入り口はひとつ。出口は無限!
みなさん、こんにちは。2022年10月19日、山梨県立美術館の『縄文―JOMON―展』を訪問してきました。『縄文―JOMON―展』では、県内各所に所蔵されている代表的な土器や土偶が一堂に会しています。私は時間を忘れるほど作品に没頭し、充分に楽しむことができました!そこで私なりの視点で美術館の楽しみ方、そして私の印象に残った作品についてご紹介します。
美術館の楽しみ方① 作品たちの違いを楽しむ
一つ目の楽しみ方は展示されている作品たちを見比べて、個性を楽しむことです。
私はこの二つの作品を見比べてこんなことを感じました。
作品をみてもあまりなにも感じ取れないという方は、まずは作品を見比べてみるとよいと思います。作品同士を対比させることによって作品それぞれの“個性”や魅力がよく見えてきます。
美術館の楽しみ方② 作品の周りの状況を変えて想像する
二つ目は作品の周囲の状況を変化させてみることです。みなさんはこちらの作品を見てどう感じましたか?
私は最初にこの作品を見たとき、土偶が憤慨し何かを訴えかけているように感じました。土偶の形からそう感じたのでしょうか…?しかし写真を眺めているうちにふとこんな疑問が浮かびました。この作品の背景が暗い色味であるためそのように感じたのではないか?と。
そこで作品はそのままで、背景を試しに明るい色に変えてみました。すると、さっきとは作品の雰囲気が変わったように感じました。楽しく踊っているように見え始めました。さらに自然の背景に変えてみると、勇ましい印象に変わりました。
作品そのものだけでなく、風景や音、においまで周りのすべての要素が作品を構成する要素になりうるのだと感じました。頭の中で作品を自由に旅させることで、作品の意外な一面を発見できるかもしれません。
美術館の楽しみ方③ 意見を交換し合う
三つ目は、作品を見て他人と感じたことを紹介し合うことです。みなさんは下の作品を見てどのような印象を持ちましたか?
私はどこか孤独で必死に耐えている印象を受けたのですが、友人は愛嬌と可愛らしさを感じたそうです。見る人によって異なる解釈が生まれるのは面白いですよね。他人の解釈を聞いてみると作品がまた違って見えます。一人でじっくり作品の世界に入り込んだあと、他人との解釈の違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。
美術館の楽しみ方④ 作品に名前をつける
四つ目は作品に名前をつけることです。名前を付けることで愛着がわき、作品を身近に感じることができる気がします。
私はこの作品を「目覚め」と名付けました。両手を広げ少し胸を張っている姿と表情が、朝あくびをしながら伸びをしている姿と重なったからです。皆さんならどんな名前をつけますか?
私のお気に入り作品
最後に特に印象に残った作品を2つ紹介します。一つ目はこの深鉢型土器です。
土器と展開写真とのコラボレーションが、眺めているうちに引き込まれてしまうような奥深さを演出しています。大胆で繊細な渦模様に圧倒されました。果たして縄文人はこの渦模様を波として描いたのか、風なのか、雲なのか、そんな疑問を感じました。
二つ目はこの土偶です。
この作品を見たとき、ふと自分の母親が頭に浮かびました。すべてを包み込んでくれるような温かさと安心感を感じ、ほっこりしました。
せわしない世の中を生きる現代人にぜひ見ていただきたい作品です。
今回『縄文―JOMON―展』を見させていただき、 “?”や“!”が尽きず美術の奥深さと可能性を感じることができました。知識がないと美術館には行きづらいと感じる方もいるのではないでしょうか?アートに正解はありません!見る人や時代によって解釈が違うところにアートの面白さがあると私は考えます。入り口はひとつ。出口は無限!みなさんも自分流の方法で美術館を楽しみませんか?
文・写真:深谷未季(山梨県立大学 国際政策学部 国際コミュニケーション学科1年)
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