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1年生と初のフィールドワークに心があたたまりました

山梨県立大学国際政策学部では、1年次から『地域実践入門』という地域実践活動型のゼミに入ることができます(ゼミとは少人数で研究テーマを掘り下げる授業です)。私、兼清の一年生ゼミでは大学に届けを出して、今年度初めてのフィールドワークに出かけることができました。行き先は日蓮宗の総本山、身延山です。

フィールドワークの目的のひとつは、地域で活躍する魅力溢れる方々に出会うことです。本日は、身延山門前町の活性化に取り組んでいる宿坊『覚林坊』の遠藤史哉さんにご案内していただきました。

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まず訪れたのは、門前町入り口付近にある築90年の古民家『迎賓館えびすや』です。遠藤さんたちの手で、文化財のようなたたずまいの古民家を、一棟貸しの滞在施設に改装しました。

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はじめに遠藤さんから身延山の現状と町おこしのプランを聞きました。日蓮宗の総本山といえども、信徒の高齢化の影響などもあり、参拝客や宿坊の宿泊客が大幅に減っているとのこと。そこで門前町の空き施設を少しずつ改装したり、宿坊間の連携を深めたりして、世界中から人が集まる「祈りの町づくり」に取り組んでいます。途中、ランチをつくってくださっていた女将の樋口純子さんも町への思いを語ってくださいました。プロジェクトは「次の世代への投資だ」とおっしゃっていました。

お話のあとは、隣に開設するカフェの試作ランチをいただきました。

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この笑顔

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庭を見ながらたそがれる若人たち

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おなかを満たしたあとは、門前町を見学しつつ久遠寺に向かって、坂をゆっくりとのぼっていきます。

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ようやく三門にたどり着いたと思ったら、、、
壁のように立ちはだかるこの階段、、、287段、高低差100メートル。

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その名は「菩提梯(ぼだいてい)」。悟りの世界への階段という意味だそうです。「こんなに階段を登ったのは小学生以来」という学生さんもいました。みんなでなんとか上りきって、御堂と境内を散策しました。

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おみくじに一喜一憂するみなさん

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境内には秋に咲く桜も

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久遠寺を後にして、『覚林坊』へ。『覚林坊』は、身延山中興の祖とも言われる第十一世法主の日朝上人がおよそ550年前に開山しました。徳川家ともゆかりが深く、「日朝堂」は徳川家寄贈の御堂です↓(遠藤さんの解説です)

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色鮮やかな御堂が日光東照宮と似ているな、と思ったら、同じメンバーの手によってつくられているそうです。

その後、場所を本堂に移し、身延山でどんなことに取り組んでみたいか、自由に話し合いました。「マップやパンフレット、スタンプラリーをつくろう」「写真集をつくる」「久遠寺スイーツをつくろう」「覚林坊に国内留学しよう(外国人スタッフが2名います。2019年のお客さんの4割は外国人でした)」「身延町周辺の特産品のセレクトショップをつくろう」。現場を感じたからこそのアイデアが次々と出てきました。すでに遠藤さんのプロジェクトに参加している地元の一年生は、カフェの立ち上げに向けた具体的な提案をしてくれました。学生の、みなさんは帰りのバス停に行くまでの間でも、これからやってみたいというアイデアをたくさん聞かせてくれました。

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たった半日のフィールドワークでしたが、熱意あふれる方の言葉に触れ、町の歴史と空気に触れ、仲間のアイデアに触れ、「何かやってみたい」という気持ちに火がついたのかなという印象を持ちました。

授業は原則すべてオンライン。入学以来初めて顔を合わせたという学生もいました。まだまだ油断できない状況が続きますが、人に会い、現場に足を運ぶことの楽しさは大切にしたいと改めて感じました。

以上、国際政策学部の教員、兼清慎一が書きました。僕も遠藤さんや『覚林坊』のみなさん、そして久しぶりの学生との交流に心があたたまりました。韮崎市の温泉につかって帰ったので、心身共にあたたまりました。