生も履修できます。

最後に、国際政策学部でどのような学びができるのか、どのように学んでいただきたいのかについて、橋本憲幸先生(国際教育開発論、教育哲学)が新入生を対象とした「国際政策入門」の講義で配付した教材をご紹介します。ぜひお読みください。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

最新情報は、大学のWEBサイトをご参照ください。

また、在学生や大学の様子は、こちらのnoteのマガジンをお読みください。

みなさんにお目にかかれるのを、教職員・在学生一同、楽しみにしています。

文責:兼清慎一(国際政策学部・広報委員)